ディオンとのおしゃべり
ディオンとお茶をすることになったルーヴルナ。
乳母であるシズの指示で、侍女が美味しい紅茶を淹れお茶菓子を出す。
ディオンは上等なお茶とお茶菓子に舌鼓を打つ。
「ディオン先生、美味しい?」
「美味しいですよ、姫君。こんなに良いものをありがとうございます」
「ディオン先生にはいつもお世話になってるもん」
「ふふ、それは光栄です」
そして取り止めもなくおしゃべりをする二人。
「それでね、お父様がお誕生日の次の日にお祝いしてくれたの!」
「よかったですね、姫君」
「うん!お父様が祝ってくれると思わなかったから嬉しかった!」
「ふふ、本当に良かった」
話題はコロコロ変わる。
「それでね、ローズったら神童とか才女とか呼ばれてるくらいお勉強を頑張ってるんだよ!」
「それは偉いですね」
「うん、それでね、今はさらに頑張ってるんだって。でも睡眠時間はちゃんととってるみたいで安心したんだよ」
「そうですか、それは素晴らしいですね」
微笑んでルーヴルナの話を聞くディオン。
「アレクシお兄様は天才って呼ばれてるし、アロイスお兄様は秀才って呼ばれてるけど、最近アマデューお兄様も秀才って褒められるようになったんだよ!天才って呼ばれることもあるみたい!」
「きっと勉強を頑張る姫君に刺激を受けたのでしょうね」
ディオンが楽しそうに話を聞いてくれるので、ルーヴルナの話しは止まらない。
「それでね、それでね」
「はい、ストップ」
「あ、パラケルスス先生!」
そこにパラケルススが来た。
「そろそろパラケルスス殿との授業の時間ですか。楽しかったのでちょっとだけ残念です」
「ルナも楽しかったから残念…でもパラケルスス先生との授業も楽しみだよ!」
「それは良かった。じゃあ行こうか、ルナ姫殿下」
「うん。バイバイ、ディオン先生!」
「はい。姫君、また明日」
そしてディオンを置いてパラケルススと勉強に行くルーヴルナ。
残されたディオンは、しかし満足そうな顔をしていた。
「ルナ姫殿下、ほぼほぼ全ての教科を完璧に履修済みのルナ姫殿下だけど、外国語はまだ覚えていないよね?」
「うん!」
「今日から課外授業や復習の他に、外国語も学んでいこう」
「わーい!」
外国語も学ぶことになったルーヴルナ。
ルーヴルナの成長は留まるところを知らない。
そんなルーヴルナに、パラケルススの期待も留まることを知らなかった。
「まずはラダマンテュス語から始めようか」
「はーい!」
「じゃあルナ姫殿下、教科書を開いて。最初は簡単な会話から行くよ」
「はーい!」
ということで新たな学びが始まったルーヴルナ。
王宮きっての天才は、一体どこまで行くのだろうか。




