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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第二章
134/269

再び冒険!の前に‥‥‥

お互いの気持ちを新たに確かめ合ったヴァレリアとレクター


とりあえずオシリスの酒場まで戻ってきたが‥‥‥

「地下迷宮に行きたいだぁ?」


 ひとまず酒場に戻ってきた私たち三人と一匹は、私の我儘で地下迷宮に行くことをセトに提案してみた。


「地下迷宮はなー、一度入ったらなかなか抜けられないぞ?いくら王子がいるとはいえ‥‥‥」


「俺は全く問題がないけどな」


 レクターがカウンターで葡萄酒を飲みながら言う。


「うーむ、まぁ王子がいればなんとかなるか? しかしお前さんたち二人、婚約したばかりで行くところが地下迷宮って‥‥‥。それでいいのかよ。なんか夢がないというか‥‥‥」


「あら、セトは意外とロマンチストなのですね!? エリー期待していいわよ! セトは多分エリーをうんと素敵なところに連れて行ってくれるわ」


 またこのお嬢様はズレた事‥‥‥


 レクターはたまらずクククッと喉の奥で笑った。


「仕方ねぇな。オシリスー、ちょっと地下迷宮の依頼で何かあるか調べてみてくれ」


 オシリスは店内の大幅な改装工事を仕切っていた。


「ん? おお、お嬢様方、帰ってきてたのか。お前ら、一旦休憩だ!!」


「「ウッス」」


 筋肉隆々としたイカつい男たちにそう(げき)を飛ばしてオシリスは私たちの方に来た。


「で、地下迷宮が何だって?」


「こいつらが行きたいんだとよ。なるべく難易度の低いやつから選んでくれないか? 王子がいるとはいえ、お嬢がいるから色々心配だ」 


 セトの言葉にムッとしたようにヴァレリアは言う。


「何を言っているのですセト? 私はニーズヘッグという心強い味方を支配しているのよ、いざという時には変身してーーーー」


「うーむ、これなんかどうだ?」


 そう言ってオシリスが差し出した依頼書には、スキドブラドニルと書かれた船が描かれていた。


「スキドブラドニル? 大昔、女神に献上されたと言われている船か」


「うん。いきなり地下迷宮はいくら王子とニーズヘッグがいるとはいえ、お嬢様がいるからな。何かあってもいつでも出られるようにって思ったんだ。その船に、最近妙なものが住み着いてるらしいんだ」


「ふむ」


 依頼書を読みながらレクターが頷く。


「私にも見せて!」


 ヴァレリアはレクターの隣に座った。


「妙なもの? ねぇ‥‥‥」


 レクターが(いぶか)しげに依頼書を見て呟く。


「詳細がわからないのだが、毎夜毎夜騒音が酷いということで様子を見て来て欲しい、という船の近くのご近所さんからの依頼だ。俺はあんな不気味な船の近くに住む奴の方もどうかしてると思うがな!」


「詳細がわからない‥‥‥。か」


 前にユーリが言っていたな。


【詳細が不明なのが気になりますね‥‥‥。よく言うじゃないですか、うまい話には裏があるって‥‥‥】


 王子はなかなか(うなず)かなかった。詳細がわからない、この事が引っかかっていたのだ。


 ユーリの言う通り。ジューダの時みたいに、ヴァレリアは肉体的にも精神的にも傷ついた。ザダクのような得体の知れない悪魔に出くわし、ヴァレリアは命の危険に晒された。


 あのような(やから)に会わないとも限らないからな‥‥‥。特にヴァレリアはいいものも悪いものも引き付けてしまう。ニーズヘッグがいるからか?


「この件は慎重に判断しよう。それからバルカ城からユーリを派遣したい、親父には何とか言って誤魔化せばいいだろ。大体甘えすぎなんだ親父は。セトとオシリスが言うように、いくら俺がいるとはいえ、ヴァレリアはお嬢様だからな」


 しかもハイパー超天然不思議お嬢様だからなヴァレリアは。


「しかもハイパー超天然不思議お嬢様だからなヴァーリャは」


「何ですって?」


「おっ、しまったつい声に出てしまった」


 ヴァレリアは怒ってふんっと顔を背ける。事実なんだけどな‥‥‥


「ユーリが到着するまで待とう。そんなに焦るものでもなかろう?」


 俺は冷静に「今日は諦めよう」の意味を込めて言う。だがこの超絶鈍感KYのお嬢様は諦めなかった!


「でもでも! この新しい装備で戦って(戦った事など一度もないけど)みたいですわ」


 その時セトが困ったようにオシリスに目配せした。オシリスも困ったように笑って、仕方ないと言った感じで口を開いた。


「お嬢様、エリーとセトと一緒に今夜の晩御飯を取って来てくれないかな?」


「晩御飯?!」


『晩めし!? 何なに?』


 ニーズがピョコと顔を出した。


「はい、これ」


 そう言ってオシリスが渡して来たのはーーーー


「きゃー! また一匹連れましたわー!!」


 ヴァレリア達はいつもセトとエリーが釣りをしている川に来て魚釣りをしていた。


『おー! うめぇなヴァーリャ』


「お嬢様ー! 食べ切れるやつだけ釣ってくださいよ! それ以上釣ったら樽には入れず返してあげてください!」


 お()りとして着いて来たセトは思った。お嬢にはこういう依頼の方が合っているのではないかと‥‥‥



何かほのぼのした感じで終わってしまった!

みんななんだかんだヴァレリア様の事を甘やかしすぎてワロタ いや本来はほのぼの目指してるんだからこれでいいのだ。


ここまでお読みくださってありがとうございます。



私も釣りとかでいいと思うと思った方は広告の下にある☆に点を付けていってくださいね!何やっそいみんなに甘やかされて羨ましいヴァレリア様ムキーッ!と思った私は私の髪の毛についた芋けんぴを取ってください。


ご拝読ありがとうございました。また読んでくださいね!

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