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【連載版】嫌われ者のお姫様、今日も嫌われていることに気付かず突っ込んでいく  作者: 下菊みこと


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誕生日

今年の誕生日。


それはルーヴルナが初めて家族にお祝いされる誕生日でもある。


盛大なお祝いパーティーが開かれて、たくさんの貴族達からも初めて祝福されることとなる。


なので当日は、準備が大変であった。


…主に侍女たちが。


「姫殿下、おめかししましょうね」


「まずはお風呂に入りましょう」


「シャンプーしましょうね」


「リンスもしましょうね」


「お顔も念入りに洗いましょうね」


ルーヴルナを愛する離宮の頃から仕える侍女たちは、ルーヴルナの乳母シズの指示の元ルーヴルナを輝かせる。


「お身体も念入りに洗いましょうね」


「入浴剤入りのお風呂に浸かりましょうね」


「ボディークリームを塗りましょうね」


「化粧水と乳液をつけましょうね」


「お髪を整えましょうね」


あまりの忙しさにみんな余裕がないが、どんどん仕上がるルーヴルナの美しさにテンションは爆上がりである。


「お化粧をしましょうね」


「魔術で髪型を固定しましょうね」


「香水をつけましょうね」


「とっても可愛いですよ、姫殿下!」


「とっても愛らしいですよ、姫殿下!」


そしてルーヴルナは完成した。


ピンクのドレスに身を包んだルーヴルナは、とても可愛らしい。


「では、いってらっしゃいませ。姫さま」


「「「「「いってらっしゃいませ、姫殿下!!!」」」」」


そしてルーヴルナは、部屋の外で待っていたアレクシの元へ行く。


「美しくなったね、ルーヴルナ」


「アレクシお兄様も、正装とっても素敵!」


「それはありがとう。じゃあ、お祝いパーティーに行こうか」


「うん。お父様は?」


「…父上は、今日はちょっとね」


ルーヴルナの母である国王の寵妃ルシールは元々身体が弱かったため、ルーヴルナを産んだ後亡くなった。


そのため、アナトールはルーヴルナの誕生日には部屋にこもって出てこない。


ルーヴルナの誕生日祝いのパーティーにも、出られる状態ではなかった。


ルーヴルナはそれをなんとなく理解した。


嫌われているのではない、それだけ〝お母様〟をお父様は愛しているのだ。


「うん!わかった!」


「…ルーヴルナは良い子だね」


「えへへ」


「お誕生日おめでとう、ルーヴルナ」


「うん、アレクシお兄様ありがとう!」


どうせ髪型は魔術で固定されているので、アレクシはルーヴルナの頭を優しく撫でてやった。


そしてアロイス、アマデュー、エヴァとも合流して、ルーヴルナの誕生日祝いパーティーが始まった。


「まずは、娘のために集まってくれて皆に感謝します。そしてルーヴルナ、お誕生日おめでとう」


「おめでとうルーヴルナ」


「おめでとう」


「おめでとう」


「お義母様、アレクシお兄様、アロイスお兄様、アマデューお兄様、本当にありがとう!」


そしてエヴァは言う。


「皆にはこの愛おしい姫を守ってもらいたいのです。どうか娘をこれから、よろしくお願いします」


エヴァの言葉で、貴族達はルーヴルナがどれほど溺愛されているのか知る。


貴族達はルーヴルナの元へ我先にと駆け寄った。


「ルーヴルナ様、お誕生日おめでとうございます!」


「ルーヴルナ様、おめでとうございます!」


「ルーヴルナ様、お誕生日おめでとうございます!」


「ルーヴルナ様、この度は誠におめでとうございます!」


「ルーヴルナ様、おめでとうございます!」


たくさんの貴族達に祝福され、家族にも祝福され、ルーヴルナはご機嫌となった。


さらにパーティー後には、ディオンとパラケルススが部屋に訪ねてきて個人的にお祝いしてくれた。


「姫君、お誕生日おめでとうございます。これ、プレゼントです」


「ルナ姫殿下、お誕生日おめでとう。これ、プレゼントだよ」


「二人ともありがとう!」


「今日はたくさんお祝いしよう」


「いくらお祝いしても足りませんからね」


乳母であるシズや侍女たちも、その後個人的にお祝いしてくれた。


「姫さま、お誕生日おめでとうございます!」


「「「「「姫殿下、お誕生日おめでとうございます!!!」」」」」


「みんなありがとう!」


ルーヴルナはにこにこと祝福を受け取る。


こうしてルーヴルナは、幸せな誕生日を過ごしたのである。

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