第9章:目覚める天空と殺戮(後)
かなり久しぶりの更新となってしまいました、今後も頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いします
立ちすくむ二人の青年、先に仕掛けたのは黒髪の方で、黒い風となり蒼色の方へ飛び込んで行った。
「テメェは、いい加減に死ねぇ!」
「そろそろ、終わりにしようか………もう、十分だろ?殺戮、いや、俺の半身である、スレイクヴァルエよ」
月蝕刀・新月が何かに接触し、遥か後方へ弾かれた。
「な、に……クレイス、貴様ぁ!」
弾かれたことに対処し、神速の抜き手がエルヴァクレイスに襲い掛かった。
「天聖鎧!」
声と共に発生した光を受け、驚愕していたのは、スレイクヴァルエだけではなく、その場にいた者全てが目を見開いていた。
触れる寸前で扁角多面体により受け止められている。
「あれは、秘宝具が秘中が秘の一つ天聖鎧……実在して居たのか…」
ぽつりと呟いたのはルゥウェルストーラだったが、その意味を理解出来たのは数人だった。
「そうか、そうか!ならば見せてやるさ、殺戮の銘にふさわしいこの衣をな!」
狂喜の声と共に、一陣の風が吹いたかと思った、次の瞬間には紅い風がスレイクヴァルエの回りを渦巻いていた。
「秘具・血風衣か…ならば…蒼天剣解放……」
言葉に連動してか、蒼天剣が欠き消えた。
「拓け、天鎧の門、持ちし力を解き放ちて、真なる力を我に魅せ完全なる蒼天を我に見せよ!」
先程まで立ち込めていた雷雲は完全に消え去り、空は完全な蒼穹を讃えている。
「人体のみを切り裂く混沌大剣、じゃあ蒼穹大剣はどうだろうな?」
手に持っている柄は鍔から先は完全に消失していた。
「そんな解放状態でなにができる?」
「さぁな…全てはやって見れば分かるだろ?」
血風を突然荒らした、完全に防御さえされたが、血風を乱した刃の存在は目視では確認する事が出来ななった。
「貴様!何をッ!」
「解放状態にしたのはこう言うことだ」
不可視の刃が異常な力を保持したまま、エルヴァクレイスの回りを舞っているのを確認する、その一つ一つの力を血風の向こうから窺うことができた。
「どういう事だ…コイツの力は境界だろう!」
「何の事だ?俺は天空…天空帝エルヴァクレイスだ」
天空帝、それは空位であった聖帝五神の一位の位、そして最高神に最も近い位である。
「そうか…ソレ…ソレがお前の力か…なるほどな」
「そうらしい……な、俺は…天空帝」
スレイクヴァルエの顔が屈辱に歪んだ。
「そうか……ソレが貴様の!」
「そろそろ、終わりにしようか……スレイクヴァルエ!」
蒼い一陣の風になり、飛び込んでいく。
次の瞬間、血風の中からスレイクヴァルエが吹き飛ばされて出てきた。
「なん・・・・なんなんだよ!てめぇは!」
「別になんでもいいだろ?そういうものだからな、俺もお前もな」
「認めねぇ!俺がお前に負けるなんて・・・あり得ん!」
血風衣がスレイクヴァルエの周囲に収束し、不整形の剣を形成していた。
「血風の破壊剣」
「蒼天剣」
何も言わずに二人は近づき、どちらからと言われないほぼ同時に斬撃を繰り出し、激突した瞬間に双方の剣が吹きとばされた。
「もらったぁ!」
再び神速の抜き手がエルヴァクレイスに向けて放たれる。
「ぐっ!」
今回は何かに守られることはなく、エルヴァクレイスの脇腹を貫いていた。
「ははっ!どうやら、蒼天剣がなければ発動しないみたいだな?」
「勘違いするな、これは・・・・お前を倒すための…布石」
その言葉道理に、不可視の剣が次々とスレイクヴァルエの体を貫いていく。
「なんだ・・・と?」
その瞬間、二人をまばゆい光が包み込んだ
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