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アレクシス王都へ

 次の日、朝起きて出掛ける準備をしてからくっきーを抱っこして食堂へ行き朝ごはんを食べる。朝ごはんを食べ終わったら、宿を出る手続きをして貰い宿を出る。


 南門へ向かう。南門に着くと門番さんに手続きをして貰い外に出る。またくっきーが鑑定魔法を掛けてくれたので、採取をしながら王都へ向かう。


「洞窟の魔物を倒したから少しは減っているといいね」


『そうくまね~。でもまだいそうな感じだから浄化しながら歩いて行くくまよ~』


「そうだね~」


 ぽてぽてとくっきーを抱っこして歩いて、薬草など採取する物を見つけた時はくっきーを降ろして採取をする。採取をしたあとはまたくっきーを抱っこして歩き出す。これの繰り返しなんだけど……。


 私が採取をしている時のくっきーがとっても可愛いのっ! きゅっきゅっておしりとしっぽをふりふりして踊っているみたいなんだよ!


 一応、応援してくれているみたいなんだけど、気が散るからね? 可愛くてむぎゅうってしたくなっちゃうんだよ? 


 だからつい採取をがんばってさくっと終わらせちゃうんだけどね。くっきーが歩いているときゅっきゅって音がする感じで可愛いんだよね。頭の中で効果音付けてる時があったりする。小さい子のぴっぴサンダルみたいに。


「そういえば、王都に向かう途中でも洞窟とかおかしなところがあったら寄って行こうね」


『そうくまね。この国で何か起きているみたいだから浄化しながら行こうくま~』


 クロサイトの街から王都へは、クロサイトの街から南へ下ってから東の方向へ歩いて行くとあるみたい。まぁ、道はくっきーにお願いして私は気ままに採取して歩いているだけなんだけどね。


『サラ、疲れてないくま?』


「うん、全然大丈夫だよ。身体は小さくなったはずなのに、なぜか体力は増えている感じなんだよね~」


『よかったくま。疲れたらすぐに言ってくまよ~』


「うん、ありがとうね」


 歩いている間も次から次へと動物さん達が、ドロップ品とか果物を持ってきてくれる。お礼を言って撫でられる子はなでなでさせて貰っている。今まで触った事がない動物さんとかもいてすごく癒される。


 のんびり歩いていると、くっきーがおかしな気配を感じるというので、そちらに向かって行くと洞窟があった。洞窟の前にはやっぱり大量のドロップ品が散らばっている。


「またあったね」


『そうくまね。中も確認してこようくま』


 くっきーを抱っこして洞窟の中に入る。中に入ってくっきーが明るくしてくれると、やっぱり大量のドロップ品が散らばっている。


 アイテムを回収しつつ、先を目指すと一番奥に着いた。一番奥は更にドロップ品が多い感じがする。くっきーがアイテムを回収してくれている間に私は魔石を探す。ここはどこにあるかなぁ。


 アイテムの回収を終えたくっきーも魔石を一緒に探しているけれど、なかなか見つからない。


『あったくま!』


「良かった、見つかったんだね。これで魔物が増える事がないと良いのだけど……」


『そうくまね』


 洞窟を出た所で、お昼ごはんにする。パンと果物を出して貰ってくっきーと半分こして食べる。今日の果物はマンゴーみたいでとろりと甘くて美味しかった。


「この果物美味しいね!」


『甘くって美味しいのくま~』


 少しゆっくり休憩してから、また王都に向けて歩き出す。今日中に着かないかもしれないね。


「そういえば、テントとか買ってくればよかったかなぁ」


『くま? そういえば、お泊り用品を買い忘れたくまね。でもぼくに任せてくま』


「ん? うん、分かった。くっきーに任せるね」


 その後も薬草などを採取しながら、王都に向けてぽてぽてと歩いて行く。


「王都はどんな所なんだろうね」


『楽しみくまね』


「うんっ!」


 やっぱり今日中に王都に着けなかったので、野営する事にする。くっきーにコンロとか調理道具を出して貰い、お野菜のスープを作ろう。

 後は、お肉があるからお肉を薄く切って塩胡椒で焼いて食べよう。スープでお腹いっぱいになりそうだからパンはいらないかな。


 くっきーにもスープとお肉をお皿に入れて渡してあげる。くっきーが木を拾って焚火をしてくれたので、焚火に当たって2人でご飯を食べる。


『スープもお肉もおいしいくまっ!』


「お肉美味しいね~。それにスープは身体が温まるからいいね」


『そうくまね~』


 美味しくご飯を食べたら、くっきーがクリーン魔法を掛けてくれた。


「お茶とかお茶菓子が欲しいね」


『ふふ、サラはお茶が好きくま?』


「うん、お茶好きなんだよね。王都にあるといいなぁ」


『あるといいくまね』


「明日は王都に着けるといいね」


『ここからはもうそんなに遠くないから明日には着けるくまよ』


「そうなんだ~」


 そろそろ寝ようと思うけれど、くっきーはどうするんだろう?


「そろそろ寝ようか? でも、どこで寝る?」


『まっててくまよ』


 そういうとくっきーは大きくなった。大きくなったくっきーが私を抱っこしてくれて、そのままごろんと横になった。


(きゃー! くっきーに抱っこして貰っちゃった! もふもふ気持ちいい~!!)


