ゼリー集めにて
朝から眼福を味わったアナスタシア(ヴァレリア)様(笑)と一行
いよいよゼリー集めのためにゼリーの討伐に赴くのだった
ズシャッ!
私とエリーが初心者のためか、魔物とのエンカウント率が高い。
魔物に遭遇するたびにセトが何食わぬ顔でバッサバッサと薙ぎ倒していく。
魔物には村の外に出てすぐに出会った。
私とエリーのレベルアップも早い。魔物を倒すたびにレベルアップしているのでエリーはもう全体回復を覚えた。
ユーリは魔法を詠唱するのに時間がかかるため、雑魚の相手はもっぱらセトに任せて私と一緒に立ち尽くし
セトと二人で私とエリーを守るような陣形を取っているので安心。
というか、エリーは回復魔法、ユーリは攻撃魔法が使えるけど、私は今のところ何もできないですわね?
レベルが上がっても何も覚える様子もないですし。
一体私は、というかヴァレリア様は何の魔法が使えるのかしら?うーむ、バルカ城に隣接する学校では基本的な魔法とかは覚えましたけど、あれは自衛のためであって、実戦向けで覚えたわけじゃないからなぁ。
これだけ経験値を得て、これだけレベルアップしているのに、もしや相当修行を積まないと会得できない術なのでは?
などと私が考えを巡らせていると、足元にゴロリと転がってきた魔物が目についた。
何この魔物?前に見たことある魔物とは違いずいぶん小さいわ。セトが潰した魔物に近付いてツンツンとしてみた。ぷるぷるで食べられそう、ゼリーみたい。
「馬鹿! まだ生きてるかもしれねぇだろ! 潰したからって油断すんじゃねぇ!」
「お嬢様! セトの言う通り油断は禁物ですよ」
セトの治療をしながらエリーが言う。
「昔私が回復魔法にまだ慣れていなかった頃、治したつもりでも実際には根っこの部分が治ってなかったので、高熱が出て大変だったのですから」
「ハハッ、エリーそんな事あったんか?しっかり者に見えて意外とドジっ子なんだな」
セトがエリーの頭をぽんぽんと軽く叩いて笑う。
エリーが顔を真っ赤にして怒る。
「かっ//からかうのではないのですわ//私はお嬢様にもう少し緊張感を持ってもらおうと」
‥‥‥イチャイチャを見せつけられる私‥‥‥
オホホ、良いですわよ良いですわよ!もっとやれ!
その時息絶えたと思っていた小さなゼリー状の魔物が、最後の力を振り絞って私に攻撃をしてきた。
「ヴァレリア様!!」
「お嬢!!」
「あっ‥‥‥」
ゼリーの攻撃が私に向かうかと思った瞬間、ゼリーは黒くなり跡形もなく消滅した。
「‥‥‥ヴァレリアに触るな」
えっ?
「ヴァレリアに触るな、このド低級のザコ風情が!!」
ユーリ‥‥‥??何?一体何があったの?
セトとエリーが口をポカンと開けている。
「ヴァレリア、怪我はないか?」
明らかにユーリとは口調の違う、ユーリの姿をした男が聞いてきた。ユーリは前髪をかきあげていた。伸びすぎて見えなかったユーリ紺色の瞳が‥‥‥
殺意を放って爛々(らんらん)と光っていた!
「‥‥‥貴方が助けてくれたの? ユーリ?」
「俺はユーリじゃねえよ。アレクサンドルだ」
えっ
「ええええええ!?!?」
私は思わずそう叫んでしまった。
おや、ユーリの様子が‥‥‥
ていうかヴァレリア様の適正は何なのですかね?色々謎です
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