他の勉強もそろそろ開始
魔術が大の得意となったルーヴルナ。
適性のない魔術もフェリクスとニュイの力で普通に使えるようになってきた。
なのでアナトールたちはまた、夜中に秘密会議をする。
「ということで、ルーヴルナにそろそろ魔術以外も教えたいと思うがどうだ」
「異論なし」
「私も同じくです」
「僕も同じく」
「私も異論ございません」
ということで、ルーヴルナに家庭教師をつけることが決定された。
「では家庭教師を誰にするかだが」
「パラケルススはどうです?」
「む、あの天才と謳われる千歳のエルフか」
「人としてはダメという噂ですが、能力はピカイチだそうです。ルーヴルナの能力を引き出すにはもってこいでしょう」
「なるほど」
というわけで、パラケルススという千歳のエルフにルーヴルナの家庭教師のオファーをした。
パラケルススはルーヴルナに興味があったらしく、即答で家庭教師を引き受けた。
「やあ、こんにちは。可愛いお姫様」
藍色の髪に青い瞳の涼しげな美形な男が微笑む。
パラケルススの微笑みは、幼女も老婆も関係なくときめかせるものだが…。
「お初にお目にかかります、ルーヴルナ・ヴィクトリア・アルヴィアと申します」
可憐に挨拶をするルーヴルナ。
パラケルススの微笑みに当てられた様子はない。
パラケルススは内心驚いた。
だが、不思議とそれが心地よい。
丁寧な挨拶には、丁寧に返そう。
「お初にお目にかかります。東の森の賢者と呼ばれております、パラケルススです。今日から姫殿下の家庭教師を務めさせていただきます。あと、私に敬語はいりません」
「じゃあ、ルナにも敬語はいいよ!あと、ルナって呼んでいいよ!」
「あはは、じゃあお言葉に甘えて。ルナ姫殿下、これからよろしくね」
「うん、よろしくね!」
こうしてルーヴルナは新たな家庭教師を得た。
そしてしばらく経ってから、パラケルススからアナトールに報告があった。
曰く、ルナ姫殿下は天才だ。
曰く、教えられたことを即座に覚えて忘れない。
曰く、理解度も高い。
曰く、王家の中でも歴史に残る才女になるかもしれない。
曰く、このままだと教えられることがなくなりそうなので世俗のことを教えるため外での課外学習もさせてほしい。
とのこと。
アナトールは心の中で嬉しい悲鳴をあげまくった。
うちの娘が天才すぎると。
その後、家族での秘密会議にてそれを家族に報告した。
「さすが私の娘」
「さすが私の妹」
「ここまで行くと神童とか鬼才だよな。ローズもそう言われてるけど…正直比じゃないくらい有能すぎる」
「でも当のローズは嫉妬するどころか、そんなルーヴルナが誇らしいみたいだけどね」
そして本日の議題が出される。
「今日の議題は…外での課外学習を認めるかだ」
「いいんじゃない?どうせ守りは鉄壁でしょ」
「でも心配だよ」
「それは過保護すぎるぜ、兄上」
「今後のあの子のために、認めてあげるべきですね」
ということで多数決で、課外授業を認めることとなった。




