山の浄化2
洞窟の外に出て、お昼ごはんを食べよう。くっきーにアイテムボックスから出して貰おう。
「くっきー、お昼ごはん出して貰って良いかな?」
『任せるくま~。今日はこれくまっ!』
お肉を挟んだパンとスープを出して貰って、ご飯の準備をしてみんなで食べ始める。
「ジークさんもレイナさんも、街にいる間あんまり食べてなさそうだから、沢山食べて下さいね」
「ふふっ、ありがとうございます」
「サラ様の作ってくださるご飯は、とても美味しいので嬉しいです」
褒めて貰えて私も嬉しいです! 今日はこのまま山の反対側も様子を見る予定です。
「山の反対側を見て、そのまま外で泊って他の所も見てきますか?」
「サラ様、それは止めた方が良いと思います」
「そうですね。夜にサラ様がいなかったら、街のみなさんが心配して捜索隊を出しますよ?」
そうレイナさんとジークさんに言われてびっくりです。
「えぇぇぇ?!」
「ふふっ、サラ様はサントーンの街で大人気ですからね!」
「えっ? そんな事ないよ!?」
『ふふっ、サラは大人気なのくまよ~!』
「えぇぇっ!」
なんかそんな認識をされているらしいので、夜はきちんと帰りましょう! ということになった。なんでだろう?
明日また朝から他の所を周って街の周辺を安全にすることになった。今日は山の反対まで早めに行動して安全を確保してから、街へさくっと帰るみたいです。
時間もあんまりないので、ささっと移動する事になった。大きくなったくっきーに乗せて貰って、移動を開始する。山の反対側に着くと、段々ドロップ品の数が減ってきた。
「ドロップ品の数が減って来たね」
『そうくまね。これなら大丈夫そうくまね~』
「うん、良かったね!」
「では、くっきー様、サラ様。このまま街へ戻りましょう」
『分かったくま』
山をぐるっと回って街へ帰る。途中で休憩も挟みつつ、なんとか暗くなる前に街にたどり着いた。門番さんに中に入れて貰うと、色々な所で声を掛けられた。
うん、なんだか心配かけちゃったみたい? 本当に捜索隊出されそうな勢いでした。どうしてそうなったんだろう……?
冒険者ギルドと商業ギルドの倉庫に寄って、アイテムを大量に出してきた。うん、これだけあれば街の復興も出来るかな。そして、出来たら内緒でお願いしますとも言っておくのは忘れない!
お夕飯をみんなが作っていたので、私もお手伝いをする。その後は、私もご飯を貰いくっきーと一緒に食べる。
「スープ美味しいね」
『美味しいくまね~』
お家が直った人から自宅で寝られるようになったので、ギルドの地下で寝る人が少し減った気がする。また私達はギルドの片隅で、大きくなったくっきーに抱っこして貰っておやすみなさい。
次の日起きて準備をしてから作業台に行くと、もうみんな準備が終わっていた。みんなが協力してやってくれるので、とても助かります。
今日はサントーンの街の周りをぐるりと1周回って、安全の確認をするんだそう。大きくなったくっきーに乗せて貰い走り回る。くっきーはアイテムを仕舞いながらだから大変そうだ。思わず頭をなでなでしちゃう。
『くふふ、なにくま?』
「うん、くっきーはアイテムも仕舞って、私も乗せて大変だから、ありがとうのなでなでしちゃった」
『嬉しいくま~!』
休憩になると、ジークさんとレイナさんとお話をする。
「今日で街の周りの安全が確認出来ましたけれど、明日からはどうしますか?」
「今日中に王城との連絡を終わらせて、明日はフローリアの街を見に行く予定です。フローリアは連絡は取れるものの、外に誰も出られないと言っていたのでちょっと心配なんです」
「それは大変ですね。では、もう少しよろしくお願いしますね!」
レイナさんが言うには、フローリアの街の周りも大変な事になっているみたいだ。それは早く行ってあげないと心配だね!
