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デブスな俺は

第一章.VRMMORPGのテスターに選ばれたって? 001.デブスな俺は


俺の名前は江島 真。

体重100kgオーバーのちょっとスケベなチョイデブだ。

年は20で、都内にある某有名大学に通う二年生。

高層マンションの27階に家があり、妹と二人暮らしだ。


両親は二人とも海外暮らし。

父はFBIの捜査官で、母は今を時めく売れっ子の女優だ。

二人とも超絶美人であり、性格好、金好、頭好の三拍子。

唯一の欠点は息子である俺がデブスと言うことだ。


「血が繋がってるのか心配になるほどだかんなー…………。」


鏡を見ながらため息が出る。

そこに映るのは身長170cmのでっぷり肥え太った巨漢である。

元は美形であったのかもしれない顔貌は、惰眠と過食により見る影もない。

見られないほどと言う訳では無いが、女性にはモテないだろう外見だ。


「まぁ、でも仕方ねぇよな」


初めのころは、これでもダイエットとか考えていたのだ。

バナナダイエットとか、ヨーグルトダイエットとか、チョコレートダイエットとか、

しかし、それもことごとく失敗し(食べ過ぎた)、今では開き直る始末である。


「見た目じゃなくて、中身で勝負すんだよ俺は!」


誰にともなくそう宣言したところで、


「ちょっと、兄貴! 邪魔なんだけど、どいてくんない?」


後ろから、妹の声が聞こえた。


鏡越しに、後ろを見る。


うむ、両親の子供だ!間違いない!


滑らかな茶髪に、同色の瞳。白雪のような肌は同じ人間とは思えない。

体つきは飽満と言う訳では無いが、中学生と言うことを考えれば恵まれた方であろう。


もっとも、妹に発情するほど俺も飢えてないが…………。


「あと、五分で終わる。ちょっと待て」


「はぁ、どうせ直したところでたかが知れてんだから、早くどきなさいよ! この時間はいつも私が使ってるでしょ!」


苛立たし気に足をトントン立てながら、髪をクルクルして、声を荒げる。


その様子は、クラスにいるギャル系の女子そのものだ。


――――お前ここの家賃誰の金で出てると思ってんだ!と言わないだけ俺の方が大人だ。


妹の声を無視して三分ほど粘り、しかし、追い出されるように洗面所から出た。


「たっく、おそいのよ! まじありえない!」


「へえへえ、悪うござんした」


俺は溜息を吐きながら、ソファーにどっかり腰を下ろす。

特に見る訳でもないテレビのスイッチを入れ、ボーっと虚空を眺めた。


――――――――何時からこんな風になっちまったのか?


妹は俺の事を兄だと思っていない。

もちろん、異性として見ていると言う意味では無く、兄として尊敬していないと言う意味だ。


まぁ、学業優秀で、容姿端麗、友達も多いあいつから見たら、俺なんてゴミみたいなものだろうけど…………


それでも、ここの家賃を払ってるのは俺だ。朝食を作ってるのも俺だ。そこら辺の感謝をしてもいいんじゃないだろうか。



時計を見る。


長針はⅤを、短針はⅫを刺していた。


「はぁ…………。五時ですよまだ…………。」


俺がこんな早起きしてるのは一重に洗面所を使うためだ。

妹が起きた後では満足に使えないし、使わないという選択は論外だ。


デブスだからこそ、清潔感を保たねば本気でハブられる。


俺にとっては死活問題だ。


「デブはつらいよ…………。」


その日の朝は、こんな風に始まった。


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