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首切り童子の異世界食道楽  作者: ぬるはち
プロローグ
1/41

猪ベーコンを作ろうと思っていたんだが…

初投稿。不安。

 待ちに待った有給休暇である。

 取った有給しめて5日。

 この有給の使い道は半年前から決めている。

 そう!!猪を前3日中に仕留めて録りためたアニメを見ながら残り2日に料理を作り食すのである!!!

 まー取れるかはわかんないけど、最悪他の猟師さんからおすそ分けを頂いて念願の猪ベーコン製作に取り掛かろうというわけだ。


 猪シチューにボタン鍋。ベーコン作ってパンチェッタ作ってシャブシャブして部位ごとに切り分けて焼肉してローストして蒸して燻してetcetc…


 はっ!ヨダレが…


 準備は万端。狩衣よし。GPSよし。解体用ナイフよし。檻よし。罠よし。目的地の自治体への許可もよし。


 あとは愛銃を厳重なロックから外して専用バッグへセット!

 無許可の銃所持で捕まらないように、各種証明書や免許も忘れずに確認。

 オッケー出発だーい。

 とりあえず今回誘ってくれた猟友会の先輩と合流しに山へいくべー。




 山到着!

 まずは先輩猟師さんと交友を深める。

 前に鹿狩りで御一緒させてもらった安西さん発見!津軽弁がどぎついが、気のいいオッサンだ。

「安西さんこの前は鹿肉ありがとうございましたー」

「おーう。めがったべ?どやしてくったんだば?(美味しかったろ?どうやって食べた?)」

「そのまんま塩とハーブでちょっとつけてステーキで。赤身なのに柔らかくて最高でした!」

 安西さんは、俺が狩り初心者の頃色々と教えてくれた大先輩だ。

 なんでも、出稼ぎに来たら息子さんが進学でこっちに来たのをきっかけに、家族で移り住んだらしい。会うと毎回、お孫さんの自慢される。



 雑談しながら各自山の何処に入るか、被らないように決めていく。

 今日はどうやら新人クンがいるようだ。銃を持っているところを見ると狩猟免許一種は持ってるみたい。

 ちなみに狩猟免許がないと狩りはできない。一種で実銃が、二種でガス銃や空気銃が扱える。銃の所持は最寄りの警察に届けたり、専用ロッカー設置したりで大変だけど罠みたいに一昼夜まったりしなくていいから俺みたいに食い気優先な奴は一級取った方がお勧めである。

 また、罠は個別に罠免許が必要だ。追い込まれた獣はとっても怖い。

 キチンと止めを刺させていなくて、鹿キックでアバラ骨折なんてザラに起こり得る。

 後は俺はあんまりやらないし、周りには居ないけど投網なんかも個別に免許が必要だ。



 まー初日は罠で様子見てゆっくりやろう。



 なんて考えてた時期が俺にもありました。

 約20m先フゴフゴと地面の根っこでも掘ってんのか?猪様発見っす。

 慌てず騒がす静かに弾を込め、セイフティー解除。スコープを覗き狙う。

 頬あてきっちり固定。引き金に指をかける。


 風に揺れる木の葉の音が通り抜ける。

 猪が頭を上げた瞬間反射的に引き金を引いた。

 衝撃で腕が上がる。慌てず下げてスコープで命中したか確認。

 倒れているみたいだな。ゆっくりと発射体勢を維持したまま近づいていく。


 まだ息はあるみたいだが虫の息だな。頭にもう一発ブチ込むか。

 トメサシトメサシ。



 はい!

 初日にして捕れちゃいました!

 現在、近くの沢まで引きずって解体中にございます!

 重かった!そして臭い!

 どうやら内臓を弾で傷つけたみたいだ。糞尿垂れ流しの上、肉に匂いが移るから

 下半身を結構切除せな。なんて考えながら皮を剥いでおります。

 うはー油が乗っててうまそー!!


 しかし首が疲れた。手首もちょっと痛い。少し立って血の巡りをば…


 ガン!


