もう二度と――Nevermore
君と僕が出逢ったのは
階段を降りたさきだった
漆黒の扉が誘う理想郷
赫灼たる永遠の時の川
唇が黄金色の麦酒に濡れ
接吻はライムの香りがした
心はテキサスの黄色い薔薇に酔い
金の泡は儚く、琥珀の海は荒々しく
溶けあうのはつかのま
もう二度とこんな刻はこないと
気づかぬまま楽園の夢魔を吸って
妖精つれて森に林に遊び戯れ
小鳥や蝶すら嫉妬に困らせた
真紅は笑いおどけて
天色は歌い踊っては
あかとあおは混じりはすれど
もう思い出せない愛は紫の煙
別れは不意に扉を叩き
祈りと願いの輪唱となり
最後に輪舞曲を歌ったね
白金の漣に洗われて
「もう逢わないつもり?」
「先に進むと決めたんだ」
「なんで? どうして?」
口づけ求める君に背中で答えた
――もう戻れない
踵が階段を駆けあがり
追い縋ってくる
もう二度と聞けない音…
あなたの息づかい…
――もう振り向けない
「最後のキスぐらい……馬鹿ぁ!」
もう二度と聞けない愛しい罵倒
あとはもう小径を登るだけ
もう二度と降りない階段
地獄のような天国への階段
もう二度と逢えない…
愛しい貴女…
もう二度と…
Nevermore…
戻らぬ刻…
もう二度と…
Nevermore…
Queen - Nevermore
https://www.youtube.com/watch?v=1lXwT7mxmf8