私の愛、レクター
その姿はまるで天使のようだったーーーー
天使のようなレクターの見せ場、果たしてどうなるのか!?
ブワァァッ!!
風が起きたかと思うとレクターが羽根を羽ばたかせた。
「さぁ、やろうか」
『ふん、準備運動はもういいのか? いくぞ!』
ジャキン! 音を立て、目にも止まらない速さで毒の爪でレクターの体を切り裂こうとするザダク!
『ケケケ! 俺は速いだろう!』
だがレクターも速さに関しては負けてはいない。ザダクの攻撃を素早くかわす。
「そんなもので俺を倒せると思っているのか?」
『何ィ??』
『どこの遠い大地。お前の目の毒は燃えていたか? どんな翼に乗って私は天駆けただろうか? スヴィズオール!!』
ボコボコボコォ!!
レクターが何事か唱えると大地に穴が開き、穴から無数の爪が出てきてザダクを引きずり込もうとする! その爪にはべったりと毒が塗られている。
レクターは素早く羽根を羽ばたかせて割れた大地から逃げていた。
『なっ! なんだこれは気持ち悪ィ!!』
「お前も相当気持ち悪いからな。気持ち悪いものには気持ち悪いものを、という考えだ』
『ヒィィィー!!!!』
ザダクは腰を抜かし、自分を穴に引きずり込もうとする夥しい無数の爪に怯えた。
『ヒィィ〜!! クソが! これでも喰らえ! アウブラテオ!!!!』
ザダクが発した呪文でザダク自身の腕に生えた爪が、レクターめがけて飛んできた!!
「キャァァ!! レクター!! 危ない!」
紫の光がヴァレリアを纏う!
「レイシガルドル!!」
『ちょ、おま』
ニーズヘッグが慌てる! その呪文は‥‥‥
ドス!ドス!ドス!
ヴァレリアーーーー?
レクターが壊れたネジのようにギギギと振り返る。
ヴァレリアはレクターの背中に必死にしがみつき、ザダクの攻撃を自らの背中に受けていた。毒の爪が、ヴァレリアの柔らかい背中に突き刺さっている!
「ゴフッ、レクター! 逃げて!」
ヴァレリアは血を吐きながらレクターに言う。
「ヴァレリア! 何故俺を庇った?」
「レクター、攻撃されそうだったから。つい、身体が動いて庇っちゃった」
「何故! 俺が避けられることを知っていたのに!」
苦しみ、血を吐きながらヴァレリアは答える。
「ハァハァ、レクター‥‥‥。私の好きな人だから、身体が動いちゃったの。ごめんなさい‥‥‥。ゴホッ」
『ゲホッ』
ニーズヘッグも今の呪文で負傷している。
「ニーズ! ヴァレリア!!」
レクターはそっとヴァレリアの頬に触れる。
「レ、レクター‥‥‥。無事でよかったです‥‥‥。私の、愛、レクター‥‥‥」
ドッ‥‥‥!
ドクンドクンドクン!!
「あ、ぁ‥‥‥。ヴァレリア‥‥‥」
【魔剣が暴走? 暴走ってどんな事があった時ですか?】
「俺にもよくわからないんだ。今のところ、そういう事が起きた時がないから。ただそういう事が起こる時は、よっぽど俺と魔剣の感情が昂った時だろうな」
感情が昂った時‥‥‥
「それは難しいな、仮にも一国一城の主だからなぁ。簡単に感情を剥き出しにするのは‥‥‥」
いや、難しいというより、忘れてしまった?
でも‥‥‥
【ヴァレリアの事になると、失われた感覚が戻ってくるような気がするーーーー】
「グウォォォーーーーッ!!!!」
レクターはまるでこの世の終わりのような咆哮を上げた!
『レクター‥‥‥。おま‥‥‥!」
ニーズヘッグが見たレクターの姿、それはまるで‥‥‥
『ーーーー終わらせる者』
なんかタイトルがベルば●みたいになってすみません。
ヴァレリア様〜大人しくしててよぉ!
長くなりそうなのでまた一旦ここで区切ります。
ニーズヘッグが放った『終わらせる者』って何でしょうね?
ここまでお読みくださってありがとうございました!
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ご拝読ありがとうございました。また読んでくださいね。