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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第一章 ヴァレリアとアナスタシア
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王子の瞳の秘密

自分の昨夜の行いを反省した王子はアナスタシア(ヴァレリア)達の冒険に参加しようとするが‥‥‥

「そういえば王子はどうやって私がいる場所を突き止めたんですか?」


 朝食を食べながらヴァレリアが聞く。まだユーリは寝ている。エリーは事情をセトに説明している。


 セトは爆睡していて昨夜の出来事を知らなかった。


「うん?うーむ‥‥‥」


「言えない秘密があるのですか?」


 王子は少し考えてから口を開いた。


「お前、俺の目の色が変わるのを知っているか?」


「えっ? 時々金色に変色するあれですか、あれが何か?」


 やはり気付いていたか。


「ハハッ、やはりお前は気付いていたようだな。お前俺の目を見る時いつも怖がっていたからな。そう、この瞳が探してくれたのだ、お前の居場所を」


 シリウスやハンニバルは、この俺の瞳を恐れて何も言わないが。


「この瞳には秘密があるんだが‥‥‥まだお前に話すのはやめよう」


 ヴァレリアはまたぶすっとした。


「また王子の謎が増えましたわ」


 王子は自分のことを語らない。頑なに閉ざしている。

唇も、心も。だからお城でも謎が多過ぎて、弟のハンニバル様の方が人気なのだわ。でもこの王子、それを良しとしている感じなのよね。それも謎だわ‥‥‥


(うーむ、目が金色になった時にだけすごく目が良くなるとか? それで私を探す?)


 王子が私の頭をぐしゃぐしゃしながら謝罪する。


「ハハッ、すまん。時期が来たら話そう。お前にだけは教えてやる」


 俺の瞳の色の変化に気付いていながらも、目を逸らさず恐れないお前になら話してもいいかもしれない。


「ちょっと、やめてくださいよ。せっかく綺麗にしたのに」


 そういえば‥‥‥


「お前、城にいた時よりずいぶん変わったな」


 前はこの炎のような緋色の髪が下品で嫌だったが、今は高く纏められていて少し編まれていて品がある。


「ふふん、分かりましたか? 私はこの緋色の髪が自分でも好きなのです(入れ替わる前は真っ黒でつまらなかったし)。毎日色んなアレンジをして楽しんでますわ。ただお手入れは少々面倒ですが」


「ふーん‥‥‥」


 そう言われてヴァレリアの髪を触る。たしかに、悪くない。


「で? 王子は結局どうする事にしたんですか?」


 ヴァレリアは王子の手をベシッと払いながら言う。


「ん?」


「‥‥‥私と離れたくないとか何とか言ってたじゃないですか? その不思議な目で探すほど必死に私を探してたんでしょ? 何が目的か知りませんけど」


「ああ、俺はお前達について行きたいのだが。どうだろう? お前達4人くらい、守る事はできるが」


 王子はそう言いながら手のひらにポッと青い炎を出してみた。


「ええ?! 王子って魔法も使えたんですか?!」


 剣の腕は城にいた時に王子の剣捌きのお披露目があったのですが、数多(あまた)ある敵の模型をバッサバッサと薙ぎ倒していたので、一流だと知ってましたが。


「うん、時々この座を狙う輩が出るからな。まあ最近はそんな不届き者は出ていないが」


 王子をやるのも命がけなのだ。


「それって、例えば暗殺とかですか? 寝込みを襲われたりとか?」


「それもあるな、前に毒を仕込まれた事もあったな。まあ俺に毒は効かんがな」


 ええ?毒でも?


「王子って、結構無敵なんですね」


「ハハッ、最後に頼れるのは結局自分しかいないからな」


 それは王子という立場上、仕方ないからかもしれない。王子も王子で、自分の身を守るために大変なのですね。

私に瞳の秘密を言えないのも、まだ私を信用できないでいるからかもしれない。


「うーん、王子が付いて来たらすごく頼りになりますが、仲間たちに聞いてみないと‥‥‥」


(あとシリウスが何と言うか)


「お前はいいんだな?」


「は? 私? 私は‥‥‥」


 私は‥‥‥よくわからないけど、王子がそうしたいのなら、別について来てもいいけど‥‥‥王子の意思を尊重しますよ!


「本当にそれだけ?」


 王子が顔を私にグッと近付ける。


「そうですよ!//」


 ガツッ!


「いてぇ!!」


 私は何故か恥ずかしくて王子の足を蹴っていた。


「おっ、なんかあの二人、いい感じじゃねえか?」


「たしかに‥‥‥」


 セトとエリーは、イチャイチャする二人をガン見していた。



セト爆睡してて全然気付かないのワロタ 

王子とヴァレリア様のこの距離感、好きです(結局好きやんけ)


ここまでお読みくださってありがとうございます。

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