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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第五章 拗れる心

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サラスィアの目論見

いつもお読みいただきありがとうございます!



 

『アナスタシア様、おやすみなさい』


 ん‥‥‥


 ‥‥‥。うーん‥‥‥ううーん


 体が‥‥‥。頭が‥‥‥


「重いわ」


 私はあまりの体の重さに目を覚ました。


 ‥‥‥。なんだろう。今とても懐かしい夢を見ていたような気がするわ。私のそばにはアイシャがいて、いつものように眠る前に声をかけてくれるの。今はもう聞けないあの声。


 私はアナスタシア。元々はヴァレリア。初めてバルカ城に来た時はレクター王子のお心をなんとか繋ぎ止めたい一心で過ごして来た。それもこれも、我がポンパドゥール家を私の天下にするためよ。


 私の愛するアイシャを処刑したお父様、お母様が憎かった!


 私にもっと力があれば、お父様も私の許可なくあんな惨い事はしなかったはず。私にもっと力があれば‥‥‥! レクター王子に少しでも気に入ってもらえれば、あわよくばお妃様になれれば、あの忌まわしいポンパドゥール家の権力をほしいままにできるはず。


 でもレクター王子は婚約者候補のお嬢様方のどちらにも関心がないご様子。


 ただ一人、『アナスタシア様』を除いては‥‥‥


「どうして最近はこんなに体が重いのかしら。もしかして、私の元の(ヴァレリア)に何かあったのかしら?」


 何もわからないけれど、今はただヴァレリア。あなたに会いたいわ‥‥‥


 会って、あなたの無事を確認したい。


 * * *


「えっ? バルカ城に戻るですって!?」


『そそ、ブエル‥‥‥。あの変な病気をヴァーリャにうつした悪魔がいたろ?あいつが今際(いまわ)(きわ)に言い放った言葉がどうにも気になってさ』


 俺様はたった今ヘルヘイムに到着したヴァーリャと王子に事の経緯(いきさつ)を説明した。


「ふむ‥‥‥。なるほど。女神アルマとアナスタシア、か。しかしバルカ城に戻ったとて、アナスタシアが全てを知っているとも限らないぞ。むしろ今の話をしたら逆に混乱しそうだ」


 確かに‥‥‥


『でもさー、確実に何かを知っていたブエルは匂わせだけして死んじまったし。俺様が助けたアルマは行方知れずだし。話が聞けるのが今のところアナスタシアしかいないんだよな』


 まあそれも王子が言うように不発に終わるかもしれんけど。

 俺様が顎に手をかけて考えていると、ヴァーリャが口を開いた。


「アナスタシア様に会いに行きましょ! 私もアナスタシア様に会いに行きたかったのですわ! 実はここのところ、夢にアナスタシア様が何回か出てきたのです。アナスタシア様は私に何かを言いたそうにしていて、でも結局言えなくてモジモジしているのです」


「なんと、夢にアナスタシアが? ヴァーリャ、それはいつ頃の事だ?」


「ニルとの契約が解除しかけた時ですわね。あの時は私もニルとの事で頭がいっぱいで、夢の事は二の次でしたが」


 今ならわかりますわ。アナスタシア様は私に何かを伝えたかったのよ。


「そうか‥‥‥。ヴァーリャの夢にも出てくるようなら、何かあるのかもしれない。何せヴァーリャは、色々と不思議な女性だからな。きっとその夢にも意味があるのだろう、一度城に戻った方が良さそうだな」


『おう! 次の行き先はバルカ城に決定だな! と、その前に王子、俺様を元の大きさに戻してくれよ。すっかりあのサイズで慣れちまったからな』


「ん? お前あのサイズがよかったのか? それはお安い御用だが‥‥‥」


『いいの! もうあのサイズに早く戻りたいの!』


 ニルはポンと音を立てて、子猫のような大きさに戻ってしまった!


『これこれ! このサイズ感! こういうのでいいんだよ!』


 そう言ってニルは早速ヴァレリアの谷間に身を隠した。


 あー落ち着くぜ〜。やっぱヴァーリャの谷間は最高!


『ちょいちょいちょいちょい!! お前ら何かを忘れていないか!? ワシとユーリとヴァナルカンドの事じゃ! せっかくヘルヘイムにまで足を運んだのに、地獄めぐりだけして終わったのじゃが!? しかもユーリに至ってはヘルヘイムの瘴気に当てられて気絶しとる! このままでは気絶損じゃ!』


 ずっと黙っていたサラスィアが一気に捲し立てた。サラスィアにしてはよく我慢した方だと思う。


『き、気絶損? そんな言葉聞いた事ないぞ』


 サラスィアの言葉を受けて、レクターは申し訳無さそうに首の後ろを掻いた。


「いや、正直お前たちには悪いと思ってる。特にユーリはわざわざバルカ城から呼び出したのに、俺の考えとは違ってニルが意外と元気だったし。おまけに今度はまたバルカ城に戻らなければならない。あっちこっち行かせてすまない」


 それを聞いて、サラスィアの紫の瞳が鈍く光る!


『ふふふ、言ったな王子?? 少しでも悪いと思っているならこのワシをそのバルカ城とやらに連れて行くのじゃ!』


『ええ?』


「ええ!?」


 その場にいた(ヴァレリア以外の)誰もがサラスィアの言葉に困惑し、ニルがヴァレリアの谷間からころげ落ちた。



ニル・ヘルヘイム奪還編・完(そんな回はなかった)。


次回はバルカ城に行くのか?行かないのか?!

ユーリ、レクター王子やらサラスィアに振り回されてて草だけど、勉強になった事もあったんじゃないでしょうか?!


病み上がりで書いたのでちょっと変なところがあるかもしれないです。


ここまでお読みくださってありがとうございました!


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