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"QueenⅡ"に寄せて  作者: イプシロン
Side White
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父から子へ――Father to son


  ぼくが父から引き継いだもの

  二重螺旋の糸車、DNA

  いうなれば、ぼくは父のコピペ

  よくできた

  あるいは、できそこないの焼き増し


  ある人は屈託なく言った

  「後ろ姿がそっくりね」

  その背中を追うように

  父が愛した映画をなぞり

  抜き去った先の眺望は

  オアシスもない砂煙たつ荒野


  もはや父の姿は見えない

  残ったのは醜い性癖への憎しみ

  拳に封じられた暴力の宿痾

  耳を破壊しかねない怒声の源

  瓢箪枕に惰眠を貪る飲酒の悪魔

  そして、黄ばんで染みこんだ

  タールの茶色い煙草の跡


  あれほど嫌った似姿が

  今、ここにある

  だけどそれは皮膚だけで

  ぼくの内臓は知っている

  命を歌えとざわめき疼く


  ああ、父の声が遠く微かに

  「俺がおまえにあげたのは

  ただのコピペと思うなよ

  そうだ、その翼、その命だ」


  父から子へ

  命のリレーは今も息づく

  父が残した暴虐の嵐はすぎ

  陽光に照らされた歓喜が

  花を咲かそうと藻掻いている


  願わくばその花よ

  歓喜を歌い

  果実を結べ

Queen - Father To Son

https://www.youtube.com/watch?v=4hytYgRmzTs

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