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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第一章 ヴァレリアとアナスタシア
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私はシリウス・二

婚約式を無事に終えたヴァレリアと王子。


一方で婚約式に参加していたシリウスは、情緒不安定だった(笑)

談話室である物を見つけてしまい‥‥‥


※ここからの話は今までに「ん?」と思っている事やまだ解明されてない謎などを解決しながらゆるゆると話していけたらな、と思っています!

 私はシリウス。


 たった今、心を失った哀れな男である。目の前で恋焦がれる女性と、王子が遂に婚約してしまったのだ!


「わはは、めでたいなユーリ! それにしても婚約しても冒険を続けるとはな、ヴァレリアらしい。でもその道中で君に出会ったのだし、ヴァレリアには何かしら惹きつける力があるのだろうな!」


「ええ、それにヴァレリアさんには冒険の始めにずいぶんとご迷惑をおかけしましたから、今日幸せそうなヴァレリアさんの顔を見て安心しました」


 ガルシア様はユーリの肩をポンポンと叩きながら上機嫌だ。ユーリなどの肩にベタベタ触って‥‥‥。まさかユーリにも爵位を与えたりし


「ああ、シリウス! 先程ユーリにも爵位を与えたからな! これからは対等だからな!」


 出たーーーー!!!!!


 何この我儘気まぐれ親子! 私の苦労も意に介さず一方的にバラバラに動いて! 大体爵位を与えるにもいちいちお金がかかっているのに、ガルシア様もそれはご存知のはずなのに! もうこの親子共々大っ嫌い! 私はその場で地団駄を踏んだ!


 ふとユーリと目が合った。私はふんっという感じで思い切り無視してやった!


(ユーリに爵位など‥‥‥。あってたまるものか! たとえこのバルカの宮殿に来ようとも、無視し続けてやる)


「ん?」


 私が談話室に戻ったとき、ユーリが大事そうに抱えていた分厚い本が残されていた。


「黒魔術の、章??」


 パラパラとめくってみる。私は魔法にはなんの興味もないが、ユーリがどんな低俗な本を読んでいるか気になった。


「ん? これは私にも読めるな? どれどれ」


 その時私の中の悪魔が囁いた。


(この魔術書を利用して、ユーリに一泡吹かせて仕舞えばユーリも恐れてもうここには足を運ばないのではないか?)


「あっ! お父さんから預かっていた本! 談話室に忘れてきちゃった!」


 ユーリが足を止めてしまったと言わんばかりに叫んだ。


「あの本はまだ僕は読んでないけど、最強の魔法ばかり書いてあるって、お父さんが言ってたんです。それでこっちでヴァレリアさん達が来るまでゆっくり読もうとしてたんですけど結局読めず仕舞いで」


「何?! フランシスのか? それはいかん、フランシスの本であれば、最強も最強だ! すぐに取りに行かねば!」


『エウリュアルス・カフカ!』


 ボフン!!!!


 談話室へと急ぐ二人に、その爆発音は聞こえた。


 ガルシアとユーリはまさか、という感じで目を合わせた。


 談話室の前に着いた二人は慎重だった。


「最強の魔法だからな、何が起こるか分からんぞ。それにしても誰が勝手に‥‥‥。魔法がどれほど危険な物か知らんのか」


「僕、さっきシリウスさんがこの部屋に入っていくのを見ました。シリウスさんに申し訳なくて目で追っていたんです。そしたら‥‥‥」


 ガルシアは驚き呆れた。


「じゃあまさかシリウスが?」


「‥‥‥。多分?」


 ガルシアは頭を抱えた。よりによってあいつかよ、とでも言うように。


「シリウスは、魔法という非科学的な物は一切信用していないのだ。もしシリウスがやったのなら魔術書を簡単に広げられるのも頷けるな」


「どうしましょう? 一応ガードの魔法をかけた方がいいでしょうか、シリウスさんが何の魔法をかけたのかがわからないので‥‥‥」


 ユーリの言葉にガルシアは頷く。


「うむ、そうだなユーリ。しかしシリウスのやつ、恐れ知らずな‥‥‥。ブツブツ」


 では、せーので開けよう!


