可愛い姫
「ルーヴルナは本当に優秀な子ですね」
「お義母様、ありがとう!」
「ふふ、ええ」
ルーヴルナの勉強の進みを聞き、ルーヴルナを褒めるエヴァ。
そんなエヴァに嬉しそうに笑うルーヴルナ。
ほんわかした空間が広がっていた。
「ルーヴルナ、この調子で頑張るんだぞ」
「うん、お父様!」
素直なルーヴルナに、アナトールはメロメロだ。
ルーヴルナは家族から愛されるようになり、毎日を幸せに過ごしている。
魔術の授業も順調で、次第に他の科目も家庭教師をつけられるようになりしっかりと勉強も進めていた。
そんなルーヴルナのために、アナトールやエヴァ、兄たちは秘密である話し合いを進めていた。
「それで、ルーヴルナのお話相手だが」
「やはり大事な時期ですし、お友達は必要ですからね」
「でも、相手は慎重に選ぶ必要がありますね」
「例えば、塔の魔術師は?」
「家庭教師とお話相手両方頼むのは難しくない?アロイス兄上」
ああでもないこうでもないと、ルーヴルナのお話相手を考える。
「そうだ、新しい宰相の息子さんは?」
「それも却下。年齢的に合わないよ」
「じゃあ…いっそ従姉のローズとか」
「あの子は気難しいからなぁ」
「でも、他に良い相手も…親戚付き合いもルーヴルナにとって大事だし」
ローズと呼ばれる女の子は、ルーヴルナとちょうど同い年の従姉だ。
従姉というか…兄たちの従姉妹、といった方が正しいか。
エヴァの妹の子供なのである。
公爵家の一人娘で、プライドが高いちょっとおませな女の子だ。
「問題はローズがルーヴルナを受け入れるかかな」
「そうだね…」
「とりあえず、一旦会わせてみてもいいかもしれねえな」
「一度会わせて二人が合わなければやめようか」
「そうですね」
ということで、ルーヴルナとローズを会わせることが決まった。
どうなるかは、まだ誰にもわからない。




