籠の中の鳥
酒場でいい依頼を受け、イチャイチャするセトとエリー
3人の会話の中で、ユーリはある事に気付く
この言葉遣い、もしかして‥‥‥
「あの、お二人は、もしかして高貴な身分の方なのですか?」
「えっ?」
「変なこと聞いてすみません、さっきからエリーさんが、お嬢様とか呼んでいるし、ヴァレリアさんも言葉遣いが綺麗なので‥‥‥」
「あはは、バレちゃったか。実は私前までレクター王子の婚約者候補の一人だったんです。もう婚約は破棄されちゃったんですが(王子には何か変な事言われたような気がするけど)
まぁそのおかげでこうして自由に冒険できているわけですが」
森の中の出来事(婚約破棄の白紙の話)は聞いてない事にしましょう‥‥‥レクター王子の世迷言だわあんなの!さぞかしシリウスが気を揉んだ事でしょう。
「え‥‥‥レクター王子の婚約者候補?」
(レクター王子はこのバルカ王国の王子で、その方の婚約者候補と言うと、侯爵家のご令嬢とか、伯爵家のご令嬢が殆どだ、そんなに身分が高いお方だったとは‥‥‥)
でも何故そんな方がこんなところに?いくら婚約破棄されたにしても、何故わざわざこんな庶民の溜まり場に‥‥‥
「‥‥‥未練は無いのですか?」
地位や権力や、令嬢の座に。
「んーーー?無いですわね!」
言い切った!
「私、ずっと前から外の世界を見てみたかったんです。地位や権力に未練はありませんわ! 私にはこの生き方が合っているのですわ」
お城は、たしかに安全だった。でもいつも守られてばかりで、それが逆に窮屈だった。いつも気飾って、周りに笑顔を振りまいて‥‥‥
まるで、囚われの身のようだった。
ヴァレリア様と、他の婚約者候補の方々はそうでもなかったみたいだけど‥‥‥
その状態を、何の疑問にも感じることなく、粛々(しゅくしゅく)と受け入れているようだった。
「そうなんですね。ヴァレリアさんは、お城での暮らしよりも、自由を選んだのですね」
(地位も名誉も安定した生活も捨てて冒険に出るとは、珍しい方だ)
「あ、このことは秘密ね!私とユーリだけの秘密」
ヴァレリアさんは自分の唇に人差し指を立てて笑う。その笑顔に思わずドキッとした
「は、はい//」
アナスタシアはずっと前からお城を出て、自由になりたかったのです
アナスタシアのポンコツな体のままでは実現しなかった事態でしょう
ヴァレリア様と入れ替わったおかげですね。
ここまでお読みくださってありがとうございました。
この話が良いと思ったら広告の下の☆に点付けて行ってくださいね!良くないと思ったら☆を無視して行ってくださいね!