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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第三章 セト達の秘密
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えっ?そんな理由で?!

前回エリーの約束を破ってヴァレリアの部屋に入ってしまったわがまま王子レクター。

側にいたいというヴァレリアの言葉を聞き、エリーに自分で寝床を用意せぇ!と言われてしまう。

 結局レクターは自分のサイズに合わせた簡易的なベッドを作ってどうやったか知らないがヴァレリアのベッドの横にくっつけて寝る事にした。


 ただし間に仕切りカーテン《これはエリーが用意した》を(はさ)んでの隣だ。


 エリーはどうやらヴァレリアと一緒の布団で寝るらしい。羨まし‥‥‥。いや、羨ましい。


「レクター? 起きてますか?」


 カーテンの仕切り越しにヴァレリアが話し掛けてきた。


「先程の話ですけど、エリーには秘密にしておいてくださいね。エリーにはこれ以上心配をかけさせたくないの」


 先程の話? ああ、ヴァレリアがヴァルキリアの末裔とかいうアレか‥‥‥


 俺はただの厨二病だと思うけどな。ヴァレリアはまだ16歳だし、全然あり得る話だ。


「レクター?! ただの厨二病だとか思ってませんか?」


 ドキッ!


 いや、なぜわかった??


「レクターの事は何でもお見通しなのですわ。いつもレクターは、私の側にいてくれたから」


 いやそれにしても洞察力すごいだろ! やはりヴァレリアには敵わんな。


「ヴァーリャ、手だけでも繋いでいいか?」


「なっ、なんですか急に//」


 今まで散々抱っこやらなんやかや好きにしてきたくせに、今さらそんなことで気を遣うとか意味わからない!


「べべ、別にいいですわよ!」


「ありがとう」


 俺は手を伸ばしてカーテンの端をそっと開けて、ヴァレリアの手を握った。


 まだ成長しきれていない、小さな手。そうだった。ヴァレリアはまだ16歳の少女なのだ。それにしてはきょに‥‥‥ゲフンゲフン!


「小さな手だな‥‥‥」


 俺は指でヴァレリアの柔らかい手をさすりながら言う。


「レクター‥‥‥。それはレクターの手が大きいだけですわ。それよりレクターの手、とても暖かくてポカポカします」


「ふふ、熱を手に集中させているからな」


「そういえばレクターは、魔剣の力で何でもできるのでしたわね」


「そうだが、魔剣にも意思があるのでな、魔剣が気に入らないやつにはこんな事はできないぞ。例えばヴァーリャを襲ったやつとか。あの男は何をしても許さない」


「そうなのね、だったら魔剣にもお礼を言わなきゃだわ」


「ははっ! 魔剣にもお礼!? 相変わらずヴァーリャはおかしな事を言う」


 でも確かにそうだ。一応魔剣にもお礼を言っとくか。魔剣(こいつ)のおかげでセクメトを氷漬けにできたんだ。


「そういえば私を襲った男、について思い出した事があるんですけど‥‥‥」


【『我 毒の祝福。(たまわ)り 我はその この上なく尊い宝 紫の耀く瞳に繋ぎ止めん』


連綿(れんめん)とした追憶の情に‥‥‥。命の底より燃えている! セクメトよ! あるべきところへ帰りなさい!』】


 あの時の呪文‥‥‥。ニーズヘッグも知らないようだった。あの呪文も、私がヴァルキリアだった時の名残りかしら?


 私はレクターに、セクメトが襲ってきた時の事を話した。


「えっ! そうだったのか?! あの馬鹿男(セクメト)をヴァーリャ一人の力で追い払ったのか!?」


 ただの厨二病だと思っていたのに、ヴァレリアは本当にヴァルキリアの末裔だったのか。


 セクメトを毒の瘴気(しょうき)(ひる)ませて、その隙をついて吹き飛ばすとは! ヴァレリアは無意識のうちに敵と戦う事ができるのだな。底知れぬヴァレリアの力。


 この小さな手、小さな体《一部を除く》にはまだまだ俺の知らない秘密があるのだな‥‥‥


「はい。一旦は自力で追い出したのですわ。すみませんその時の記憶が曖昧(あいまい)で、何となくしか覚えていないのですが。なにせ眠くて眠くてたまらなかったもので、一刻も早く眠りたかったので」


 レクターの方を見ると、私の手を握ったままポカンとしているようだった。何その顔。間抜けなレクターの顔、お城のお嬢様方が見たらどんな風に思うでしょうね?


「ははははは! ヴァ、ヴァーリャ、そんな理由でセクメトを吹き飛ばすなんて!」


 驚いた。てっきり貞操の危機を感じてとか、そういう理由でセクメトを追い払ったのだと思っていた! そうか、まだヴァレリアは何も知らないのだ。貞操の危機と言われても、ヴァレリアは知る(よし)もないだろう。


 それにしても、一刻も早く眠りたいからヴァルキリアの力を使うなど。いやある意味ヴァレリアらしいな!


「なっ、何がおかしいんですの?//私からしたら、レクターこそおかしいですわよ。そんな間抜けな顔!」


 ヴァレリアがそう言うと、俺たち二人は顔を見合わせたと同時に吹き出した!


「ははははは!! 何やらおかしくてたまらんな!」


「あははは! そうですわね! 私もなぜこんなに笑ってしまうのかわかりませんわ!」


『お前らうるっせーぞ!!!!』


 二人の大爆笑に耐えきれず、それまで恐らく我慢していたニーズヘッグが大声で叫んだ。



二人とも何わろてんねん。

でも何かわからんけど笑いが止まらない時ってありますよね。てか内容うっす!しかも短いですね!すみません!

エリーはヴァレリア様の横で爆睡して気がついてません。笑


ここまでお読みくださってありがとうございました。

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