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子供達にパンケーキを焼こう!

 くっきーの背中に乗ってサントーンの街へ向かう。少し走るともうサントーンの街だ。門番さんに中に入れて貰うと、冒険者ギルドのある所までくっきーを抱っこして向かう。


「サラ様! ご無事でしたか」


「ジークさん、ただいまです。大丈夫ですよ~」


 よっぽど心配を掛けたみたいで、かなり申し訳なくなってしまった……。


「王都からの支援は届きましたか?」


「それがまだなんですよね。もうそろそろ着いてもいいとは思うのですが……」


「よし、ではお昼ごはんを作っちゃいましょうか!」


「サラ様、お昼はみんな食べないで働けますから大丈夫ですよ」


「えぇぇ?! でもみなさん力仕事なのに?」


「それが、朝ごはんで元気いっぱいになったみたいで、みんな大張り切りなんです」


「わぁ、そうなんですね。だったら子供達におやつを作ってあげてもいいですか?」


「おやつですか? それはきっとみんな喜びますね」


 許可を得たので、子供達のおやつを作ろう。今回はパンケーキを焼くよー! でもその前にベリーソースを作ろう。


 くっきーに木苺とお砂糖を出して貰い、クリーンをかけて貰ってからお鍋にお砂糖と一緒に入れる。火にかけてベリーソースを作る。とっても甘酸っぱい美味しそうな香り!


 小麦粉、卵、牛乳、お砂糖、くっきーが見つけてくれた木の実でパンケーキを焼いて行く。近くで作業していた人が鉄板を火にかけてくれたので、次々にパンケーキを焼いていく。焼いていると、女の子が近寄って来た。


「サラさまは何をしているんですか?」


「今、おやつを作っているので、子供達を呼んできて貰っていいかな?」


「おやつ!? 行ってきます!」


 言っている私も子供だけど、子供が見に来たのでみんなを呼んで貰うようにお願いをした。その間にもパンケーキをどんどん焼いて行く。2つ先に仕上げてから、くっきーのアイテムボックスに仕舞っておいて貰う。後でジークさんとレイナさんにあげよう!


「サラさま~」


「サラしゃま~」


(うん、小さい子に呼ばれるのきゅんってしちゃうよ~)


「みんなでおやつを食べようね。もう少し待っていてね」


「あいっ!」

「はいっ!」


(わぁ、かわいいよ~!!)


