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天使とすごした10月4日  作者: 直木 新
7/28

7話



「あなたが歌ってた夏のあの歌の、名前をついに知れないまま」

「あなたの鼻歌だけを頼りにし、思い出の雲間を流れるのです」


「それはもう今では恥ずかしいほどに、誰の目にもあなた色してた」

「私の身体は懐かしき彼方、今はもうちがう匂いがする」

「ハローハローハローハロー」

「理由ばっかり尋ねる世界で、理由など一つもなく恋をした」

「正しい夢の終わり方なんて、この世で私、私だけが知ってる」


やめてくれ、それ以上歌わないでほしい。


「あなたをちゃんと、思い出に出来たよ」

「あなたが見つけ出してくれたこの心を、あなたなしでも私は離さない」


「どんな昨日より明日が好きだと、少しの背伸びと本音で今は言えるよ」

「初めましてさようなら」

「最初で最後のさようなら」



「初めましてさようなら」

「最初で最後のさようなら」



「あなたが歌ってた夏のあの歌の名前は知らないままでいるね」


泣き虫の樹里は真顔で歌い上げていた、少し憂いげにしながら。

逆に僕が、ポロポロ涙を流していた。


「最後にひとこといわせて」


「誰かが悪いわけじゃない。だから世界を憎まないで」

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