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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第七章・神々の遊び

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女神アルマの金の枝

※このお話はep.251の「開いた心」の続きです。


バルカ宮殿からヴァレリアの自室に戻ったアナスタシアたち。エリーの手によってすっかり綺麗になった部屋に入るなり、ニルは嬉しそうに背中から何かを取り出すのだった。

 バルカ宮殿からヴァレリアの自室へ移動したヴァレリアたち。


「金の枝ですって?」


 サラスィアをベッドに寝かせたエリーが口を開いた。


『おう! これを見てくれ!』


 背中から金の枝を取り出し、ニルが口を開いた。


『俺様はずーっと考えていたんだ。この金の枝がある限り俺様とヴァーリャは変な事に巻き込まれ続けるんだと!』


(あのヒトデのような悪魔、ブエルとの対峙も‥‥‥全部、全部この金の枝が招いた事なんだ。でもそんな不吉な物を「お礼に」とよこすだろうか?)


『俺様はお前とは違う! 体は悪魔であっても、ヴァーリャが好きだから一緒にいる!』


 ニルはブエルと対峙した時の事を思い出して身震いした。


「その金の枝は、確か女神アルマ様を助けた時に渡されたのですよね?」


 ヴァレリアがニルに問う。うむ、とニルが頷く。


『この金の枝の効果、俺様なりに考えてみたら、どうやらそれだけじゃないみたいなんだよな、じゃないとお礼にってこれをくれないと思う。そこで‥‥‥。アナスタシア!』


「えっ? わ、私?!」


『俺様が考えてる事が本当なら、お前の体はアナスタシアのままでいられると思う』


「えっ‥‥‥どういう事? ニル」


『この金の枝さー、単純に《持ち主の願いを叶える》系なんじゃないかと思って。で、優しい優しい俺様は、アナスタシアを助けてやろうと思ってな!』


「ニル‥‥‥」


 ヴァレリアが感動して瞳を潤ませたのを見て、ニルは照れくさそうに俯いた。


『元々、ヴァレリアを闇落ちさせたのは俺様だったから‥‥‥ヴァレリア、いや今はアナスタシア。が望むことを叶えてやりたいんだ、せめてもの償いに』


 ニルの言葉を聞いたアナスタシアは驚いた。


「ニーズヘッグ‥‥‥。あなた本当にあの邪悪なニーズヘッグなの?」


『うるせぇよ!// 俺様も今のヴァーリャと一緒に過ごすうちに変わったの! で、お前はアナスタシアのままでいいの!? 本当はもっと早くこれを使うこともできたけど、アナスタシアの意見も聞かなきゃならないからな! どうだァ俺様優しいだろ〜』


「あ‥‥‥」


(あれほど願ってやまなかったアナスタシアの体。結局は余計に自分を苦しめる事になってしまった‥‥‥だけど、私にはハンニバル様が! 全てを知った上で私を受け入れてくれる方がいる)


「ええ、ニーズヘッグ。私! 私は、この姿のままがいい! たとえ体が虚弱でも」


『じゃあ決まりだな!』


 そう言ってニルが枝を天にかざす。


『金の枝! 俺様の願いを聞いてくれ!』


 ニルの声に応えるように、金の枝は光りはじめる。


『おお! なんか知らんがなんとかなりそうだ!』


 俺様すげー!! というようにニルがヴァレリアの方へ顔を向ける。


 そこには笑顔を浮かべ、頷くヴァレリアがいた。


『ヴァーリャ〜!!』


 ニルは思わず嬉しそうにヴァレリアの胸に飛び込んだ。


 パァン!!!!


 その瞬間、金の枝がより一層光ったかと思うと、音を立てて割れた。


『あ、金の枝が‥‥‥割れちまった!!』


「あ、あ‥‥‥ハンニバル、様」


「きゃあ! レクター!」


「いやぁー!! お嬢様!!」


『ぎゃあああ!! ヴァーリャ!!』


 キィーーーーン!!


 ヴァレリアとアナスタシア、二人の周りを金の光が包み込んだ!


『やべぇぇぇ!! ヴァーリャ!! アナスタシア!! 無事? 無事だよな!?』


 * * *


「ん?」


 バルカ宮殿から別室に移動していたレクターが、何かを感じて振り向いた。


「どうした? レクター」


「いや、今何か聞こえたような」


 ヴァーリャとニルの声が聞こえたような‥‥‥

うわ〜!どうなってしまうのかー!?てかニルはもっと早くそういう事して欲しかったよね!笑


ここまでお読みくださってありがとうございました。

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