 あれ?



 ターン…










 えっと…

 身体が目の前にあります。

 猪もあります。


 ???


 これって…

 死んでる?


 ヘッドショット決まってるな。

 ナイスキル!

 じゃねーよ!?

 おいおいおいおい。

 目の前に猪あるんですけど!!

 せめて焼かせて!燻すなんて言わないから!生でもいいから食わせろ畜生!!

 犯人出てこい!!



 頭のギズの方向からするにあっちか。おのれ…食べ物の恨みはこえーんだぞ!!

 今すぐいってとっちめてやる!!やらいでかー!!






 はい。山の中を迷子なう。


 というか俺死んでね?

 なんで歩いてんだろ?

 もう結構暗くなってるし。腹へったし。お迎え来ないし。

 あれじゃないの?死んだら光がさして天国へ、もしくはいきなり穴が空いて地獄とかじゃないの?

 なんなのマジで。

 道中猪出るし、突進してくるし。避けられない!って思ったら身体を突き抜けてどっか行っちゃうし。


 あれ?

 なんか、向こう明るくないか。

 捜索隊かな?

 まーいっても触れないけど暇だし犯人いるかもしれんから行ってみるかー。


 ん?

 光ってるのは人?

 1人?光源は老人?

 てか老人自体が光ってる?


 うおっ!こっち来た!!

 って俺が見えてんの?

 猪も貫通余裕なおれが?


「もし、そこな若人よ」

「は?」

「お主沢の中程で死んだ狩人であったな?」

「や、あ、は、はい?」

「ちと頼みがあるんじゃがのう…」


 あれ?会話してる?見えてる?


「あ、あの」

「どうした?」

「おじいさんは俺が見えるの?」

「見えるし会話もしとるであろう?ああ、死んだばかりで混乱しとるのか。」

「俺は藤山(とうやま) (みつる)というんですけど、おじいさんは霊能者か何かで?」

「おおこれはご丁寧に。わしは山佐知毘古(やまさちひこ)。昔は狩人をしておったが、今はここら一体の山の神をしておる」

「神様?」

「神様じゃ」

「おじいさん頭大丈夫?」

「その様子じゃと信じておらんな。ま、無理もない。どれ証拠をみせようかの…」



 するとじいさんはピカっと光りだした。なんぞ!?

 光が収束し、人型になるとじいさんはマタギの格好をした青年になってた。

 …な、何を言ってるかわか(ry


「どうだい?驚いたかい?」

「マジで神様っすか?」

「元は人間だけどね。ちなみにこっちの若い格好だと山の幸や狩りの神様だ」

「さ、さっきは失礼な事を言ってしまって申し訳ありません!!」

「いやいやいーんだいーんだ。ところでさ君。死んじゃってるよね?」

「は、はい。頭に銃弾受けて…」

「そ〜かそ〜か。それは残念だ。で、そんな死んじゃった君にお願いがあるんだけど…」

「死んでるのにお願いなんかされてもろくに出来ることは無いと思いますけど…」

「いやいやそれがさ?あるんだよ。実はね?さっき言った通り山の神してるんだけどさ、この前大きな台風が来ただろ?」

「は、はいありましたね」

「それでさ、かなり大きな地すべりが向こうの山で起こってね。良くないんだなぁこれが。君には良くわかんないと思うけど、霊脈が大分乱れたんだ。僕は神様なんて言っても、大昔の人間がちょっといい事したら話が大きくなって神様に押し上げられたクチでね?他の天然の神様なんかに比べたらペーペーもいいとこでね。地すべりの分霊脈治すのも一苦労なんだ」

「そ、それで幽霊な俺にどうしろと?」

「簡単な話なんだけどさ。あ、その前に君、家族とかいる?」

「俺、養護施設育ちなんで天涯孤独っすよ」

「ホントに!? いやぁ運がいいなぁ。じゃあ死体が見つからなくても大丈夫だ。いや、実は霊脈治すのに君の身体と魂を使わせて貰おうと思ってね。もちろんその辺の無慈悲な天然の神様じゃないから対価は用意してあるよ」

「へ? 対価ってなんでしょう?」

「ズバリ!異世界転生! 記憶のおまけ付き!」


 異世界転生?

