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呼ばれる事はないと思ってたのに。
ねぇ。
ゆっくり寝かせてって言ったよね?
なんで今日も呼ばれてるの?
いつもの白い部屋。
いつもの椅子に座るルーク。
ため息1つついて椅子に座る。
「遅かったな。」
「宿題してたら寝るのが遅くなって。って毎日は無理って言ったよね?」
「それよりもリョウに俺の領地を見てほしいんだ。」
「は?」
私の文句をそれよりもで片付けて自分の領地をみろ?
「私学生だから領地の事わからない。」
「観光と思えばいい。いいからこい!」
手首を掴まれたと思ったら街の中にいた。
なっ⁈何いきなりどゆことさ?
いやいやいや。
「神が配慮してくれている。現実は夜だが昼間の領地を見せてくれるから。それと俺達は普通に見てまわるが他の奴らからは見えていない。見えていないから買ったりはできないぞ。リョウはともかく俺が見つかるとうるさいし案内出来なくなるからな。我慢してくれ。・・・その服も似合っている。」
みると街娘が着るようなワンピースにウエストには刺繍された飾り帯が結ばれている。
刺繍してある飾り帯は成人の証。
未成年は飾り帯をつけられないそうだ。
私の頭はそのままだけど街の女の人の頭はベールのようなもので覆われている。
なぜ?と思って聞くと
髪を見せるのはふしだらという事らしい。
ふしだらって不品行?破廉恥?って事でいいのかな?
だが貴族の若者たちから既婚か未婚かわかりにくいとか、頭がムレるとか不満が出て領主達が話し合って
既婚女性は髪を結い上げる。
未婚女性は髪を下ろす。
という風に髪を見せてもふしだらじゃないと貴族が広めているらしいが領民にはまだ広まっていないらしい。
ふーん・・・
広めるのも大変だねぇ。
ルークは短めののチュニックに腰には刺繍された飾り帯。細身のズボンに編み上げブーツ。
身長も高く似合っている。
「行くぞ!」
「はいはい。」
誰にも見えていないなら別に着替えなくてもよかったんじゃ・・と思ったけど黙っていた。
連れてきてくれたのは動物が一杯いるところ。
畜産というか牧畜というかなんというか・・・
長閑なところだ。
周りの人には見えてないから好きに見てまわる。
ミルクやチーズを作っているところなど・・・
鳥小屋で卵を拾い集めているのをみたり、羊のような動物の毛刈りをしているのをみたり・・・
次は畑だね。
ここは小麦や野菜を作っている。
別の場所でも野菜や果物などを作っているそうだ。
米はないのかな?と聞くとコメとはなんだ?と聞かれ説明すると鳥の餌だろうと言われた。
異世界あるあるだね。
私の国では主食だよと言うと驚いていた。
しかし鳥の餌じゃなく小麦を食べろとコンコンと言われた。
いやいや、美味しいからね?
小麦よりお米を食べるよ。
とりあえず今日はここまでだなと観光は終わった。
領地は広くて全部は見れていない。
また連れて行ってやると言われたが明日じゃないよね?と確認した私は悪くないはず。