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【連載版】嫌われ者のお姫様、今日も嫌われていることに気付かず突っ込んでいく  作者: 下菊みこと


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兄様たちの婚約者にも嫌われていたが、とりあえず突っ込んでいったら可愛がられた

王太子アレクシの婚約者、レティシア。


第二王子アロイスの婚約者、マリア。


第三王子アマデューの婚約者、リリー。


彼女たちはいずれも、王妃エヴァから可愛がられていた。


そのため、国王アナトールの寵妃ルシールから生まれたルーヴルナを嫌っていた。


のだが。


最近やけに婚約者であるルーヴルナの兄達が、ルーヴルナが可愛いという話をしてくる。


また自分たちを可愛がってくれるエヴァや、国王陛下もルーヴルナを溺愛している様子だ。


あまりの変わりように驚いたものの、エヴァ自身がルーヴルナを溺愛しているのなら…そして婚約者もルーヴルナを溺愛しているなら、これ以上ルーヴルナを嫌う意味も遠ざける意味もなかった。


ルーヴルナとは接触したことがなかったが、今日の三人組のお茶会にルーヴルナを交ぜてくれとのそれぞれの婚約者の要望にお応えしてルーヴルナと初めて接点を持つことになる。


ずっと嫌っていた相手だ。


いくら嫌う意味も遠ざける意味もないとはいえ、うまく接することができるか三人は不安だった。


だが。


「お初にお目にかかります、ルーヴルナ・ヴィクトリア・アルヴィアと申します」


可憐に挨拶をするルーヴルナ。


その顔はエヴァそっくりで、まるで本当の親子のよう。


大好きなエヴァそっくりのルーヴルナを前に、三人組は一瞬でデレデレになった。


「お初にお目にかかります!わたくしはレティシア・タイスの申します!姫殿下、これからよろしくお願い致しますわ!」


「お、お初にお目にかかりますわ!わたくし、マリア・ランスと申しますの!姫殿下、どうか仲良くなさってくださいまし!」


「お初にお目にかかります。わたくしはリリー・シモンヌと申しますわ。姫殿下、ぜひわたくしとも仲良くしてくださいな。あと、わたくしたちに敬語は不要ですわ」


「うん!レティシアお義姉様、マリアお義姉様、リリーお義姉様、これから仲良くしてね」


「「「もちろんですわー!!!」」」


こうしてまた三人、ルーヴルナに陥落した。


その様子をこっそり遠くから眺めていた兄三人と両親たちも微笑ましげに笑っていた。


そしてルーヴルナは、自分を可愛がってくれる将来の義姉たちにすっかり懐いていた。

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