白き女王――White queen
あの人に出会った日は
もう思い出せない
白い霧と雨に霞んで
哀しみの涙で見えない
お別れの日に
忘れないでと手渡した
帆布にはソルジィの絵が
桜が蕾をつけはじめた
春かぜ香る卒業式の日
貴女は近寄りがたい
白き女王
嘘の黒子ひとつない
真実の女性
僕はただそっと
照れを隠れ家に
覗き見て溜息をついた
白き女王は凛として
剣をふるい
鞘におさめれば
儀礼も鮮やかで
微笑みとともに
かけてくる言葉は
突飛で掴みどころがなく
心を掻き乱した
二人、巣立ちの日、あの時
気持ちを言葉にできなくて
彼女は知って知らぬそぶりで
僕の心は揺れたっけ
アイシャに説き伏せられた
ソルジィのように
「平穏無事が一番よ」
アイシャは言った
「時には勇気も必要よ」
ソルジィが応える
「どちらを選ぶかは貴方しだい」
二人の声が重なった
だけど今も
心は胡蝶蘭を咲かせている
あなたに似つかわしい
触れ得ざる谷底に咲く
一輪の健気な百合ともなり
やがて花は理想となって
今も僕を手招いている
白き女王からの贈物
星屑を降らす接吻が
心の天秤を揺らす
理想を追おうと
空へと伸ばされる手と
大地を踏んで
歩こうとする足となって
Queen - White Queen (As It Began)
https://www.youtube.com/watch?v=Nx_SVPiXnWM




