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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第一章 ヴァレリアとアナスタシア
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おかえり

王子とヴァレリアとエリーは晩餐会を終えて、

王子はシリウスに挨拶もせず(笑)城を後にするのだった。

 ヴァレリア達は一旦ライヒの街に戻ってきた。


 セトとユーリ、それからケルベロスが待つお店に寄る。


「あ、いたいた! セトなら酒場にいると思ったんです」


 エリーを見たセトが片腕を上げ、おかえり〜のサインをした。ユーリはセトの隣でちょん、と座っていた。


「セトとユーリ、体格が全然違いますわー! 可愛い〜」


「ヴァレリア様、あのですねぇ」


「おいヴァレリア、お前はこっち」


 そう言うと王子がヴァレリアの腕を掴んで店外に連れて行った。


「はぁ、王子ありがとうございます」


 ヴァレリア様がいたら、また話が進むものも進みませんわ。


「お前どういうつもりだよ。あんなヤツがいるなんて聞いてなかったぜ」 


 セトの声がして振り向く。


 エリーはユーリが座っている椅子と逆の方に腰かける。セトの目の前にはセトの知り合いが立っていた。


 セトの知り合いの名前はオシリスといった。


「すまんすまん、フレスベルグのナワバリじゃないからって油断していた。なんか気が立つような事があったんだな」


 フレスベルグ‥‥‥その名を聞いて何かに気付いたようにユーリがグラスを置く。


「気が立つような事ぉ?」


 オシリスはセトに説明しながらエリーに向けて口を開いた。


「お嬢さん、何か飲みますか?」


「いやこいつは未成年だ、まだ酒は飲めねぇよ」


「おお、そうなのか? 大人びているからてっきり」


 セトはチッと舌打ちをした。


「お前はあまりエリーを見るな。エリーはこいつの事を見るな」


 脳筋のセトは言うことがむちゃくちゃである。それを聞いてエリーが思わず吹き出す。


「ぷぷぷ、相変わらず面白い人ですね」


「‥‥‥とにかくこの依頼は」


 セトが薬の材料集めの依頼を断ろうとした時だ。


「俺がやる、フレスベルグにも何か理由があるんだろう? 俺が話を付けてきてやるよ」


 いつのまに変わったのだろう、ユーリの前髪が上がってアレクが出てきていた。


「うわ、これお前お酒じゃねぇか!」


 そう言いながらセトがオシリスの方を見る。


「? 何か問題があるのか? 美味そうに飲んでたぞ」


 オシリスがそう悪びれもなく言うと、アレクが高笑いをした。


「最近全然出番がなかったからな、入れ替われて気分爽快だぜ、今から行く! セト、ケルベロスを頼む! ケルベロス、お利口さんで待ってろ!」


 オオオ〜ンとケルベロスが高らかに吠えて返事をする。


「あっ、ちょっと待てアレク!」


 セトを無視してアレクは飛び出して行った!


「はー、どいつもこいつも」


 セトは頭を抱えた。


「私が見てきましょうか?」


 そう言って、アレクのあとを追おうとするエリーの腕を慌てて引きながらセトは言う。


「‥‥‥いい、ほっとけ。アレクのレベルだったらちょっとやそっとじゃ死なないさ、お前はもう少し俺に付き合え」


「? はい」


 それを聞いてオシリスが笑う。


「ハハハ、セト何だそりゃ! 素直にお嬢さんに寂しかった、側にいて欲しいって言えよ!」


「‥‥‥ッテメェ!! 余計な事を言うな!!」


「あら、そうだったのですね、私がいない間寂しかったですか? セト」


「むむぅ、うーむ」


 セトは赤くなった顔を誤魔化すように酒をぐいとあおった。


 エリーの手を強く握ったまま‥‥‥



なんだこの可愛いカップルは‥‥‥

ごめんなさい今回も少し短かったですね。

次回、アレクの活躍が見れるかも?


ここまでお読みくださってありがとうございます。



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