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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

華散ラシ、キミヲ思フ。『声劇台本』(3人専用)

作者: 狼さん

*これは声劇用台本です。

*著作権などはありません、ご自由にお使い下さい

前書き。

これはフリー台本なので配信や声劇にご自由にお使い下さい。

配役 凜音♀ 16(リンネ) 黎人♂ 16(レイト)

鎖那 性別不問 不明 (サナ)



凜音(これはいつしかの記憶。忘れ去られた過去の物語。

おとぎ話と言うにはあまりに滑稽で、凄惨なもの。

それでいて、何処か美しいお話。

...さぁ。それでは語りましょう。

『愚かな少年と愛を求め過ぎた少女』の物語を。)


黎人「...おぉ。やっときたか。」

凜音「あぁ...ごめん、少し遅れたかしら...?」

黎人「いや、大丈夫だ。俺が早く来すぎただけだし...。」

凜音「そっか。なら良かった。...それで?

急に私を呼び出してどうしたの??」

黎人「あぁ...。その事なんだが。...凜音は近頃、巷を騒がせている事件を知ってるか?」

凜音「...?何いきなり。...事件ってあの事??

最近、この周辺で何度も起きる猟奇的殺人事件...。」

黎人「そう。それだ。」

凜音「それがどうしたって言うの??

まさか...また犯人を探し出すつもりなの?」

黎人「...あぁ。そうだ。今回の事件は犯行にかなり癖があるからな。探しやすいかもしれんだろ?」

凜音「...はぁ。ばっかみたい。前もそんな事言って見事に失敗したの覚えてないの??オマケに不法侵入だー、とか騒がれて警察にお世話になってたじゃない、あんた。」

黎人「...うっ。い、いやでも。今回の事件なら本当に見つけれるかもしれないんだよ。だからさ...またあの時みたいに付き合ってくれないかな...?」

凜音「呆れた。私はなーんにも手伝う気ないからね。あんたの世話してたら時間を無駄にしてるようで嫌なのよ...。」

黎人「...そう言わずにさ...??あっ、ほら!付き合ってくれたらいちごパフェ奢るから!!」

凜音「練乳増し増しのいちごを3倍に盛り付けてくれるのなら乗るわ。」

黎人「...あー。分かったよ!!練乳増し増しのいちご3倍特大パフェ奢るから...」

凜音「乗った。」


......

(とあるカフェ)


黎人「...つまり、犯人は殺害相手を痛め付けて殺す傾向があるんだ。」

凜音「そうね。この写真から見ると...。死因は大きな損傷による出血多量。しかも幾つもの大きな傷が残っているわね。...。でも黎人。この写真どこで手に入れたの?下手すれば...いや、下手しなくても見つかれば捕まるわよ?」