『サラ、これなら温かいと思うくま』


「わぁ、これはステキな場所だね!」


 もふもふのお腹にぽてんと顔を埋めてすりすりする。更にくっきーが手と足をそぉっと私の上に乗せてくれて、お布団にまでなってくれている。

 

「もふもふのぬくぬくで幸せすぎる~!」


『ふふっ、結界も張っているいるから安心して寝るといいくまよ~』


「くっきー、ありがとうね」


 ふわっふわの身体とくっきーの体温ですぐに眠くなってぐっすり寝てしまった。


 次の日、起きようと思っても気持ち良くて、なかなかこのふわふわから抜け出せなかった。


「うぅ、気持ち良くてこのままいたいよぉ」


『くふふ、サラはふわふわが好きくまね』


「それにくっきーだから安心感が違うんだよ~」


『それは嬉しいくまね』


 思いっきりすりすりしてから、がんばって抜け出した! でもやっぱり気持ち良くてもう一度むぎゅーっと抱き着いちゃった。


 起きると、焚火の隣にドロップ品が山になっていた。これは一体?


『夜のうちに動物達がドロップ品を集めてくれたくまよ』


「えぇぇ!? あんなに集めてくれたなんて、大変だったね」


『ふふ、でもみんなサラに会いたかったみたいくまよ。みんなアイテムを置いては、ちらちらとサラを見ていたくま』


「そうなの?」


『ぼくが一緒にいる子が気になるのと、なでなでして欲しかったみたいくまよ』


「なんてことっ!? それはなでなでしたかった!」


『くふふ。昼間に来たら良いよって言ってあるくまよ』


「わぁい、くっきーありがとう!」


 動物達をなでなで出来るだなんて、なんて素晴らしいご褒美だろう。


(ふふふ、もふもふなでなでしたいから、昼間においでー!)



 昨日のスープを温かいうちにくっきーに仕舞っておいてもらったので、朝から温かいスープが飲めるのは嬉しい。くっきーと一緒にスープを食べてお片付けをしたら、くっきーを抱っこして王都を目指して歩き出す。


 今日もくっきーが鑑定を掛けてくれたので、採取しながらがんばろー!


 ぽてぽてと採取しながら歩いていると……。


『サラ、もうすぐ王都が見えるかもくま』


「わぁ、楽しみっ!」


 くっきーに教えて貰ってから少しすると、王都が見えてきた。やっぱり王都だからか大きな街だ。見えてから街に着くまで更に1時間掛かったけど、無事に王都に着いたー!


 結局昨日の所から歩いて着いたのはお昼を過ぎてからだった。


「無事に王都に着いたね~」


『そうくまね。サラ、お疲れ様くまよ』


 門番さんに手続きをして貰ったら王都の中に入る。王都に入ると、すぐにお洋服屋さんを見つけた。


『あっ! お洋服買いに行くくまよ』


「えっ!? でも急がないとじゃ?」


『お洋服買うくらいの時間はきっと大丈夫くまよ! それに着替えがないと困るくまよ?』


 くっきーがそう言ってくれたので、お洋服を少しだけ見てから行こう。


「こんにちは。見せて貰って良いですか?」


「こんにちは。ごゆっくりどうぞ~……ってお客様! え、選ばせて頂いてもいいですか?!」


「えぇ?!」


『くふふ、サラに似合うの選んでくれるくま?』


「もちろんです! もう、なんだって似合いそうですけど! ぜひ可愛いのにしましょう!」


 店員のお姉さんの圧が凄くて、もうお任せするしかなかった。


『くふふ、ぼくも一緒に選ぶくまよー!』


「えぇ、ぜひ2人で可愛く仕上げましょう!」


『ふふ、分かってるくまね!』


「えっと、あの……落ち着いて?」


『サラは早く着替えてくるくまよ!』


「えぇ、こちらでお着替えをして全部見せてくださいね!」


「は、はい……」


(全部ってどれくらいあるんだろう……?)


 もうお任せして、着せ替え人形に徹する事にする。ひたすら着替えて見せてを繰り返し、さすがにそろそろ疲れてきた……。


「あ、あの……そろそろ?」


「はいっ! これで最後です!」


「よ、良かったです……」


『サラは何でも似合うから迷っちゃったくまよ』


「でも、くっきー。お金足りるかな?」


『何言っているくま。クロサイトの街でいっぱい買い取って貰ったから余裕くまよ?』


「そうなんだ、良かった。でも、こんなにいるかな?」


『もちろんくま! サラは可愛い恰好している方がいいくま!』


「さすがです!」


 くっきーもお姉さんも止まらないので、あきらめよう。ついでに下着類も購入させて貰った。そしてお洋服はやっぱり大量でした。数えきれないくらい買ったけど……がんばって毎日着よう!



 お洋服屋さんを出たら、もう日が傾いてきていた。私はくっきーを抱っこして王都の中心に向かって歩いて行くと、ローズ亭を見つけた。宿も空いていたので、手続きをして貰い鍵を貰う。そのまま食堂でお夕飯を食べてから、部屋に行こう。


 部屋に入って、くっきーにクリーン魔法を掛けて貰ってからベッドに座る。


「明日は冒険者ギルドのギルマスにお話しを聞いてみないとだね」


『そうくまね。国王様にも会わないとなのくまよ』


「後は外に出ている間のご飯を少し買っておきたいね」


『そうくまね』


 明日の予定が決まったので、くっきーを抱っこしておやすみなさい!

読んで頂きありがとうございます。

ブックマークや☆の応援もありがとうございます、更新の励みになります。


明日は国王様の所へ行きます。

楽しく読んで頂けたら嬉しいです。

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