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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第一章 ヴァレリアとアナスタシア
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スズメバチ

前回馬鹿な事をしてスズメバチに姿を変えたシリウス

激怒したフランシスによって失神させられてしまう。

そこへレクターとヴァレリアがちょうど通りがかって‥‥

 レクターとヴァレリアは、ひとまずはバルカ城に泊まって、翌日からライヒに戻る事にしていたので、一緒に平和堂(バルカ城の部屋の一つ)の方へ向かっていた。


 平和堂に行くには、談話室の前を通らなければいけないのだが、談話室の前に二人がくると、何やら騒がしい。


「ガルシア様? と、あと一人は誰かしら?よく見えないわ」


「ん? なんだあの部屋の中で転がっているものは?」


 目の良いレクターが口を開く。


「俺が聞いてくるよ」


 俺はヴァレリアを廊下にある椅子に座らせて、談話室の入り口にいる親父に話しかけた。


「親父、先程は婚約式への参加ありがとう。ところで何をやってる?」


「おん? レクターどうしてここに?」


「平和堂に行くつもりだったんだが、通りがかった。なんかあったのか? ここ」


 親父が言いにくそうに顎に手を当てて話す。


「うーん、それがなぁ、シリウスがフランシスの魔術書を勝手に開けてしまってな。魔術書に書いてあった呪いの魔法をかけてしまったみたいなんだ」


 フランシス? ああ、ユーリの父親か‥‥‥


「あそこに転がってるのがシリウスだ。で、フランシスが今焦って解呪の方法を探しているところだ。フランシスは解呪の仕方は知っていたようだが、どうやらシリウスがかけた魔法がフランシスが思っていたものより難解だったようでな」


 見ると談話室にはシリウスの髪と同じ白い色のスズメバチがひっくり返っていた。


「なっ! シリウス!」


 俺は思わず口元を覆った!


「シリウス。他人の魔術書を勝手に開けるなど、なんと命知らずな事を‥‥‥」


 魔術書に書いてある類の呪いは、いくら俺でもウードガルザでも解けないぞ? どんなリスクがあるかわからないし、まずウードガルザが嫌がる!


「私もそう思ったんだが、気付いた時にはもうシリウスはこの状態だったんだ」


「レクター? まだなんですの? 私もう着替えたいですわ、コルセットがキツくて‥‥‥」


 いつのまに来ていたのだろう、ヴァレリアは俺のすぐ後ろに立っていた! しまった! こんな(おぞ)ましいものをヴァレリアに見せるわけには‥‥‥


「わぁ! ヴァレリア! 来るな! 見るな!」


 幸い親父が素早くヴァレリアの視界を遮ったので部屋の中の様子は見えなかったらしい。


「?? 何か見てはいけないものがあるんですの?」


「ヴァレリア、お前虫は嫌いだろ? 悪い事は言わないから、先に平和堂に行ってろ? な? な?」


 俺は部屋の中をチラチラ見ながら焦ったように言う。部屋の中にはシリウス(スズメバチ)と、頭を抱えた男が何やらブツブツ言いながら部屋中を歩き回っている。


(あの男がフランシスか? ユーリの父親。確かにユーリに似ている)


「まぁ確かに虫は嫌いですわね。昆虫の類は特に! あの少しだけ生えてる毛が嫌なのですわ。ヴァナルカンドの毛はもふもふして可愛いですのに、虫の毛は何故あんなに可愛いくないのでしょう?」


 ヴァレリアは想像したのか、ゾゾ〜といった感じで肩を震わせる。


「うんうんそうだよな? だから大人しく回れ右をして先に平和堂に行っていてくれ。エリーと一緒に!」


「でも私の虫嫌いとその部屋の中と何の関係がありますの??」


 好奇心旺盛なヴァレリアは、まだ部屋の中を見ようとしてぴょんぴょんしている。


 その度に俺と親父が手をバタバタさせたりして視界を塞ぐ。


「ヴァレリア。レクターの言う通りにした方がいい。ハッキリ言うが、部屋の中には悍ましいものが転がっている、馬鹿な真似をしでかした男のせいでな」


 それを聞き、ヴァレリアは少し残念そうに肩を落とした。


「‥‥‥。ガルシア様。そこまで仰るのならその通りに致しますわ、失礼しました」


 そう言ってヴァレリアは俺の顔を不安そうに見上げる。


「レクター、私は先に平和堂に行っていますわ。レクターも必ず来てくださいね? お願いね?」


 そう言って小首を傾げる。クソっ、可愛い//ヴァレリアその上目遣いは卑怯だろ!


「うんうん、絶対行くから!//」


「ほほぉ〜、さすがヴァレリア、レクターの心を引く(すべ)を心得ておるなぁ」


「親父! 余計な事を言うな!」


 その時だった! 先程まで転がっていたスズメバチ(シリウス)が突然起き上がったかと思うと入り口の方へふらふらと向かっていった。


「危ない! ガルシア! レクター君!!」


 気付いたフランシスが入り口を塞いでいる親子に声をあげた。

レクターにもガルシアにも解けない呪いだなんて、

フランシス君の魔術書はある意味最強なんじゃないかい??

ヴァレリア様は女性に嫌われる女性を地で行きますね〜?(イライラ)それも含めて好きです!


ごめんなさい少し短かったですね!


ここまでお読みくださってありがとうございます。


皆様はどの虫が嫌いですか?私は圧倒的にゴキブリです。

我もゴキブリが苦手という方は広告の下にある☆に点を付けて行ってくださいね!そもそも虫全般が苦手な方は、私と同じです。


ご拝読ありがとうございました。また読んでね!

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