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アオイの日記 急報
今日は城に華の国からの知らせが届いた。
私は直接知らされたわけではないが、普段は落ち着いた官僚たちも大騒ぎしていた。
陽煌、陰謀、バラ園。
そんな言葉が聞こえたことから、陽煌様に何かあったのだと思う。
しかし、何があった、という次元の話ではなかった。
陽煌様は殺されたというのだ。
それも姉上によって。
母上が言うには、姉上は優秀で男であればこの国を収めるに相応しい人物らしい。
そんな姉上が陽煌様を手にかけた、と簡単にバレるようなことはしない筈だ。
母上は幼い時から皇族としての心得を学んだ。
そんな母上が断言するということは姉上は優秀な筈だ。
私は何か理由があると思う。
陽煌様は大国の皇太子。
どこで誰が何を考え、何をするかなどわからない。
ただ、それだけではない気がする。
妙な胸騒ぎがする。
しかし、私は王位継承権第一位。
不安な様子を見せてはいけないのだ。
それでも後世には事実ともう一つ、私の本音も残しておきたい。




