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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第一章 ヴァレリアとアナスタシア
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レクター王子の思惑

ヴァレリアの体に入れ替わったアナスタシアは、森の中の川で顔を洗い、朝の清々しさを感じていた

タオルを差し出され、女中のエリーザベトかと思って見ると、そこには何故かレクター王子が立っていたのだった

 今、ヴァレリアと会って確信した。

この違和感の正体はヴァレリアの雰囲気だ。

生きている事を心から喜び、命に満ちた、溢れる生命力を感じさせる雰囲気だ。


 このどうしようもない

 この生き生きとした

 変わってしまった女が


 俺とは正反対な生き方をしているこの女が気になって仕方がない。


「すまん、ヴァレリア‥‥‥婚約破棄の話は少し考えさせて欲しい」


「え?」


「俺は、お前が嫌いだったんだ、だが今は‥‥‥」


 今は、なんだ??


(わからない)


 グイッと私の腕を引き、王子が私を抱きしめた。


「ふぇっ!?」


 驚きのあまり、変な声が出てしまった。


 王子の腕の中で戸惑っていると、突然王子が私に口付けた。


「‥‥‥ヴァレリア、俺は、お前との婚約破棄を白紙に戻す、俺は政務のため城に一旦戻らないといけないが、またここに来る、お前の様子を見に」


 ポカンとしている私の顔にもう一度王子は口付けた。


「‥‥‥じゃあな、また来る」


 そう言うと王子はあっという間にその場から去っていった。


 は‥‥‥?


「えぇぇぇぇぇぇ?!」


 今の一連の流れが信じられなくて、私はしばらく動けなかった。


 先程の一連の王子の行動を思い出しながらボーッとしながら戻った。エリーとセトはとっくにテントを片付けていた。


「ずいぶん遅かったですね! あと少し遅いようならセトと一緒に見に行くところでした」


「えっと今、川で‥‥‥」


 てか王子ドサクサに紛れて私にキスしなかった??


『俺は、お前が嫌いだったんだ、だが今は‥‥‥』


『今はお前の事が気になって仕方がない』


『ヴァレリア、見ろ、俺を‥‥‥』


 あばばばばばば//

 思い出したら顔が熱くなってきましたわ!


 えっそもそも王子は何故私にキスしたの?王子はヴァレリア様には禁足扱いにするほど嫌いで、興味もなかったはずで、だからこそ婚約破棄もあっさり受け入れて‥‥‥


 そんな(ヴァレリア)に何故?


 わからない、レクター王子が何を考えているのかわからない‥‥‥




我儘王子の独壇場で、あれよあれよと婚約破棄も白紙にされましたね。

ていうかドサクサに紛れてキスすんな。

はっ、恥ずかしいじゃないか!

ヴァレリア(アナスタシア)の困惑を残したまま王子は立ち去りました


一体どうなってしまうのか!?


ここまでお読みくださってありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 王子様がスケコマシさんです! ヴァレリアお嬢様もまんざらではない!
[一言] ムキャ───!!レクター王子ぃ!
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