段々と、ルーヴルナが可愛がられるようになったことが周知されてきた
魔術の勉強は、あとは適性のない魔術をコツコツ身につけるだけとなったルーヴルナ。
読み書き計算も完璧で、あとは他の教科を身につけるだけだ。
身の回りの世話は金のバッジをつけまだバリバリ働けるぞといった雰囲気の乳母シズが行い、護衛は使い魔のフェリクスと契約した精霊ニュイと見習い騎士のギルベルトが行っている。
そして国王も王妃も、王子達もその婚約者もルーヴルナにデレデレだ。
ここまでくれば段々と、ルーヴルナが可愛がられるようになったことが単なる噂としてではなく事実として周知されてきた。
また幼くして見目麗しい、幼くして魔術の天才、幼くして優しい姫君とも知れ渡っている。
冷遇された可哀想な姫君だと憐れんでいた貴族達は姫の変わりように歓喜し、冷遇された可哀想な姫君だと嘲笑していた貴族達は焦った。
だがルーヴルナはやらかしてしまったと焦る貴族達も差別せず、公平にみんなに接した。
貴族達はそんなルーヴルナの優しさに心を打たれて、それからルーヴルナの信奉者となった。
そんなルーヴルナの様子に、姫殿下がやっと認められたと歓喜した貴族達は大変に喜んだ。
こうしてルーヴルナは、みんなから愛されている末っ子お姫様として公の場にも出るようになったのである。




