ひな祭り
桃の香り麗しい春分の頃、クロちゃん神社では、ひな祭り草が
可愛らしく咲いていた。
お内裏様とお雛様が並び、三人官女が歌い、五人囃子が
優雅に、楽の音を響かせている、雅な花である。
留の作った、ひな人形も飾られ、動いて、笑って、
楽の音を響かせていて、楽しい祭りとなっている。
しかし、世の中は、衝撃が、走っていた!4月の終わりから
ロシアが、ウクライナを侵攻したのである。
すぐに、ロシアに制圧されてしまうと、思われていたが、
ウクライナは、善戦して、どうにか持ちこたえていた。
そして、伝え聞くロシア兵の残忍さにも、世界中は、震撼した!
民間の施設や、市民への無差別攻撃!拷問、略奪、
レイプ!しかも、対象は、0歳から90歳まで、男女共にと、
常識を超えていた。
しかし、一番日本が震撼したのは、アメリカや、西側諸国
が、武器は、くれるが、一緒に戦ってくれなかったことだ。
もし、中国が日本侵攻した時、アメリカは、武器は、くれるが、
一緒に戦ってくれないかもしてないと、いう事だった。
自分の国でもないのに、命は、かけられない。
当たり前の事だが、自分の国は、自分達の血を流して、戦わないと、
外国は、何もしてくれないと、改めて気づかされたのである。
「外人部隊という名目で、イギリスもアメリカも兵は、
送ってはいるらしいよ。
でも、ロシアが、核を使ったり、世界大戦に、なるからね、
下手に参戦できない、難しいね。」
星明は、言った。
「大変なのね。」
クロちゃんが、そういってると、見慣れないロシア妖怪達が、
やって来た。
「クロちゃんですね、我らは、ウクライナ妖怪です。
是非、力になって下さい。」
と、いきなりクロちゃんに、ひれ伏した。
見れば、怪我をして、ボロボロである。
「そ、そんな事、急に言われても・・・。
あ、兎に角、クロちゃんビルに、来て。」
クロちゃんビルの食堂で、ウクライナ妖怪達は、歳さんに、
けがの手当てをしてもらい、豚汁と、おにぎり、焼きそばパン、
カレーパン、あんぱん、クリームパン、メロンパン、
ジャムパンを貰って、食べた。
「ありがとうございます、こんなに御馳走して貰って。
ロシアが、侵攻して来て、無差別破壊と殺戮、拷問
略奪と、滅茶苦茶に、されてます。
我らに、力を貸して下さい。」
ウクライナ妖怪は、そう言って、貢物を差し出した。
チョコレートや、ワイン、小麦粉、トウモロコシ、
マトリョーシカや、民芸品の陶器、刺繍の洋服を
並べた。
「戦争で大変な時に、そんな気を使わなくても
いいのよ、ねえ、アマビエ様。」
クロちゃんがアマビエの方を見ると、
「よし、わかった!お前達を徹底的に、鍛えてやる!
絶対に、ロシアを追い出して、賠償金を取るぞ!」
アマビエは、叫んだ!
「え!貢物貰うの!?ねえ。」
オロオロするクロちゃんに、目もくれず、
アマビエは、ウクライナ妖怪達に、
「ロシアは、デカイ!力も強い!が、馬鹿だ!
馬鹿の一つ覚えの様に、大量の兵士を無計画に、
ぶっこんで、惨殺や、拷問、レイプで、恐怖を植え付ける。
が、補給をするという基本的な考えが、ない!
食料や、必要な物は、現地で略奪しろだ!
無計画に、破壊するから自分達の寝床を確保できず、
豚小屋で、暮らす羽目になるような、あんぽんたんの
指揮官しかいない!
補給を絶って、撃退すれば勝てる!」
アマビエは、叫んだ!
それからアマビエは、ウクライナ妖怪を鍛えて、
戦術を叩きこんだ。
「頑張るわね、そう言えば、ご飯に必ず、山田パン屋の
パンが並ぶのね。」
クロちゃんが、言うと、
「山田パン屋のおっちゃんは、神様が認める職人だから
あそこのパンを食べると、少し霊力が、上がるんだよ。」
みっちゃんは、言った。
「山田パン屋のおっちゃん、凄いのね!」
クロちゃんは、感心した。
それから2週間、アマビエは、ウクライナ妖怪を鍛えた。
「とりあえず、コレ飲んで、戦ってこい。」
アマビエは、水で薄めた竜神様の酒をウクライナ妖怪に、
飲ませた。
すると、ウクライナ妖怪は、ムクムクと、力がみなぎってきた。
「これの効果は、3カ月くらいだが、強い敵とも戦えるぞ。」
アマビエは、言った。
「ありがとうございます!頑張ります。」
「それから土産がある、おい、又べえ!」
「はい、よく見てろよ。」
又べえは、土の上に、種を蒔き、太るドリンクをかけた。
すると、芽が出て、ムクムクと、一戸建ての家に、なった。
「お家草だ、ほら、風呂に、トイレ付だ。尻はここの葉を
使って、拭いて流す、この木の樹液が流して、養分にする。
風呂は、ここを押すと、この木の樹液が出て来て、洗剤
なしで、綺麗になる。
ベッドに、椅子、テーブル付きだ。中は、適温に、木が
保ってくれる。
それに、中は、木が、適度に、明るくしてくれる。
木には、パンに、似た味の実がなるから腹が空いたら
捥いで、喰えるぞ。
そして、ロシア妖怪や、兵が来たら戦ってくれる。
要らなくなったら、クロちゃんの名の元に、お役御免と
祈れば、消えて、散ってしまう。」
「おお!凄い!これがあれば、みんな助かる!
