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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第一章 ヴァレリアとアナスタシア
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おっぱいの威力

アナスタシア(ヴァレリア)一行は前回の依頼が重かったので、今回は軽めの依頼を受けるために次の街へと馬を走らせるのだった

「うーむー」


 私は次の目的地に向かう馬の上で考えていた。


「なんだヴァレリア」


「おかしいですわ! 私にも馬は乗れますのに。なぜ私達だけ二人乗りなんですの?」


 しかも王子が手綱を取っている。


「仕方ないだろう、お前の暴走を止められるのは俺しかいないのだから。それに馬も足りないしな」


「うーむ、それはそうですけど‥‥‥」


 ふと、視線を感じた。ユーリがこちらを睨んでいる。


「あらユーリ」


 私はユーリにぶんぶんと手を振った。


 その様子にイライラする王子。


「ヴァレリア、もう少し俺にしがみつけよ」


「何故ですか?」


「この馬に乗るのは初めてだから、しっかりしがみついてないと心配なんだ」


「?はい」


 ボヨンとレクターの背中にヴァレリアの胸が当たる。


「うおおおお〜!!」


 突然ユーリが頭を抱えて叫び出した。


「えっ?ユーリどうしたんですの?アレク?アレクが出てきそうなの?」


「ハァ‥‥‥。お嬢様‥‥‥」


 エリーが堪らず自分の顔を片手で覆う。


「ハハハハハ!面白いなあいつらは!」


 セトが豪快に笑った。


 街に着き、馬を繋ぐ。


「今回の依頼は楽だと思うぞ。前回が割と重めだったからな。お嬢もまだ完全回復してないみたいだし」


 セトがそう言いながら街に入る。


「どうして楽だと分かるの?」


 エリーに聞いてみる。


「セトの知り合いがこの街にいるんですって。交渉次第で楽な依頼を受けさせてもらえるみたいですよ。恐らく最初のゼリーみたいな依頼ですね。お嬢様は王子と休んでてもいいですよ」


「私の魔法はどうかしら?」


 イムブレカーティオ、ヴァレリアが最初に覚えた魔法である、その魔力は強大で、毒の炎で対象を焼き尽くしてしまう。その魔力の強大さ故に、ヴァレリア自身も傷付いてしまう。


「まだ使ってはいけませんよ!それにお嬢様はあの魔法をまだ自分でコントロールできてないじゃないですか!」


 だいぶ何かが溜まっていたのだろう。エリーが半ばイライラした様子で言う。


「うっ、そうでした! ごめんなさい」


「お分かりになりましたら、王子の側にいて下さい。私は宿屋を見つけてきます」


 そう言ってエリーは立ち去ってしまった。


「ヴァレリア、少し散策しよう。街を歩くのは久しぶりだ」


 グイッと王子が私の肩を自分に寄せる。


「あっ、ユーリは?ユーリ?」


「ぼ、僕は馬の手入れをしています」


 そう言ってユーリは馬用のブラシを取り出した。


「ユーリも一緒にいきましょうよ!」


「‥‥‥いや、二人だけで行こう。アレクは馬の手入れが終わったら後で来ればいい」


 ???


「この辺でいいかな?」


 王子が連れてきたのは街の外れにある小高い丘だった。


「ちょっと王子、何故こんな何もないところに? もっと気になるお店があったのに‥‥‥」


『スクーデリオ!』


 王子が私の言葉を遮って何か唱えた。


『わぁ!お前!』


 げほ、けほ、突然すごい煙で視界が覆われて、私は思わず咳き込んでしまった。


「そいつがニーズヘッグ、お前の中にいた悪魔だ」


『勘弁してくれよ〜、実体化はもう何年もやってないというのに』


「黙れ、お前が普段からヴァレリアの中にいたらヴァレリアの負担になる。それからヴァレリア、そいつがその状態でいる時には当分あの魔法は禁止だ、まだヴァレリアには強すぎるからな」


 王子がそう言って私は思わず笑ってしまった。エリーと同じような事を言うんですもの。


「王子もエリーと同じような事を言うんですね! わかりました。当分あの魔法は使いません!」


『うぎゃー!なんだこの大きさは!ひっでーな!』


 声のする方に目を遣ると、そこには小さなドラゴンがいた。


「わぁ〜この子がニーズヘッグ!小さなドラゴン!可愛いですわ!」


 そこにいたのは小さな灰色のドラゴン。小さな羽根! くりくりとした紫の目! その出立ちに、私は思わずそう言ってしまった。


 なんでこの俺様がブツブツ‥‥‥ニーズヘッグはブツクサ文句を言っている。サイズ感が気に入らないらしい。


「俺の魔法でお前の魔力を抑えているからな、当分の間は暴走することはないと思うぞ、だが油断は禁物だ、しばらくヴァレリアは俺の側にいろよ」


「むー‥‥‥王子!」


 王子に目を向けて睨む。咄嗟に王子は目を逸らした。


「なんだ?」


「そろそろ王子の色々な秘密を教えてくれてもいいんじゃないですか? せめて私にだけでも!」


『なんだお前、こいつの正体が知りたいのかよ』


 ニーズヘッグが私と王子の間に入って、パタパタと飛びながら言う。


『聞いて驚け! こいつはな〜、ウーぶふっ』


「可愛いですわ! いつもこの大きさなら悪魔も可愛いのに」


 私はニーズヘッグを抱きしめていた。ニーズヘッグは苦しそうな声を上げる。


『なっ、無礼者! 俺様を胸で圧死させる気か!?』


 イッラァ〜(怒)


「ニーズヘッグ、そこを代われ!」


 王子がニーズヘッグを掴もうとする!私は思わず庇う!


「やめてください王子!(いじ)めちゃ可哀想です!」


『そうだよ王子、俺様は小さくなってしまったんだ! めっちゃ可哀想だ』


 便乗して生意気な言葉を吐くニーズヘッグ。


「なんだとぉ??」


『ヒィ〜嘘ですごめんなさい!ヴァレリア助けて〜!』


 言うとニーズヘッグはヴァレリアの胸の谷間に隠れてしまった。


『あれここジャストサイズじゃね? あったかいし柔らかくてサイコー!』


 ブチッ!


 えっ今何かが切れるような音が?


「ニーズヘッグ、どうやらお前は俺を怒らせたようだなぁ!?」


 王子の目が金色に輝く!


「わぁぁぁ王子! 落ち着いてください!」


 どうしていいかわからない私は思わず王子を抱きしめてしまった。


(確か王子がこうしたら私も落ち着いたから、王子にも効くかしら?)


 ボヨン!


「よし、ヴァレリア! 落ち着いたぞ、俺は!」


「あら、そうですの? それはよかったです」


 そう言って私はまた王子を抱きしめた。


『ああああ潰れるぅぅぅぅ!! ヴァレリア! 潰れる! 俺様が潰れるー!!』


 ニーズヘッグはヴァレリアの胸の谷間で気絶してしまった。



シリアス回からいきなりこんな話ですみません。


このタイトルは問題ありますかね?

ちなみにヴァレリア様のバストは95センチ(笑)です。

その内また自己満足のプロフィール書きます。


ここまで読んでくださってありがとうございます。



この話が良いと思ったら広告の下にある☆に点を付けて行ってくださいね。良くないと思ったら☆にZEROを付けて行ってくださいね!


ご拝読ありがとうございました。また読んでくださいね!

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― 新着の感想 ―
[一言] は!つい、アイツのことを思い出してしまった俺は悪くない!おパイおパイと騒ぐ彼を…。 ってか、落差がすごくて笑ってしまった。
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