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はぁー。
なんで話すだけならとか言っちゃったんだろう。
まぁ毎日じゃないからましだよね。
宿題終わらせなきゃねー。
サクサクと宿題を終わらせていく。
春休みが終わるとすぐテストがあるからなぁ。
宿題以外にテスト勉強もしないと。
あー宿題もテストもなくていいのに〜。
そういえば16で成人って言ってたね。
16歳で婚活・結婚・・・
無理。
婚活とテスト・・・
うん。
テスト勉強頑張ろう!
ってなんで?
昨日話たんだから2,3いや4,5日会わなくてもいいんじゃないの?
ムスッとしてる私を見て
「すまないリョウ。王族に問題が出てきて他の領主と腹の探り合いやらで疲れた。」
「疲れたならゆっくり寝た方がいいんじゃないの?」
何か誰かに話たいのかもしれないけど、
王族って言うから誰にでも簡単に話せないのかもしれない。
ため息をついて
「王族に問題って?」
「あぁ。王族がヴェーダを引き継いでいないんじゃないかって・・・」
「ヴェーダ?」
「あぁ。先人の知恵・見聞というか知識・情報だな。こうしたらこれができたとか、こういう問題が起こったがこういう対策をしたとか、まぁ経験した事等を次代に引き継ぎ残していくんだ。」
「知識・情報ね。わかった。で、引き継いでいなかったら何が問題なの?」
「領主には家に代々伝わるヴェーダがある。そのヴェーダ、もちろん王族のヴェーダも全部まとめてべルシュナイトのヴェーダになるんだ。ベルシュナイトのヴェーダは王が管理している。貴族は他家のヴェーダの内容は知らない。困った事があって自分のヴェーダでも対処が難しい時は王に相談するんだ。自分のヴェーダで無理でもベルシュナイトのヴェーダには全領地のヴェーダと王族のヴェーダがあるからな。参考になるものがあるかもしれない。いくつかの領地が王に何か相談していたらしいんだが、王が対応しないらしいんだ。それでヴェーダを引き継いでいないんじゃないかと問題になってな。引き継いでなかったら大変な事になる。王に成り代わろうとする者が出るかもしれない。王族に説明を求めたが王族は説明せず領主だけで腹の探り合いだ。疲れたよ。」
「お疲れ様。フォルスターさんは領主だよね?ベルシュナイトって国の名前?」
「ああ。ベルシュナイトは国の名だ。俺は上位貴族だ。他には中位貴族、下位貴族だな。これは魔力量とヴェーダで決まる。普通の領民は魔力がほとんどないからな。貴族は魔力が多いほど上位になるし領地も広い。ヴェーダをきちんと引き継いで新しい事を加える事もできないといけないが。」
「魔力⁈じゃあ魔法が使えるの?どんな魔法?いいなぁ。私も使ってみた〜い!」
目を輝かせながら身を乗り出して聞いてくる涼に驚きながらも
「リョウは魔法が使えないのか?」
「魔法なんてないよ。だから憧れるんじゃない。」
「そうか。魔法がないなんて・・・」
「で?異世界の事をフォルスターさんのヴェーダに加えるの?」
「ルークでいい。フォルスターは呼びにくいだろう。異世界の事を加える気はない。まぁこれからのリョウ次第かな。」
「そう。今度魔法を見せてね?じゃあルークもゆっくり寝てね。私も寝るからおやすみ。」