酒場にて
村に寄った3人はセトの先導で酒場でうまい話を聞きに行く
その途中、アナスタシア(ヴァレリア)はパーティーから解散を告げられて落ち込んでいるユーリを見つけ、ちょうど魔法使いがいないというわけで、ユーリをパーティーに加えるのだった。
それからユーリを連れてエリーとセトが入っていった酒場に寄った。
私が連れて入ったユーリを見てエリーが口を開く。
「あら、お嬢様そちらの方は」
「へへ、さっき知り合って」
「初めまして、ユーリと申します。一応魔法使いです‥‥‥」
ユーリは帽子をとってエリーとセトにぺこりとお辞儀をした。
セトは特に興味がないのか、酒場のマスターとお喋りしている。
「へぇ〜ユーリさん! 魔法が使えるのはとても心強いわ、私はエリー。よろしくね!」
「はい‥‥‥よろしくお願いします」
「さあさあユーリ、とりあえず座りましょ! えっとお酒はまだ飲めないよね?」
ヴァレリアが椅子を勧める。
「あ、一応飲めます。18過ぎてるので」
(えっ! せ、成人してるだと!?)
ユーリは童顔(と言っても前髪でほとんど表情が見えない)だったのでまだお酒は飲めないと勝手に思っていましたわ!見た目ではわからないものですわね。
「ただ、今はそんな気分じゃないかな‥‥‥僕はいいので、貴女は」
「アナ‥‥‥ヴァレリアよ、私の名前」
「ヴァレリアさん、が‥‥‥飲みたいのならどうぞ」
「ふふふ、私お酒は飲めないの、まだ成人してないから」
私アナスタシアと、ヴァレリアお嬢様、そのほかのお嬢様方は、まだ未成年のうちにまず王国専属の学園に入学することが決まっている。
わずか5歳から入学し、学園のしきたりを覚え、王族として養育され、そこで美しく、身分が高く、成績優秀だった一部の人間のみ、初めて王子とお目見えが叶うのだ。
今アナスタシアとヴァレリアは共に16歳である。
(今となっては懐かしい思い出ですけどね)
「あ、これは失礼‥‥‥。色々と成長が良いので、てっきり成人済みかと」
「ん?」
「いえ、なんでもないです!//」
ユーリはヴァレリアに先程抱きつかれた事を思い出し赤面した。
「うん、この位なら金も手に入るし、初心者向けでいいんじゃないか? お前達はどうやらダンジョンを目指しているようだが、ダンジョンの敵は意外と強いし、入り組んでてとても初心者が行ける場所じゃねえ。まずはこういう初歩的な依頼をこなしてからだな」
セトがそう言って見せたのは、「ゼリーの回収」という初心者向けの依頼だった。
「わぁ、さすがセト! 私達の安全を考えて下さるのですね! ありがとう」
「バッ//バッカお前//そんなんじゃねぇよ、ただお前達をある程度冒険に慣れさせとかないと俺に負担がかかるからな」
「それでも私は貴方と冒険できて嬉しいですわ」
「むむっ//ぅ〜ん//」
さすがですわ、エリー。無意識のうちに見事にセトの心を掴んでいるわ! ああ〜なんて可愛いのこの2人は!! もう結婚しちゃいましょう。
ヴァレリアは心の中でガッツポーズをした。
没サブタイは「セトとエリーのイチャイチャ事情」でした
※この世界での成人は18歳です。
このお話はフィクションです。
ここまでお読みくださってありがとうございます。