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"QueenⅡ"に寄せて  作者: イプシロン
Side Black
8/11

もう二度と――Nevermore

  

  君と僕が出逢ったのは

  階段を降りたさきだった

  漆黒の扉が(いざな)理想郷(アルカディア)

  赫灼(かくやく)たる永遠の時の川


  唇が黄金(こがね)色の麦酒(コロナ)に濡れ

  接吻はライムの香りがした

  心はテキサスの黄色い(イエロー・ローズ)薔薇(・オブ・テキサス)に酔い

  金の泡は儚く、琥珀の海は荒々しく

  溶けあうのはつかのま


  もう二度とこんな(とき)はこないと

  気づかぬまま楽園の夢魔を吸って

  妖精つれて森に林に遊び戯れ

  小鳥や蝶すら嫉妬に困らせた


  真紅は笑いおどけて

  天色(あまいろ)は歌い踊っては

  あかとあおは混じりはすれど

  もう思い出せない愛は紫の煙


  別れは不意に扉を叩き

  祈りと願いの輪唱となり

  最後に輪舞曲(ロンド)を歌ったね

  白金(プラチナ)の漣に洗われて


  「もう逢わないつもり?」

  「先に進むと決めたんだ」

  「なんで? どうして?」

  口づけ求める君に背中で答えた


  ――もう戻れない

  (ヒール)階段(きざはし)を駆けあがり

  追い縋ってくる

  もう二度と聞けない音…

  あなたの息づかい…


  ――もう振り向けない

  「最後のキスぐらい……馬鹿ぁ!」

  もう二度と聞けない愛しい罵倒


  あとはもう小径(みち)を登るだけ

  もう二度と降りない階段

  地獄のような天国への階段

  もう二度と逢えない…

  愛しい貴女…


  もう二度と…

  Nevermore…


  戻らぬ刻…


  もう二度と…

  Nevermore…

Queen - Nevermore

https://www.youtube.com/watch?v=1lXwT7mxmf8

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