 ラノベとかアニメとかあんな感じの?

 いやぁ、でもなぁ。危ないんでしょう?


「異世界ってどんな感じのですか?」

「ホントはいっぱい用意したいんだけど、いかんせん平神様な僕だ剣と魔法のファンタジー的なのしか用意出来ないんだ。んーと、ちょっと待ってね」


 何やらゴソゴソとマタギベストを探りだした神様。

 あ、コイツ神様のクセにケータイ出しやがった!!?


「ケータイ持ってんすか?」

「そうなんだよー便利だよね。とと、あったこれだ」


 ずいっと画面を俺に向ける。そこには三つの異世界について書かれていた。


「その三つから選んでね」


 三つとも文化レベル中世。

 三つとも魔法あり。

 一番上はそこそこ危険。人族に転生。科学が少し発達。職業制。スキル要相談。魔法と科学を融合させてくれる方求む!

 真ん中はかなり危険。エルフに転生。魔法がそこそこ発達。魔力が強さのバロメーター。スキル恩恵なし。魔法が使いたい方は是非!

 一番下は街の外は危険。草原の民に転生。魔法、科学ともに微発達。地域差あり。職業制。スキル要相談。魔獣は持ってる魔力がおおいほどに味が良くなる。新たな味覚を求めるならここ!



 断然一番下である。

 飯がウマイに越したことはない。


「決まった?」

「質問いいですか?」

「いいよー。一応こっちは頼んでる身だしね」

「草原の民ってどんな種族ですか?」

「お、やっぱり一番下かー。草原の民はね、不老たるエルフと頑強たるドワーフのハーフから始まった種族らしいよ。えーと、容姿は死ぬまで子供のまま。手先が起用で魔力もそこそこ高い。身体が小さい分筋力は低い、その分素早いらしいよ。主な産業は牧畜と織物。全体の7割農牧家。稀に人族に奴隷狩りあう。これは草原の民の血を飲むとリアルに若返るらしいね。効果は弱いけど。えーと他には、風の神を信仰してて、風の魔術適性が高いらしいね。寿命は300才くらい」

「なるほど… 職業制ってのはゲームみたいな?」

「そうそう。メインとサブがあるみたいな感じ。剣士とか魔術師とか。たぶん聞かれるだろうから言うけどスキルも同じ。生まれ持ったやつと努力で手に入るやつがあるね。強奪とかは無い世界みたいだから安心してね」


決まりだな。飯が美味いにこしたことはない。


「一番下でお願いします!!!」


「了解だ。じゃあ、最後にスキル要相談だから、相談しようか?」

「あ、はい」

「この中から君の身体と魂と、食べ逃した猪の分合計3つスキルを選んでね。ついでに僕の加護をあげるよ。狩人だしね」


 ズラズラと大量のスキルの書かれたケータイ画面を見せられる。

 えーと。鑑定は基本だな。

 あとは…お、これ面白い。

 後はそうだなー。決まらないからこの魔力炉(水)にしよう。水魔法なら回復魔法も使えそうだし。何より自分と食材を清潔に保てる。


「決まりました」



「よし。わかった。では新たなる良い生を願ってるよ」












「あ、今からその世界の転生の神様に連絡するからちょっと待っててね」


 電話は腰が低くてすごくサラリーマン風だった。


皆さんご存知、豚の野生種。

雑食性。

臭みが強いイメージが根強いが、脂がサラリとしていて割とサッパリしている。筆者は豚より好き。

近年山の恵が少ないため害獣としてよく畑を荒らす。自治体によっては捕獲、殺害でお金が貰える(写真の撮影や手続きなどが面倒らしい)。割とインターネット等で最近手軽に買える。

ボタン鍋等が有名。


狩る上で免許はとっても大事です。

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