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「いえ、偵察部隊の1人が聞いた話でわ、その」
リザは話しにくそうに巫杜を見ていた。
(あれ?私を見てる私何かしたかな?)
「なにしてるのリザ! 早く話なさい!」
マリアに言われリザは話し始めた。
「わかりました! 報告を続けます。
鉄の門を指一本で粉砕する、化け物女に勝てるわけがない!!!
砦まで撤退だぁ! だそうです」
(ゆびいっぽん! バケモノ女ぁ!!)
巫杜は両手拳を握りしめ肩を震わせていた。
「そ、そうだったの。私は1人恥ずかしい事を言ってたのね」
マリアは熊達が行動開始したと勘違いし作戦開始の合図をだした時の事を思い出し頬を赤く染めていた。
「そうですね。私まで恥ずかしかったですよ」
「それは 悪かったわね。けど巫杜が門を壊したのは指一本だったかしら?」
「違います!!!ちゃんと殴ったし! 指一本じゃないわよ!!!それに粉砕ってなによ!
おもいっきり壁に刺さってるじゃない! あれの何処が粉砕よ!!!」
巫杜は殴り飛ばし壁に突き刺さった鉄の門を指さしていた。
「巫杜落ち着くのよ! 誰かから得た情報は、何処かでねじまがるものよ」
(鉄の門が壁に突き刺さるだけでも凄いんだけど。今の巫杜には言わない方がいいわね)
マリアに言われても巫杜は怒りが収まらなかった。
「ふふ、あのクマこうどもぉ 覚えてなさいよぉ根絶やしにしてやるんだからぁ!!」
「巫杜戦ってくれるのは嬉しいけど、動物達は元々人間なのよ。
だから根絶やしにされたら困るのよ!」
私はマリアの動物達は元々人と言う言葉で、少しだけ冷静になれた。そう少しだけ。
「わかりました。半殺しで勘弁してあげます!!!」
マリアは胸元で手をポンっと叩きホットし話した。
「そう、わかってくれたのね。
って!!半殺も困るんだけど。
まぁ根絶やしよりは、ましだからいいかしらね」
「いえ半殺しもダメです」
リザが冷静に話すと巫杜とマリアは同時に話した。
「冗談よ!冗談!」
「そう」(冗談に聞こえなかったんだけど。
まぁいいわ話進まないし)
リザは深いため息をついた後
表情を整え落ち着いて話した。
「隊長、熊達もおりませんし、部下達に命令解除をさせ休ませたいのですが。
よろしいですか?」
「そうね。それでかまわないわ」
「了解しました」
リザは部下達に休憩の指示を出した。
「巫杜落ち着いたのなら町の中に入りましょう」
壁に突き刺さった鉄の門の横を抜け町の奥に進んだ。
町の建物は白一色で統一され、町全体には水路が無数にあり太陽の光が水路の水面に反射し水路全体がキラキラと輝いていた。
「きれい」
「そうでしょ! この町はルーインズフィールといってね。
広場には大きな噴水もあるのよ。我が国でわ有名な観光地だったんだけど、熊達に奪われてしまってね」
マリアが話し終えると聞き覚えのない声がマリアを呼んだ。
「マリアお姉さま、準備ができましたわ!」