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ヴァレリアとアナスタシア  作者: 杉野仁美
第一章 ヴァレリアとアナスタシア
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バルカ城にて

ヴァレリア(アナスタシア)がほぼノープランで冒険に出たため急に魔物に遭遇する事になる

慌てて何もできないヴァレリア

そこをたまたま通りがかった赤い大男が助けてくれる


一方、バルカ城では、王子がむしゃくしゃしていた......

 ヴァレリア(アナスタシア)が赤い大男に遭遇してしばらく、バルカ城にて......


 レクターは政務に少しも身が入らないでいた。


 あの時見たヴァレリアの笑顔が忘れられない。


 何故だ?ヴァレリアの事は今までどうでもよかったはず、むしろ疎ましかった。


 禁足にするほど、顔を見るのも嫌だったはず、なのに。


 城とは縁遠い、まるで戦士のような見なりをして、馬を乗りこなし、マントを翻し、女中に笑いかけるヴァレリア。


 前までは、あの下品な緋色の髪が気に入らなかった。

瞳の色も、紫なんて悪魔の目の色じゃないかと思っていた。

それに紫の瞳を持つ者には......


 侯爵家の娘でなければ、恐らく見向きもしなかっただろう。爵位があれば、婚約者など誰でもいい。


 そういえば、前に婚約者候補の皆を集めた宴で、あの者は踊りを踊っていたな。

 周りの婚約者候補達が刺繍や絵画、書などを披露する中、あの者はまるで意に介さず舞っていた。


 特技がそれ以外ないのだろうと見ていなかったが、確かに物珍しかった。

 そういえばアナスタシアが目を輝かせて見とれていた。


 クソ、もう少し見ておけばよかった。


 だが何故今頃?

 俺は見たいのか?

 ヴァレリアの舞を......?


「うーーーーむ!!!!」


 ガシガシと頭を掻きむしっていると、ノックの音が聞こえ、シリウスが入ってきた。


「ふむ、その様子だと昨日から進んでいないようですね」


 シリウスが机の上に山積みになった資料を見ながら、お茶を運んで来た。


「あのお嬢様が気になるので?でもあのお嬢様は王子も疎んでいたはずでは?」


「......そう、だったんだが、昨日、あいつを見送るまでは」


 胸のざわつきが収めらない。


「......決めた、俺は少しヴァレリアの様子を見てくる」


「えっ??」


 この違和感の正体を突き止めるには、ヴァレリアと直接会わない事にはどうしようも無い。


「というわけで後はよろしく!」


「ちょ、ちょっと待ってください王子!! いくらなんでもわがままが過ぎますよ!」


「もう決めたのだ! 俺は、一度決めたら動かんからな、後の事は弟に任せる」


「あ、待ってください王子! 王子!!」


 紅茶を持ったまま佇むシリウスと、机上に山積みになった資料を残して、王子は窓から出て行った。


「ハァ〜......相変わらず勝手なお方だ」


王子もヴァレリアの事が気になってきてますが、本人は無自覚です。


ここまでお読みくださってありがとうございます!


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