「今回はくっきーが薬草を持っているから、途中で採取しないで急ぎましょうか」
「そうですね。でもサラ様、無理をしないようにしてくださいね」
「大丈夫ですよ。私より、お2人の方が心配です」
『ぼくとサラは結構のんびりくまよ』
「ねー!」
「ふふっ、ありがとうございます。国王様のあの無茶ぶりに比べたら全然楽ですよ?」
「えっ!? あれっ……そういえば……近衛騎士って言ってましたよね?」
「えぇ、そうですね」
「近衛……あーっ!! も、もしかして国王様を守る騎士さんですか?!」
「そうですね」
「うわぁ……ごめんなさいっ! 騎士さんっていうだけでドキドキしていて、何も考えてませんでした……っていうか国王様の側を離れて大丈夫なんですか?!」
「サラ様、大丈夫ですよ。それだけくっきー様もサラ様も重要な方なんですよ。それに近衛騎士はまだ何人もいますからね」
「それにくっきー様とサラ様の護衛も、あんまり色々な人に話すわけにもいきませんでしたからね」
「うぅ、ジークさんもレイナさんもありがとうございます」
護衛に就いてくれたジークさんとレイナさんに感謝しかないね。本当にとても助かってます。2人がいなかったらここまで順調に街の協力は得られなかっただろうしね。
『ふふ、サラは自分の価値が分かってないから困るくまね~』
「えっ? どういうこと?」
『ぼくはサラがいなかったら、人の助けはこんなに出来ないのくまよ』
「そうなの?」
『ぼくが1人でどこかの国だけに力を入れたら、戦争が起きたり大変な事になるくま。だから神獣は平等なのくまよ』
「そうなんだ。あれ? でも今は浄化したりお手伝いしてるよね?」
『そうくまね、それはサラがいるからくまよ。だから神獣の友愛のスキルを持つ者を聖女って呼んでいたくまね』
「そ、そうなんだ……」
「サラ様がいなかったらサントーンの街は滅んでいたでしょうね」
「そんなっ……」
『そうくまね。ぼくはサラの為なら1つの国に肩入れも出来るくま。だから助けられたくまよ』
神獣様も大変なんだね。助けたくても自由に助ける事も難しいんだね。くっきーが言うには3つの国があって、それぞれに朱雀と白虎がいるんだって。
だけど、国を助ける為にいるわけではないらしい……神獣様の世界も色々と制約があって大変なんだね。
今回は、私がくっきーの友愛スキルを持っているから、くっきーは私がいるこの国を守る事も助ける事も出来るんだって。
「そうなんだ……くっきー、力を貸してくれてありがとう。ジークさんもレイナさんも国王様をお守りする使命があるのに、私を助けてくれてありがとうございます!」
「サラ様は自由にで良いのですよ」
「そうですね。サラ様は自由に動いて頂いて大丈夫です。私共がサポートするのでお任せ下さい」
「ふふっ、レイナさんもジークさんも頼りになりすぎですよ。甘えまくって私、この後大丈夫か心配になっちゃいますよ」
「それにサラ様なら、悪い事に力を使わない事は分かっているので大丈夫です」
「そうですね。サラ様は美味しい物ばかりになりそうです!」
「ふふっ、確かに悪い事にくっきーの力を悪い事に使う事はないですね! でも、美味しい物は沢山上げちゃいそうですけどね」
『ぼくは役得くまね~!』
「ふふっ」
みんなでお話して、ちょっと安心できた。そんなにくまの友愛スキルが大事だとは思わなかった……。本当に気を付けないといけないのだね。
そして近衛騎士って聞き流していた私のばかー! そんな凄い人達なのに……。食いしん坊さんとか言ってよかったのー!?
(うぅ……頭の中がパンクしそうだ)
サントーンの街を1周回って安全を確かめてきた。これで明日は安心してフローリアの街へ行けるね。
また拾ってきたドロップ品はギルドの倉庫に入れてきた。お肉も大量にあったからこれで大分持つかな?
今日はお夕飯の準備をしながら、明日この街を出る事を子供達にも伝えた。みんなにやだーって言って貰えて私も嬉しい。
「サラ様、本当にこの街の為にありがとうございました」
「いえいえ、まだ復興に時間が掛かると思いますが、街の周辺の魔物はほとんどいないと思うので頑張ってくださいね」
「ありがとうございます!」
みんなで楽しくご飯を食べて、夜はまたくっきーと一緒に寝る。
「ふふっ」
『どうしたくま?』
「うん、また元気に復興した姿を見に来たいなって思ったんだ」
『そうくまね。また今度遊びに来るくまよ~』
「うん、また一緒に来ようね!」
『もちろんくまっ!』
「おやすみなさい」
『サラ、おやすみくまよ』
明日は、フローリアの街だね。
いつも読んで頂きありがとうございます。
ブックマークや☆の応援もありがとうございます、更新の励みになります。
明日はフローリアの街へ向かいます。
楽しく読んで頂けたら嬉しいです。