 ガードの魔法をかけた二人は、それぞれ談話室の扉を慎重に開ける!


 そこにはなんと!!


「虫‥‥‥?」


「えっ」


 談話室には全身真っ白で、大きなスズメバチのような虫がいた。


「お、お前、まさか!」


 ユーリは魔術の本が開かれている事に気づき、慌ててそこを読んだ!


「ガルシア様! どうやら毒虫に変身する魔術を使ったようですよ! シリウス様? が?」


 そう言うとユーリは魔術書を閉じ、備え付けの紐でぐるぐる巻きに縛った!


「シリウスか! おい、シリウス! 聞こえているなら返事をしろ!」


 シリウス(らしき虫)は大声で叫んだ!


「ガルジアざばぁ〜!! だずげでくだざいー!! もうユーリを馬鹿にじたり、フランシスを馬鹿にしたりじばぜんがらぁ!!」


 気のせいかシリウスは泣いているようにも見えた。


「あぁ、やはりシリウスだったのか‥‥‥」


『アロヌメラーレ!』


 ボフンと言う音を立てて、ユーリの代わりにフランシスが出てきた。


「フランシス?」


「ははっ、どうやらシリウス君はこの魔術書を開けてしまったようだね。その魔法は少し特殊でね、一種の呪いのような魔法なんだ。この魔術書にはそういった呪文が沢山書かれてるんだ。だから扱いこなせるユーリに渡したのになぁ、どうして開けてしまうかなあ?」


 ガルシアは慌てたようにフランシスを止める。


「お、おい、フランシス!」


 やべえ! フランシスのやつめっちゃ怒ってるじゃん。顔は笑っているが、内心では(はらわた)が煮えくりかえった時の顔だ!


「シリウス君。いやシリウス、君のような命知らずな奴は僕は嫌いなんだ。ガルシアだけではなく、僕の息子まで‥‥‥。君が安易な動機でかけた魔術に()って傷付いていたかもしれない!!」


 ゴオオオオ、と音を立ててフランシスの周りを黒い炎が取り巻く!


「フランシス!!」


 怒りに燃えたフランシスには、もうガルシアの声も届いていない!


「シリウス。その魔法の解呪の仕方は僕が知っている! でも君が反省するまで解呪するわけにはいかない! その姿でしばらく反省しろ」


「はぁ!? こ、この私に向かってなんという生意気な口の利き方だ!」


『スピーヌム!!』


 黒い炎がフランシスの手から放たれ、シリウスに直撃した!


「ぎゃー!!」


 ドサッと音を立てて、シリウスはそのまま気絶してしまった。


「今僕がかけた魔法は死なないから安心しろ」


 フランシスはシリウスを足蹴にしながらそう吐き捨てるように言い放つ。


「フ、フランシス‥‥‥」


 しばらくシリウスの腹を足蹴にしていたフランシスだったが、ハッと目が覚めたかのようにこちらを振り向く。


「うわわわ! ひょっとして僕またやっちゃった?!」


 ガルシアはふーっと長いため息を吐いた。


「ああ、久しぶりにな‥‥‥。黒い炎も出てたぞ」


 それを聞いて青ざめるフランシス。


「ああ、どうしよう! どうしようーガルシア!」


 フランシスは頭を抱えた。


「知らねぇよ! 俺に聞くな!」


 シリウスは情け無い事に、スズメバチに変身したまままるで夏の終わりの蝉のように裏返り、そのまま固まって動けなくなってしまった。


 ぶくぶく泡を吐きながら‥‥‥



シリウス可哀想すぎて好きだよ!

だがそろそろシリウスに怒られないかと心配(私が)


普段優しい人は怒らせるとめっちゃ怖い!

ユーリが二重人格なのも、もしかしたらフランシスの遺伝か??


ここまでお読みくださってありがとうございます。



フランシス怖!怒らせるま!と思った方は広告の下にある☆に点を付けて行ってくださいね!シリウスwwwwwwと思った方は私と一緒にシリウスに怒られましょう。


ご拝読ありがとうございました。また読んでくださいね!

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