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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第一章 ヴァレリアとアナスタシア
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ザダク

ヴァレリア達はイチャイチャしながら仲間達の元へ戻っていた。

道中、怪しい影が忍び寄っている事にも気づかずに‥‥‥

 ズルズル〜‥‥‥


『あいつらかぁ、あのお方がおっしゃっていた「邪魔者」は』


 双子を殺し、ヴァナルカンドを解放した。


 ユーリ、レクター、そしてヴァレリア。ユーリはいないようだが‥‥‥


 こいつらから()るか‥‥‥


 二人を狙っているそれは蛇のように長い尻尾をズルズルと引きずりながら、長い緑の髪にギロギロとした紫の目をカッと見開き、ヌルヌルとした不気味な舌を出したりしまったりしている。その体は髪と同じ緑で、ところどころ鱗で覆われており、(ぬめ)ってテロテロしていた。爪も長く、悪魔のような羽根が生えていた。


(男の方はなんだか得体の知れないオーラが漂っているが。女の方はすぐに()れそうだな‥‥‥。厄介な悪魔が付いているが大分魔力は抑えられているし‥‥‥。ケケケ、わくわくして来たぜ‥‥‥)


 女は肉が柔らかくていい。◯ってる最中もいいけど、その最中の絶望感に満ちた表情。何より食った時のあの食感がたまらない!


 不気味な長い舌を舐め回しながら、どう見ても悪魔なそいつは二人に近付いて来た。


「ん? 今何か音がしませんでしたか?」


「うん、俺にも聞こえたが、何か今までとは違った雰囲気がするな‥‥‥」


 ニーズヘッグがヴァレリアの谷間からピョコと顔を覗かせた。


『こいつはまずいぜ! ヴァレリアお前だけでも逃げろ!』


「どうしたのニーズヘッグ、私がどうかしましたか?」


『あの気配はやばい! 俺様が言うのもアレだけどかなり邪悪を感じるぜ!』


 そう言ってニーズヘッグはぶるる、と身を震わせた。


『へぇ〜、お前がヴァレリアかぁ。美味そうな体だなぁ』


 気配も音も感じさせる事もなく、それはいきなりヴァレリアの背後にいた。


「えっ」


 背後を取られたヴァレリアは、その(おぞ)ましい悪魔にすごい力であっという間に馬から引きずり落とされた。


(速い! 何、こいつは)


 ヴァレリアは初めて悪魔の全身を見た。


「あ、ああ‥‥‥」


 その悪魔は不気味な長い舌をべろべろ舐め回す。


『美味そうだ、お前は特に美味そうだケケケケ』


「ヴァレリア!」


 レクターが慌てて馬から降り、ヴァレリアの前に立つ。


「悪魔め‥‥‥ヴァレリアには手を出させんぞ」


 悪魔のそのあまりの(おぞ)ましさにヴァレリアは思わず口を開いた。


「えっ‥‥‥。気持ち悪‥‥‥。なんですのその見た目。緑で、テカテカして、ニーズヘッグはこんなに可愛いのに」


『えっ‥‥‥?』


 想像と違うリアクションに戸惑う悪魔。


 ヴァレリアはその醜悪な悪魔の見た目に何故か若干怒っていた。全ての悪魔がニーズヘッグやフレスベルグのような見た目をしていると思っているのだ。


 だが仕方ない! 彼女は世間知らずのお嬢様なのだ!


「ねーニーズヘッグ」


 ヴァレリアはそう言いながらニーズヘッグを撫でる。


『うへぇ?? そっ? そうか!?』


 ニーズヘッグは照れながら答える。


「そうですよ、ニーズヘッグは小さくても大きくてもどちらもすっごく可愛いですもの。なのに貴方は何? 気持ち悪い! 姿を見せないで! この悪魔!」


 緑の悪魔は長い舌を出したままポカンとしている。レクターは笑いを堪えて顔を逸らしていた。


『こ、この女! ボロクソに言いやがって! 俺は由緒正しい高等悪魔だぞ! 覚悟しろよ、お前を◯◯して散々◯◯◯した後に無理矢理◯◯◯して殺してやるからな!!』


 聞くに耐えない罵詈雑言(ばりぞうごん)をヴァレリアに浴びせる緑。


「‥‥‥??何ておっしゃいました? レクター、この方が言っていた意味わかりますか?」


 いきなり振られてレクターはブフォと吹き出した。


「えっ、え〜‥‥‥なんというか‥‥‥」


 クソッ、ヴァレリア俺に振るんじゃない!


 レクターはチラッとニーズヘッグの方に目を向けるとニーズヘッグは顔の前でバツを作りヴァレリアの谷間に戻ってしまった!


 それを見た緑がすかさず言い放つ。


『お、お前! 羨ましいぞ! コラ! 今から俺が堪能しようとしたのに!』


 そう言って無理矢理ヴァレリアの装備を外しにかかる緑!


「きゃあああー!!!! 気持ち悪い!! 触らないで! このクソ緑!」


 クッ、クソ緑!? えっ? 俺今クソ緑って言われた?


『えっもっかい聞いていい?! クソ緑なんて言われた事ないんですけど! 傷付いた! ああ〜俺は傷付いた! 人間にクソ緑呼ばわりされたァァ!』


 クソ緑は頭を抱えてその場に崩れ落ちた!


「ハァハァ、無礼者め。では他に名前があるとでも??」


 乱された装備を直しながらヴァレリアはクソ緑に聞く。


「ヴァレリア大丈夫か? あとお前は一応お嬢様なんだから汚い言葉は使うんじゃないよ?」


 レクターがヴァレリアを抱きしめながら言う。


「だってニーズヘッグが使ってましたわ」


「なんだとぉ? ニーズヘッグぅ?!」


 純白純粋可憐でまっさらふわふわのヴァレリアの頭に「クソ」など汚い言葉を教えるとは!


『へッ、俺様はそんなお下品な言葉教えた覚えはありませーん。装備は大丈夫かヴァレリア? 俺様の寝床は確保していてくれよ』


「ヴァレリアに触るなよ、それに元々お前の寝床じゃないだろ!!」


 クソ緑そっちのけでギャーギャー言い合うレクターとニーズヘッグ。


 クソ、こいつらこの俺の前でイチャイチャギャーギャーしやがって余裕だな!!


『教えてやるよ! 俺の名前はザダク! 地獄を見せる者だ! ケケケ!』


 この名前を聞いて生き残った者はいない! お前らまとめてぶっ殺してやるよ!!


 特に俺をバカにした上、クソ緑呼ばわりしたお前‥‥‥


『ヴァレリアから地獄を見せてやる!!』



ザダクボロクソでワロタ。

ヴァレリア様の不思議炸裂アンビリバボーの前に

悪魔もペース乱されまくり!


少し短かったですねすみません!


ここまでお読みくださってありがとうございます。



この話が良いと思ったら広告の下にある☆に点を付けて行ってくださいね!良くないと思ったら☆にZEROを付けて行ってくださいね。


ご拝読ありがとうございました。また読んでください。

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