表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第三章 セト達の秘密
159/269

不遇のセクメト

オシリスに吹っ飛ばされたセクメトの行方は果たして!

 ううーん、あら? 私としたことがお嬢様と一緒に眠ってしまいましたわ。お嬢様の側にいると不思議と眠くなるんですのよね。


「よーし! お夕飯の用意をしますわよ〜」


 ドゴォン!!!!


 えっ、何今の音‥‥‥


 私がキッチンに入った時にすごい音が屋敷中に響いた。急いで外に出て音のした方を見遣(みや)る。


 何かがぶつかったところが煙を上げている。あの部屋は‥‥‥。あの部屋はお嬢様の部屋だわ!


「うがっ! ぺぺぺ! 畜生! オシリスの野郎! 本気を出しやがって!!」


 ヴァレリアの部屋にぶつかってきたのは先程オシリスに吹っ飛ばされたセクメトだった。壁から落ちてくる(ほこり)が口に入ったようで、ぷっと吐き出した。


「あー酷い目に遭ったぜ、ところでここはどこだ? 砂も無えし故郷じゃないみたいだな。ん?」


 えっ‥‥‥誰この美女。


 セクメトはベッドで眠っているヴァレリアに気付き、心臓が一気に高鳴るのを感じていた。


 この俺が部屋にぶつかったのに起きもしない。


 セクメトはゴクリと唾を飲み、ヴァレリアの寝顔をもう一度見た。


 な、な、なんだよこの美女! 俺の故郷にはいなかったぞこんな美女は! 品が良さそうで、いい匂いがして、肌は透けるように白くて。柔らかそうで‥‥‥//


 ええ〜! 何がなんだか分からんがめっちゃ運命じゃね?!


 俺は美女の顔にかかっている赤毛をそっと払った。赤毛と同じ色の長いまつ毛が硬く閉じられて、薔薇色の頬、花の蕾のようなくちびる。


 はぁ!? 見れば見るほど美女じゃねーか! もう一度言うわ! これ運命だろ! ラーがこの美女と引き合わせてくれたに違いない!


「へへへ、となれば当然ヤルことはひとつだぜ。こんな美味そうなシチュエーション頂かないわけにはいかんだろ」


 そう言ってセクメトはヴァレリアのいるベッドに乗ってきた。ヴァレリアは深い眠りに落ちて起きそうにない。セクメトはヴァレリアの掛け布団を剥がした。


「は? なんだこの体、エロすぎだろ」


 セクメトは眼下の光景に思わず舌舐めずりをする。


「ははっ、オシリスには酷い目に遭わされたけど、その後にこんな美女が抱けるとはな! オシリスにはムカつくがこの事に関しては感謝しかないぜ」


 その時、ヴァレリアの紫の双眼がゆっくりと開き、セクメトを捉えた。


「うわっ」


 セクメトはヴァレリアの紫の瞳にとらわれて動けなくなってしまった! なんて、なんて美しい瞳! なんて可愛いらしい顔立ち!


「テメェ‥‥‥」


 ヴァレリアがゆらりと体を揺らす。


「えっ?」


「誰だお前は! てか何やってんだよ! ヴァーリャの上に乗りやがって! どけよ!」


 ボコォッ!!


「おっっっっ‥‥‥」


 ヴァレリアは渾身の力を込めてセクメトに金的を食らわせた!


 金的を食らったセクメトは、何ごとかわからない言葉を吐きながらその場に崩れ落ち、気絶してしまった。



セクメト、馬鹿で可愛いと思うのは私だけですね。うわぁそれにしても痛そう( ;∀;)

すみません今日少し短くなってしまいました。

次回はレクターが出てくるのか!?出てこないのか?


ここまでお読みくださってありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 痛そうにゃ……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