黎人「あぁ、それは」

鎖那「僕が手伝ってやったんだよ。」

凜音「...!?誰!?いつからそこに居たの?」

鎖那「おい黎人。彼女に何も教えてないのか?」

黎人「あぁ、ごめんごめん。忘れてたんだよ。」

凜音「...誰なの??」

鎖那「おっと失礼。僕は鎖那。すこーしだけ裏のある情報屋だよ。」

凜音「...少しって。法に触れてるじゃないの」

鎖那「おやおや。そこは気にしなくていいじゃないか。

それより黎人。その写真何に使うのかい?」

黎人「この事件の犯人を俺達が見つけ出す。その目的の為に使用させてもらう。」

鎖那「はぁ。それは随分大層な事で。僕達情報屋を頼るのは殺し屋や、ヤクザが殆どを占めているんだけど。

たまにいるんだよね。黎人みたいな頭の可笑しい奴が。」

黎人「...なんだよ。何が言いたいんだよ。」

鎖那「まぁまぁ。そんなに怒らないでよ。僕はただ黎人に興味を持ったんだ。」

凜音「...こんな奴に興味を持つって。アンタも相当だけどね。」

鎖那「はは...。言われちゃったかぁ。でも黎人に興味を持ったのはそれだけじゃない。...感じるんだよねぇ。何かを。」

黎人「はぁ。なんかお前に付き合ってると疲れるんだけど。」

鎖那「黎人に言われるとは心外だなぁ。ま、いいや。

今回だけ特別にタダで情報売ってあげるよ。」

凜音「...それってアンタに不利なんじゃないの?」

鎖那「興味持っちゃったからねぇ。仕方ないよ。」

凜音「変な奴ね。...まぁいいわ。それで?どんな情報を売ってくれるのかしら。」

鎖那「それはぁ。ん~言っちゃおうかなぁ~?」

黎人「良いから早くしろ。」

鎖那「ちぇっ。つれねぇの。

さーてと。本題に入りますか。最初の情報は『次の事件が起こる場所』について。

この地図を見て。犯人は段々この街の北から南へと行動範囲を広げて来てるんだ。つまり、次の事件が起こると思われるのは此処。

...桜樹公園」

凜音「なるほどね。正確率は?」

鎖那「なーんと!98%!」

黎人「...すっげぇ自信があるんだな。」

鎖那「そんな呆れた顔しないでよぉ。僕がこう言う系統で外した事なんて1度も無いんだからさ!」

凜音「...凄いわね。」

鎖那「でしょ?!...こほん。そして次の情報はね。

『狙われやすい系統について』。

一番気になるんじゃない!?」

黎人「まぁ、確かにな。それが分かれば事件を防げるかも知れねぇし...。」

鎖那「...ふふっ。そーだよね??輪廻ちゃんが狙われたら大変だもんねぇ???」

黎人「うるせぇ!!!良いから続けろ!!」

鎖那「もう、いきなり騒がないでよ。

犯人に狙われやすい系統はね。...んー、『系統』って言うのも可笑しいか。今まで殺害された人達は皆、『彼岸区』出身なんだよね。」

凜音「...え?それって...。」

鎖那「君達に当てはまるって事だよ~」

黎人「...笑えねぇんだけど。...まぁいい。次の事件は何時くらいに起こると考えられるんだ?」

鎖那「その質問待ってました!それがねぇ。実は今日の夜なんだよね。」

黎人「つまり。今日の夜、桜樹公園に行けば犯人を...捕えれる...?」

鎖那「そゆこと~!!!」

凜音「ちょっと...それは流石に危険なんじゃ.....」

黎人「大丈夫だ。凜音は絶対に俺が守るから。」

凜音「...は???...えっなに何でいきなりそんな恥ずかしいこと...」

鎖那「ひゅーひゅー!!見せつけてくれるねぇ??」

凜音「う、うるさい!!!」

鎖那「でもぉ、僕は桜樹公園に行くのをオススメしないかなぁ。特に凜音ちゃん。危ないんじゃない?」

黎人「そりゃまぁ...危ねぇかもしれねぇけど。俺が居れば本当に大丈夫だから。」

鎖那「...ふぅーん。まぁいいや。情報も売ったし僕はもう帰るよ。」

黎人「あぁ。また機会があれば頼む。」

鎖那「はいはーい。じゃーね。」

凜音「...はぁ。嵐が去ったわね。それで?今夜桜樹公園に行くの?」

黎人「あぁ、当たり前だ。」

凜音「...付き合うしかないみたいね。」

黎人「怖いか?...当たり前か。ごめんな。」

凜音「いいのよ。結局は私があんたと付き合うって決めたんだし。最後まで付き合うわ。」

黎人「...ありがとう、凜音。」


.........


