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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第一章 ヴァレリアとアナスタシア
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森の中の出会い

婚約破棄されて晴れて自由の身になったヴァレリア(アナスタシア)

王子の視線に困惑しながらも、なんとか森の奥で休息を取ることになったのだった

 森の奥に着く頃には、すっかり夜も更けていた。


「今夜はここで野営かぁ、まだダンジョンに着いてないのに残念」


 私がそう言うと、エリーが疲れた様子で言った


「私はもうクタクタです。あ、お水くんできますね、先程川が見えましたので」


「一人で大丈夫?」


「大丈夫ですよ、私もお嬢様には劣るけれど、体力には自信はありますから、戦力はないですけどハハ」


「そうね......」


 ヴァレリア様の女中ですもの。これくらい何の事もないんだわ。


 エリーのその言葉を鵜呑(うの)みにし、エリーが川に水を汲みに行っている間、私はテントを張った。さすがお城、なんでもありだわ。

 そこは今まで住んでいたあの城に感謝しなきゃね。


「ぎゃー!!!!」


 えっ、今のは......エリーの悲鳴!?


 私はテントも途中でほっぽりだしてエリーの声のする方へ走った!


「きゃ......」


 そこには体長3メートルはあるであろう見たこともない魔物がおり、カチカチという奇妙な音を鳴らしながらエリーに近づいていた。

 それは足は遅く、エリーとは程遠い距離にいたが、エリーも私も初めて遭遇する「それ」に足がすくんでしまった。エリーに至っては腰が抜けているようだ。


 エリー!!

 やはり一人で行かせるのではなかった!

 後悔がぐるぐると頭の中をめぐる。

 でも二人で行ったとして私に何ができるのかしら?


 動け、動け私の足......

 鞘から剣を抜くけれど手が震えてうまく持てない。

無理もないわ、ヴァレリア様も私も体験したことのない事だもの


 私とエリーが何もできずガタガタ震えていると、突然魔物の体が真っ二つになった。

ゲェェェッという断末魔をあげて魔物は倒れた。


「え......」


 ボーッとして震えているエリーにやっとの事で足が動き、駆け寄る。


「エリー大丈夫!?」


「あ、ああ、お嬢様......あのお方が」


 あのお方と言って震えるエリーの指を追うと、先に人影が見えた。


「だ、誰!?」


「チッ、助けてやったのに第一声がそれかよ」


「ふぁっ??」


だっ、誰だお前は!?

果たして男の正体は....


ここまでお読みくださってありがとうございます。

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