呪われた村の依頼
最初の依頼でずいぶんレベルが上がったエリー
今日は少し難しい依頼を受けて来るのだった
ギスギスした何とも言えない空気の中。(一人は除く)三人は漸く食事を終えた。
エリーは今日の依頼を請けて持ってきてくれた。
「呪われた村を救ってほしい?」
「ええ、今日はちょっと難しい依頼を請けてみたんです。ユーリも居るし、これくらいなら大丈夫かなって」
それを聞いて、王子が少しイラつきながら聞く。王子はユーリが頼りにされているのが気にいらないのだ。
「具体的には何をするのだ?」
「王子、何をイラついてますの? 落ち着いて? ほら、お菓子もありますよ」
そう言ってヴァレリアがお菓子を差し出す。
「お前が食べさせてくれたら食う」
「なっ! 赤ちゃんじゃないんだから一人で食べられるでしょ!//」
「ああ〜、今のお前の言葉で俺は傷付いた! もう俺は手も足も動かせん」
王子は平気で嘘を吐きながら、一人百面相をするヴァレリアの顔を見て楽しんでいるようだ。
その様子を見てユーリが明らかにイラついていた。いつアレクが出てきてもおかしくない。
「はいはい喧嘩はそこまでにしてください(怒)! 話が進みません! 呪われた村の裏山に、どうやら瘴気を放つ異形がいるとのこと。それを倒すと村の呪いが解けるそうです」
「ふむ、異形か」
エリーの依頼書を手に取りながら王子が言う。
「詳細はまだわかってないのですが、必要レベルが15ですので、今私のレベルがちょうど16なのでいけるかなと、セトが言ってました」
それに報酬がすごくいいらしいですよ!
「詳細が不明なのが気になりますね‥‥‥」
何か裏があるんじゃ‥‥‥ユーリはこれまでの経験から警戒して言った。
「よく言うじゃないですか、うまい話には裏があるって‥‥‥」
ユーリの言葉にエリーが答える。
「うーん、私もそう思ったんですけどね。依頼主さんにどうしても無理そうだったらその場で依頼を破棄してもいいって言われちゃって、で、それならいっかってセトが」
「‥‥‥呪われた村か。俺も見てみたいな、一応国内の問題だしな」
「ん? 王子もついてきますか? ならば一応シリウス様に伝えておいた方がいいのでは?」
エリーにそう言われて、王子はヴァレリアとユーリの二人を見る。
「ああ‥‥‥」
城に一旦戻るか‥‥‥でもこの二人を二人きりにするのが癪だな。
「王子、一度お城に戻って話しますか? 私達は先に行って待ってますから、王子はシリウスと話がつき次第その目で村の場所を探して合流しましょ」
そう言ってヴァレリアは何気なく王子の目を見つめる。王子の目の色は今は青い。
「あれ? 今は青い?」
ヴァレリアが王子の顔を覗き込みながら言うと、王子がガシッとその腕を掴んで、ヴァレリアを引き寄せる。
「キスして欲しいのか?」
はあ?
「はあ? そんなわけないじゃないですか!//」
エリーはヴァレリアの空いている方の腕を掴んで言った。
「王子、お戯れはおやめください。あとヴァレリア様は距離感が少しバグってますよ!」
距離感? バグ? エリーは何の話をしてるのかしら。
エリーは「あとは頼む」とセトにバトンタッチをし、ヴァレリアを店外にズルズルと引きずって行った。
セトは任せろ、と言うようにエリーに親指を立てて合図をした。
「さて、王子様とユーリには悪いが愛しのヴァレリア様にはしばらくの間離席してもらうぞ、お嬢が居たら話ができるもんも出来ねぇ」
店の外でエリーから人との距離感について説教されました。
「でもエリーも最初の頃はセトにグイグイ行ってませんでした?」
エリーは何度目かのため息を吐いてこう言った。
「お嬢様、私にはあってお嬢様に足りないものって何だと思います?」
「うーん、なぞなぞですか? エリーにあって私に足りないもの?」
「そうですよ、お嬢様はその点はもっとしっかりしてたと私は思いますよ、最近どうしちゃったんですか? ききか‥‥‥」
「あ! わかった! 身長だわ」
「全然違うのですわーーーーーー!!!!」
エリーの怒声は店内にいる三人にも聴こえていた。セトがやれやれ、という風に肩を落とした。
「わーごめんなさい〜!」
「お嬢様に圧倒的に足りないのは危機感です!」
この後店内のセトの説明が終わるまで、エリーから私がいかに危機感が足りないかを延々と説教されてしまいました。
それだぁ!ありがとうエリー!
セトとエリーの阿吽の呼吸草
好きです!!(大声)
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