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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第一章 ヴァレリアとアナスタシア
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無いものねだり

セトとエリーがイチャイチャしたり、ユーリが意外にも成人していたり、なんやかんやあって今夜の寝所を確保した4人は、各々の部屋で朝を迎えるのだった

 翌朝


「ふぁぁー! 目覚めスッキリですわ! 本当にこの体は健康そのものだわ」


「お嬢様? 起きられましたか?」


 先に起きていたエリーが声をかける。


「あちらに洗面所がありますので、お嬢様はそこで準備をしてきて下さいね。私は男共を起こしてきますわ」


 エリーは早速この暮らしに慣れつつある。そのフットワークの軽さは羨ましい限り‥‥‥

 ヴァレリア様も、きっとこのエリーの臨機応変な対応に心を許したのでしょうね。


 そう考えながら洗面所に(おもむ)く。


 洗面所には鏡があった。そういえば鏡なんて、お城を出る最後の日に見た以来でしたわ。


 鏡に映るのは、ヴァレリアお嬢様の顔。


 長い緋色の髪

 日に焼けない透き通るような陶器肌

 美しく、強い意思を感じる紫の双眼


 紫の瞳は「悪魔の色」とか「不吉な色」と言われて恐れられているけど、私は綺麗な色だと思うけどなぁ。

そういえばレクター王子も、まだ私がアナスタシアだった頃に、噂好きの女中に「王子はこの紫の瞳がお嫌いらしい」と聞いた事があるわ。噂好きの女中は笑っていた。何が面白いのかしら。

 私は陰口が大嫌いなので、その女中を直ぐ実家に帰らせたけども。


「本当に不思議な色‥‥‥吸い込まれそう」


 私はうっとりとして呟いた。元の私の瞳が真っ黒だからかもしれないけど。真っ黒なんて、面白みがないから色のある瞳は私の憧れだった。


 でも、お城で見かけた時よりも、輝いて見えますわ。

 お城でのヴァレリアお嬢様は、いつも何故か不服そうで、眉間に皺を寄せて、他人を寄せ付けないオーラを放っていましたもの。


 こんなに美しいのにどうして?肌も、髪もハリがあって、私のようにすぐ荒れたり乾燥する事もない。


 よくわからないけどきっとヴァレリア様も‥‥‥


 私と同じように。私にはあって、ヴァレリア様にはない何かを『無いものねだり』していたのでしょうね。


「お嬢様〜?」


 ノックの音と共にエリーが声をかけてきた。


「セトはもう起きてました。ユーリさんはまだ寝てるみたいです。声かけしたらセトが『ユーリがまだ寝てるから今から起こす』ですって」


 えっ何それ可愛い〜!ユーリは低血圧なのかしら。私も体が入れ替わるまでは朝は低血圧でなかなか起きられませんでしたわ。


「可愛いですよね、クスクス」


 とエリーの笑い声が聞こえた。エリーも私と同じ事を考えているようだ。


「私とセトは先に階下にいますので、お嬢様は準備ができ次第降りて来てくださいね」


 ああ、セトとエリーもうすっかりカップルじゃないですか?相変わらず推せますわ〜!


「さて、実質今日から初めての冒険ですわ! 少し緊張するけど頑張るぞ!」


 準備を終え階下へ行くと、全員揃って朝食を食べていた。


「お嬢様、朝食頼んでいますよ」


 エリーが声をかけ


「よっ、おはようお嬢様」


 セトが私に挨拶をし、ユーリが後に続いて挨拶をする。


「あ、おはようございます‥‥‥」


「ありがとう、エリー。皆様おはよう御座います」


 セトとエリーはもう食事を済ませていたのか、エリーが地図を広げ、セトが何やら指を指して今日の行き先を調べている。


 ユーリはまだ眠そうな目でもそもそと食事を摂っていた。


(ふふっ、ユーリはまだ眠そうね!可愛い)


「よし、ユーリとお嬢が朝メシ食ったら出発するか、森は厄介なのが紛れているから今日一日はこの辺の原っぱで狩だ、ゼリーの回収なら余裕だろ」


 そう言ってセトが地図を指差して場所を示した。


「この辺は魔物は大した強さじゃない割に、結構お宝を落としてくれるんだよな〜♪」


 セトが上機嫌で言う。


「はい、よろしくお願いします」


「ユーリ、上級者のお前にはちょっと物足りんだろうが、我慢してくれな。このお嬢様方、まだ初心者なもんでな」


「ええ、一向に構いませんよ。僕がヴァレリアさんをお守りします」


 そう言ってユーリはへへっと照れ臭そうに笑った。


(ええ〜何この可愛い生き物ー!!むしろお前を守らせろ!)


 でも、セトが強いのはわかっているけど、何故セトはユーリ君が上級者って分かったのかしら?昨日寝る前に何か話したのかな?


寝る前に二人で話して分かった事です。


なかなかバトルに入らないですね

次からバトル?シーンです


ここまでお読みくださってありがとうございます。



この話が面白いと思ったら広告の下にある☆に点を付けて行ってくださいね!良くないと思ったら☆ZEROを付けて行ってくださいね!

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