バルカの洗礼
いや〜更新遅くなって申し訳ないです。
そして更新が遅い割に内容がバチクソ短いというね‥‥‥( ; ; )ごめんなさい。今回のサブクエ(サブストーリー)はアリアとテセウスという両方とも大人しいキャラで、騒がしいのは親父のマクシミリアンだけという何とも奇妙な相関図なんですが、二人きりになるとキャラが動いてくれないという悪循環に陥ってましたよ。でももう大丈夫だぜ!!(何が?)
私はアリア。この度生前の父がお世話になっていたマクシミリアン公爵様の息子、テセウス様のお友達にと勧められたんだけど‥‥‥
「アリア、君は何も心配しなくていい。領地の事もこちらでなんとかしておくから。それよりもガルシアに頼んで君の部屋を用意させておいた。ここからならテセウスの部屋に近いしな」
と、笑いながら公爵様が提案してきた「私の部屋」は前住んでいた部屋よりもずっと広くてベッドも豪華だった。女中も前より多い‥‥‥
あれよあれよという間に決まっていく私の人生‥‥‥。
ここは喜ぶところなのかもしれないけど私は複雑だった。
「考えても仕方ないわ。どのみちあそこに居てもやる事はなかったのだもの!」
私はそう言って女中と共に部屋を出た。
「クスクス‥‥‥。まあ珍しい。没落貴族の方がこのバルカにいらっしゃるなんて」
えっ今何て?‥‥‥
私は声のした方を振り返った。扇子で口元をおさえたご婦人方が何人かいた。
私が振り向くとあからさまに目を逸らし、口元を隠していた。でも確かに聞こえたわ。没落貴族って‥‥‥
「公爵様も何をお考えなのかしら」
「きっと哀れに思われたのよ。それにしても何もあんな没落貴族の小娘に何ができると‥‥‥」
また言った!! 今度はハッキリと聞こえたわ!!
「お嬢様、目をお向けになってはいけません」
「‥‥‥ッ!」
「お気になさらないでください。このバルカでは日常茶飯事ですから。急に現れて、公爵様から特別に部屋を贈られたあなた様を妬んでいるのですよ」
私が振り返ろうとした時に側に控えていた女中が小声でそう囁いた。
「堂々とお振舞いくださいませ。ここでは公爵様に部屋を贈られたあなた様の方が立場が上なのですから」
「え、ええ‥‥‥。ありがとう。あの‥‥‥」
「アニマです。アリア様」
アニマはそういうと、ニコリと笑った。
* * *
相変わらず分厚い頑丈そうな扉‥‥‥
でも自動で開くのよね? この扉‥‥‥
私はためらいながらもノックをした。
ビョンビョビョビョーン!!
「ぷっ」
今朝の出来事のせいか、今はこの間の抜けた扉の音で少し気が紛れた気がした。
ここまでお読みくださってありがとうございました!
アリア、バルカの嫌な洗礼を受けましたね。
今日も一日、お疲れ様でした。




