表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
"QueenⅡ"に寄せて  作者: イプシロン
Side White
3/11

白き女王――White queen


  あの人に出会った日は

  もう思い出せない

  白い霧と雨に霞んで

  哀しみの涙で見えない


  お別れの日に

  忘れないでと手渡した

  帆布(カンバス)にはソルジィの絵が

  桜が蕾をつけはじめた

  春かぜ香る卒業式の日


  貴女は近寄りがたい

  白き女王

  嘘の黒子(ほくろ)ひとつない

  真実の女性(ひと)

  僕はただそっと

  照れを隠れ家に

  覗き見て溜息をついた


  白き女王は凛として

  剣をふるい

  鞘におさめれば

  儀礼も鮮やかで


  微笑みとともに

  かけてくる言葉は

  突飛で掴みどころがなく

  心を掻き乱した


  二人、巣立ちの日、あの時

  気持ちを言葉にできなくて

  彼女は知って知らぬそぶりで

  僕の心は揺れたっけ

  アイシャに説き伏せられた

  ソルジィのように


  「平穏無事が一番よ」

  アイシャは言った

  「時には勇気も必要よ」

  ソルジィが応える

  「どちらを選ぶかは貴方しだい」

  二人の声が重なった


  だけど今も

  心は胡蝶蘭(こちょうらん)を咲かせている

  あなたに似つかわしい

  触れ得ざる谷底に咲く

  一輪の健気な百合ともなり

  やがて花は理想となって

  今も僕を手招いている


  白き女王からの贈物

  星屑を降らす接吻が

  心の天秤を揺らす

  理想を追おうと

  空へと伸ばされる手と

  大地を踏んで

  歩こうとする足となって

Queen - White Queen (As It Began)

https://www.youtube.com/watch?v=Nx_SVPiXnWM

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