凜音「...本当に来るのかしらね?」

黎人「あぁ見えても鎖那の腕は本物だからな...」

凜音「前から知ってたのね?」

黎人「...まぁ。腐れ縁ってやつかなぁ。お互いに踏み込み過ぎず、干渉し過ぎない関係性のようなものか、?」

凜音「それって.....」

黎人「あぁあ!ごめん凜音!!俺トイレ行ってくる...!!」

凜音「はぁ!!?犯人が来たらどうすんのよ!!!」

黎人「大丈夫...!!!すぐ戻ってくるから...!!!」

凜音「あー!!...もう!!!いいわ!早く行ってきなさいよ!!」

黎人「ありがとう!!!行ってくる、!」

凜音「ったく...。ふふ...ばっかみたい。...まぁ、そんな所が昔から結構好きなんだけど...ね。」


.........


凜音「...ちょっと...。何でこんな遅いのよ...。もう10分も経ってるんだけど。」

凜音「...。まさか。襲われたり...してないわよね?」

黎人「そんな事心配してくれてたんだな...。」

凜音「...!!?ちょっと黎人遅いじゃな...」

黎人「...はは」


凜音(振り返ろうとした私の身体は2秒で静止した。

ただ視界に写ったのは黎人の狂おしい程美しい笑顔だった。)


凜音「....ッぁ...???」

黎人「何が起こっているのか...理解出来ない?

そうだよなぁ。そりゃそうだろうな。

さっきまで一緒に居た相手にナイフを突き刺されてるなんて。

誰も理解できるわけないよなぁ...」

凜音「...ど...して...ッ?」

黎人「簡単な事だ。...人と言う種が綺麗な花を咲かせる瞬間が堪らなく好きなんだ。」

凜音「...ぁ...ぁぁぁ.....」

黎人「そう。その顔だよ...。苦痛と絶望に満ちたその顔を望んでいたんだ。」

凜音「ッぐ...ぁ...ッ...ぁああぁ...!!!」

黎人「そして...『血』を...。『花弁』を散らしながら朽ちていく。...綺麗だと思わないか?なぁ。輪廻。」

凜音「ッ...はぁ...ぁあ...」

黎人「...やっぱり俺、輪廻の事愛してたみたいだね。

今やっと確信を持てた。

...だってほら。凜音は今までのどんな花よりも綺麗だから。」

凜音「...ぁ...ぅ」

黎人「凜音...愛してるよ...。だから...誰よりも綺麗に散ってくれ...」


............


鎖那「ほーら言ったじゃんかぁ。次の事件現場は桜樹公園になるってさぁ。...凜音ちゃんも聞く耳持たなかったみたいだし。...あー。今更遅いかぁ。」

黎人「...うるせぇぞ鎖那。凜音に触んな。」

鎖那「あぁ、ごめんごめん...。そーいやぁ凜音ちゃんは黎人の初恋の人だったね。...で??どうだった???」

黎人「なにがだよ?」

鎖那「凜音ちゃん綺麗だったかを聞いてんの。」

黎人「あぁ。当たり前だろ?今までの花よりも一番綺麗だったよ。」

鎖那「さーてと。ちょっと黎人そこどいて。」

黎人「...なんでだよ???」

鎖那「凜音ちゃんにくっつき過ぎだっての。

僕は凜音ちゃん単体の写真が撮りたいの。さ、早くそこどいて。」

黎人「ちっ...早く撮れよ。」

鎖那「はいはい...っと、撮れた撮れた。まったく、僕は君の作った所謂『花』の写真を報酬として情報売ってるのに。邪魔しないで欲しいね。」

黎人「はぁ。んで?次の『花』候補は?」



凜音(...それは、哀れな少年と少女の物語。

あの時逃げもせず誰にも助けを求めなかった彼女。

少年を受け入れた彼女は永劫に彼の一番の『華』となった。

そしてこの物語は花の如く枯れて、誰にも目も当てられない様なお伽噺への変わっていった。)


どーも、狼です。

初めて脚本家として一つのストーリーを仕上げれた事を心から嬉しく思います。

演じてくれた方、又は目を通してくれた方に感謝を。

ここまで読んでくれてありがとうございました

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