 パンケーキを焼いている間に、お皿に乗せてベリーソースを掛ける。


「わぁ、サラ様。美味しそうですね! 盛り付けを手伝いますね」


「ありがとうございます」


 焼くのも盛り付けも、街のお母さん達が手伝ってくれる。子供達が喜んでくれるといいなぁ。小さい子はお母さんと一緒に、少し大きい子は自分で運んで食べて貰う。


「サラさま、おいしいっ!」


「サラしゃま、おいち!」


「おいしいですっ!」


「ふふっ、まだあるから沢山食べてね!」


『いっぱい食べるくまよ~』


「ふふっ、可愛いね!」


『そうくまね~!』


 みんなに渡ったみたいなので、くっきーにも食べさせてあげよう。お皿に乗せて、切り分けてあげる。


「くっきーもお疲れ様でした。はい、あーんっ!」


『くふふっ、甘酸っぱくておいしいくま~!!』


「ふふ、くっきーが沢山採ってくれたからだよ、ありがとうね。みんな喜んでくれて良かったね!」


『くふふ、嬉しいくまね!』


 みんなにこにこで食べてくれている。少しでも元気が出てくれたら良いな。まだまだ復興に時間が掛かるだろうけど、元気に頑張って欲しい。


「サラ様、支援が届きました!」


「ジークさん、教えてくれてありがとうございます! 良かったですね!」


 ジークさんが支援物資が届いたと教えに来てくれた。今日山まで行けるかな? でも、明日にした方が良さそうだね


「ジークさん、山の浄化は明日にしますか? まだ、レイナさんも来ませんしね」


「そうですね。明日にしましょうか。サラ様は少し休憩していて下さいね」


「はい。お手伝いが必要な時は呼んで下さいね」


 さて、今日はどうしようか。私に何か手伝える事はあるかなぁ? ちょっとレイナさんの様子を見に行こうかな。


 くっきーを抱っこして、商業ギルドへ向かう。商業ギルドに入ると、ギルドの建物を修理している人達が沢山いる。私に気が付くと、みんな挨拶をしてくれる。


「サラ様、お疲れ様です!」


「お疲れ様です。気を付けて作業をしてくださいね」


 修理している人達に声を掛けられながら中に進んで行くと、カウンターの中にレイナさんを見つけた。


「レイナさん、お疲れ様です。何かお手伝いありますか?」


「サラ様! 今は連絡待ちなので大丈夫ですよ」


「何かやる事があったら言ってくださいね。後、支援が届きましたよ。それで、今日はもう遅くなってしまったので、山には明日行く事になりました~」


「はい、分かりました。ありがとうございます」


「それで、レイナさんはご飯を食べました?」


「いいえ。午前中は連絡が沢山あったのでまだですね」


 くっきーのアイテムボックスからパンケーキを出して貰ってレイナさんに渡す。


「はい、どうぞ。今日の子供達のおやつだったのですが、レイナさんの分とジークさんの分も作っておいたんです。こっそり食べてくださいね」


「わぁ、美味しそうです! ふふっ、こっそり食べちゃいますね」


『くふふっ、それ美味しかったくまよ!』


「それは楽しみです! サラ様、ありがとうございます」


 忙しそうなので、商業ギルドを後にしたけれど……これから何をしよう?


「くっきー、これからどうしようか?」


『そうくまねぇ』


「お夕飯の準備しちゃおうか!」


『それが良いかもしれないくまね!』


 私がいても特に手伝える事がないので、みんなのご飯の準備をするのが一番いい気がする。さっき採って来た山芋は何にしようかなぁ。


「今日採って来た山芋でお料理しようか」


『それは良いくまね。身体に良いって言ってたくまね』


「うんうん。摺り下ろしたいけどこの量はきついかなぁ……」


『すりおろすくま?』


「うん、こまかーくしたいけどさすがにこんなにあると難しいかなって思って……」


『魔法でやるくま?』


「えっ、出来るの!?」


『任せるくま~』


 大きなボウルに山芋の皮をむいて入れていく。くっきーに細かくして貰っている間に、キャベツを刻む。他のお野菜も小さく刻んで、後はチーズも入れちゃおう!


 焼いたらそのまま食べられるように、味付けもしようかな。小さい子用にも少し取っておいてチーズだけで味付けにしよう。大きなボウル5個に出来たので、後で鉄板で焼こう!


 後は、またスープにしようかな。考えていたらジークさんが来た。


「サラ様。野菜などが届きましたが、何があるか見てみますか?」


「わぁ、お願いします!」


 くっきーを抱っこしてジークさんと王都から来た野菜を見に行く。お肉も後で鉄板で焼いてもらうから、後はスープが作れればいい。なるべく野菜は少しずつ使わないと足りなくなってしまう。


 馬車から降ろした野菜を見てみると、結構な量の野菜があった。くっきーがお肉を沢山持っているから、野菜を多めにして貰ったからだろう。


 少しお野菜を貰って行ってスープにしよう。今日は山芋のお好み焼き風とお肉があるから、スープにお団子入れなくて大丈夫かな? 


 お野菜を持って行こうと思ったら、ジークさんが持ってくれた。ありがとうございます!


「サラ様。今日は何を作るのですか?」


「今日は山芋を採って来たのでお焼きにするのと、お肉とスープですね~」


「また美味しそうですね」


「そうだ、ジークさんはご飯食べましたか?」


「いいえ、まだですね」


「じゃぁ、今日作ったパンケーキをどうぞ。作業台の辺りならこそっと食べられますから!」


「ふふっ、ありがとうございます」


 作業台に野菜を置いてくれたので、くっきーにパンケーキを出して貰いジークさんに渡して貰う。私はお野菜を刻んでスープを作ろう。今日も大鍋5個に作ったら良いかな。


「サラ様、これは美味しいですね」


「今日採って来たベリーと木の実を使ったんです。ジークさんも食べないと体力が持たなくなってしまうので、ちゃんと食べて下さいね」


「ありがとうございます」


 そう言いながらも、くっきーの視線に勝てなかったジークさんは、くっきーのお口にパンケーキを運んでいる。


「くっきー、ジークさんのだよ~」


『くふふ。だって美味しかったのくまよ』


「よし、私はこの美味しそうなくっきーをあーん!」


『きゃーくま!』


「くっきーは、アイテムボックスにあるクッキーを食べていいよ?」


『ふふ、サラ大好きくま~』


「だからパンケーキはジークさんにあげてね」


『くまっ!』


 はいっ! と手を元気に上げるくっきーが可愛かった。くっきーの可愛い仕草で癒されたので、スープを作っていこう!


「サラ様、ごちそうさまでした。ではまた作業をしてきます」


「はい、頑張ってくださいね!」


 私がスープを作っていると、私を見つけた人達が次々にお手伝いに入ってくれる。とっても有難いです。みんなでわいわいスープを作る。一緒に来ていた小さい子達はくっきーと一緒に遊んでいる。


(可愛いです、癒されるです~!!)


 スープが出来たらみなさんで少し休憩です! 沢山お手伝いをして貰ったので、思ったよりも早く作り終わる事が出来ました。

いつも読んで頂きありがとうございます。

ブックマークや☆の応援もありがとうございます、更新の励みになります。


明日は山の浄化へ向かいます。

楽しく読んで頂けたら嬉しいです。

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