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乳母への報告

ルーヴルナは離宮唯一の使用人である住み込みの乳母の元へ行く。


ルーヴルナの唯一の使用人である乳母も、最近体調を崩しておりルーヴルナは一人で自分の身の回りのことを行なっていた。


そんなルーヴルナを心配する乳母に心配をかけないため、ルーヴルナは幼い割にしっかりとしている。


ルーヴルナは体調が悪い乳母に、兄の話をするのが日課になっていた。


「ばあや、来たよ!」


「姫さま、本日もご無事でなによりです…げほっ、ごほっ」


「ばあや、大丈夫?」


「はい、ばあやは大丈夫です」


優しく微笑む乳母にルーヴルナは少し心配そうにする。


だがばあやはそんなルーヴルナに話を促す。


「今日はどんな一日でしたか?」


「あのね、アロイスお兄様が本当に遊びに来てくれたの!」


「あらあら…よかったですね、姫さま」


「うん!」


笑顔で報告するルーヴルナに、乳母も嬉しそうに笑った。


「これで、第二王子殿下が姫さまの後ろ盾になってくだされば良いのですが…」


「?」


「ともかく、姫さまが無事であればそれで良いですね。姫さま、ばあやが回復するまで…どうかご無事で」


「うん!」


ばあやの心配も他所に、ルーヴルナは無邪気にはしゃぐ。


しかしばあやはそんなルーヴルナを愛おしそうに見守っていた。


「ばあやは姫さまの味方ですからね」


「うん、ばあやありがとう!」


「ふふ、姫さまは本当に無邪気で愛らしい…」


眩しいものをみるように、ばあやはルーヴルナを見つめる。


ルーヴルナはそんなばあやに微笑む。


「それでね、アロイスお兄様はまた今度美味しいものを持っておやつの時間に遊びに来てくれるんだって」


「それはよかった」


「今日のおやつのフォンダンショコラもすごく美味しかったんだよ!」


「本当によかったですね、姫さま」


「うん!」


ルーヴルナは乳母にもプレゼントだとフォンダンショコラを差し出した。


「ばあやの分もフォンダンショコラあるよ!」


「え…」


「アロイスお兄様にばあやが元気ないってお話したら、ばあやにもあげて良いって!だから食べて、これで元気出して!」


「姫さま…っ!ばあやは心優しい姫さまにお仕えできて幸せです!」


「えへへ、褒めてくれてありがとう。はい、どうぞ」


乳母はフォンダンショコラを食べる。


そのガツンとくる甘さは弱っている乳母にとっては強烈だが…その分元気も出る気がした。


「姫さまと第二王子殿下のご厚意のおかげで、元気になりました!」


「本当に?よかったぁ…でもちゃんと元気になるまではしっかり休んでてね」


「はい!姫さまは本当にお優しい…」


「えへへ」


乳母に褒めちぎられて、ルーヴルナは嬉しそうに笑った。

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