表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
眠り姫は夢をみない  作者: 鈴木チセ
伽耶王国進行編
70/70

私の希望

殺す、殺されるの世界で生きてきたシルフィにとって、貴族の世界はまぶしいものだった。自分たちのような人間に汚れ仕事をさせ、自分たちは日の光の下でのうのうと幸せに生きる存在。そんな貴族たちはシルフィが復讐する対象ではなく、むしろ憧れだった。いつか家長の目的が達成されれば、国のために暗躍した自分たちは必ず報われる。そう伝えられていたし、貴族とはなんと素晴らしいものかと信じ切っていたのだ。しかし、スミレと出会い、ランの女官として正式に取り立てられたことで、その憧れは終わった。


「こんなものになるために、兄さんは死んだのか。」


目の前で倒れている風華とココナを見ながらシルフィは呟く。風華もココナも辛うじて息があるものの、意識はない。スミレの姿はなく、代わりに血が窓まで伝っていた。よく見たら部屋も荒れており、ところどころ蔦が散らばっている。凄惨な場で、令瞑だけが何も変わらず眠りについていた。正しくは仮死状態だが、見た目は眠っているのとそう変わらない。彼は特に外傷はないようだし、そのまま放置しておくことにする。問題は二人だ。シルフィの異能は場所を転移することしかできない。人を殺したことはあっても助けたことなどなかった。二人とも外傷はない。スミレが何をしたのかも見ていない。


「こういう時、あんたならどうするんだよ、、、、」


風華の肩を揺さぶるも、起きるはずもなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