第4章:帝位者の力
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何を使ったのかは分からないが、海魔オルクの存在は抹消された、それと同時に絆のリンクの本来の強さ、本来の姿が垣間見えたが、実際は本来の姿がなんなのかは分かっていない。
「リンク……」
『なんだ?』
「暗黒十神の海魔をなんで倒せたんだ?」
『アイツは宝具を所持していないからな、特に恐れる物はない』
エリアは納得していたが、実際の所は宝具を持たずに9位に位置していると言うことは、相当な力の持ち主だと言うことである。
『そういえば、仇の特徴を教えてもらってなかったな』
「忘れもしない、白銀の髪に銀の瞳だ」
『確実に帝位者だな、帝位以外の神が倒せるとは思えん』
帝位者、それは暗黒面も聖面両方に共通し存在する呼び名である。
上位の1位から4位の神にだけに使われる位であり、帝位者はその名にふさわしい巨大な能力を保有している。
『帝位は暗黒が煉獄帝、絶世帝、乖離帝、黎明帝の四帝、聖面が光輝帝、破砕帝、冷氷帝の三帝で一位の明星帝が亡くなったために、まだ空位になっている、中でも一位の煉獄帝と二位の光輝帝の力は凄まじいらしい、それとこの帝位者は単独だ』
単独、それは聖面は暗黒面を自ら封殺した結果、暗黒面は聖面を喰らったという事に他ならない。
「白銀の髪……忘れない、いや、忘れる事が出来ない」
『ただ…な、煉獄帝、絶世帝、乖離帝、光輝帝、破砕帝、冷氷帝の6人は誕生から単独だったらしい、だが黎明帝は聖面を喰らったらしいな』
「関係無い…暗黒面は叩き潰す!」
「へぇ、言ってくれるじゃない?坊や、いや、暗黒殲滅のエリアと呼ぶべきかしら?」
「貴様…暗黒だな…」
先程までは誰も居なかった筈の空間には、黒く長い外套を身に纏った一人の女性が立っていた。
「自己紹介が遅れてたわね、私はクオルフェイド、多くは絶世帝と呼ぶわ」
「暗黒第二位か…相手に取って不足なし!」
「馬鹿見たいね、でもそういう性格嫌いじゃないわ」
『止めろ!エリアお前の敵う相手じゃない!』
「煩い、食らえ!境界よ蝕め!境界天空殺【ディレスト・ターミネート】!」
黒い外套に確かに直撃し、破壊される筈だった、しかし外套は破壊されず、むしろ先程よりも堅固そうにみえる。
「宝具、フオーレン・ウイングス【天へと誘う鋼の外套】よ、貴方の境界の力位なら何も為なくても無効に出来るわ」
飽きた様に手を伸ばした瞬間、異常な力の集約を見逃すはずがなかった。
「そろそろ、出て来たらどうなの?絆のリンク、いえ、プルと呼んだ方がいい?」
『ちぃ!変われ、エリア!』
「断る、こいつは俺が相手をする!」
なにかの焦りを感じているリンクに変わっても、結果は変わらないと思ったのか、エリアは珍しく変わらなかった。
「そう、じゃあね…エリア」
とっさに回避行動に移り、クオルフェイドから大きく離れた。
「舐めたら命に関わるわよ?」
一瞬で顔が触れ合う程に間合いが詰められていた。
「バァイ、また会いましょう?て…のエリア」
何を言ったのか、最後まで聞き取る事ができなかった。
「絶世霊穿掌【グレイ・スレイバー】!」
強大な力がエリアの身体を突き抜けた。
「所詮は神候補、まだまだね」
「まだだ!まだ終わっちゃいねぇ!」
ボロボロになった身体で立ち上がってはいるが、勝敗は既に決まっていた。
「さすがね、根性は父親譲り、大丈夫見たいね、本気で行かせて貰うわゲイル・ボルテックス【激雷の槍】!」
「二つ目の宝具!だが……」
持たれた槍からは、激しく紫電を撒き散らされている。
「合格ね、その衰えない闘争心、力の差を見せ付けられても折れない心、どれも合格ね」
戦闘の意思が無くなったのか、槍は持って居なかった。
「エリア、貴方の父親、明星帝を殺したのは暗黒十神第四位、黎明帝ヴァストリィクよ」
突然、仲間であるはずの黎明帝を教えてきたため、さすがに警戒した。
「なぜそれをおれに教える?」
「簡単な事よ、彼女は明星帝……私達のいえ、聖面だけでなく暗黒面の為に動いていてくれた、敵である筈の私達の為によ」
「親父が…暗黒面を助けていた……」
思い当たるふしは幾つかあった、しかしそれでなぜ殺され無ければならなかったのか?
「それは、黎明帝が個人でやった事よ、心意は彼女しか分からないわ、でもね此だけは覚えていて、少なくとも煉獄帝、絶世帝、乖離帝は貴方と敵対するつもりは無いわ」
「その言葉、本当に信じて良いんだな?」
「えぇ、構わないわ」
直ぐにエリアも構えを解いて、握手の為に手を伸ばした。
「同盟成立かしら?」
「よろしく頼む」
握りに行ったはずのエリアは先程までのダメージか、そのまま倒れた。
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