雲船
空に貰った紙が波風で破けたから
砂浜に書くことにした
なるべくなるべく 波打ち際へと
波打ち際へと何かを書こうとおもう
波に攫われて なくなるくらい
弾けてあの雲になれるよう
遠くまでゆっくり雲船に乗るように
海を隔てた橋の向こう
あの見上げる瞳が星にみえたなら
わたしもじっとみつめ返す雪となりたい
あの瞳の中へ
頬を伝い流れる星をただみつめて
唇まで届いたなら夢となれる
満たされないコップの砂を波へと返して
波を切って泳ぐイルカに憧れながらも
海底に沈むヤドカリの吐く砂となるのもいい
コップ一杯の涙に思い出の一凛のストローを差して
温かい息を吹きかけていくつもの風船をつくる
大樹に手を触れながら空へ広がる枝葉の向こう
ゆっくりと流れる雲に乗ってゆく