ありがとうございます。」
ウクライナ妖怪は、喜んだ。
「便利過ぎて、永住する奴が、出てきそうだな。」
アマビエは、言った。
すると、空から翼をもった獣が、降りて来た。
「セマルグルだ!」
ウクライナ妖怪は、口々に、叫んだ!
「セマルグル?」
クロちゃんが、聞くと、
「スラブ神話の神様、聖獣だよ。
あれは、留が作ったウクライナ版、龍の戦車だ。」
星明が、言った。
「お前達、コレに乗って、ロシアやロシア妖怪と、戦え!
勝利は、ウクライナに、あり!」
「おお!」
こうして、ウクライナ妖怪達に、美安守花の種、山田パン屋の
パンを沢山お土産に、渡した。
「ありがとうございます!必ずロシアを打ち破ります!」
ウクライナ妖怪達は、セマルグルに、乗って帰って、
行った。
「アマビエ様、一緒に戦ってあげなくても良かったの?」
クロちゃんが聞くと、
「我らに、そんな余裕は、ない!中国やロシアは、国がデカイ
から水神様クラスの神様や妖怪が、沢山いる。
ウクライナに、加勢に、行ってる間に、中国が攻めて来たら
あっと、言う間に占領されるぞ。
だから他の国と一緒だ、武器や、物資の支援をするだけだ。
援護射撃で、ロシア貧乏音頭を踊るだけだ。」
「・・・勝てるわよね。」
「勝ってもらわんと、困る!このままロシアが、調子に、
乗ったら日本にも侵攻してくる。
この戦争は、共産主義と、民主主義の代理戦争だからな。
それに、ウクライナは、過去に、ロシアには、酷い目に
あっている。」
「酷い目?」
「ホロドモールって、知ってるか?」
「ホロドモール?」
クロちゃんは、首を傾げた。
「昔、ロシアに、スターリンという独裁者が、いたんだ。
その頃は、ロシアは、ソビエト社会主義共和国連邦、
通称、ソ連と言って、ロシアも含めて、いくつかの国が、
集まって出来た共和国でね、その中に、ウクライナも
含まれていたんだ。
その頃、世界大恐慌と、呼ばれる不況でね、ソ連を
豊かにするために、ウクライナなどでとれた農作物を強制的に
徴収して、それを外国に輸出してお金もうけをしたんだ。
ソ連は、経済発展をしたけど、ウクライナでの酷い取り立てで、
飢えて多くの人が、亡くなっんだよ。
飢えた人々は、食べる物がなくて、人肉を食べたらしいよ。
飢えさせて、過酷な労働をさせられて、可哀そうだからと、
親が子供を殺して食べたとか、
肉屋で、人肉が、売られていたとか、気分の悪い話だよ。
ホロドは「飢え」モールは「疫病、殺害、絶滅、抹殺、」
と、いう意味で、人的飢餓と、いう意味なんだ。」
星明が、言った。
「人肉って、・・・絶対に、ロシアに負けられないわね。」
クロちゃんは、絶句した。
「戦争をしない為には、戦争をするような独裁者を国の
トップにしゃならない!ロシア人は、馬鹿だな。
いずれ、報いを受ける事になるな。」
アマビエは、言った。
「大変ね。」
クロちゃんは、考えさせられた。
「ところで、クロちゃん、ひな祭りに行かないか?」
アマビエが、おもむろに言った。
「行く、行く、どこのひな祭り?」
「水神池のひな祭りだ。」
水神池の広間では、沢山の御馳走が、並び、桃の花が
飾られ、雅なひな祭りの宴が催されていた。
「わぁ~綺麗!・・・でもひな人形が、ないわ?」
クロちゃんが、尋ねると、
「それは、今からクロちゃんが、貰ってくるんじゃ。」
竜神様が、言った。
「え!ええええ!又バトル!?」
クロちゃんが、ひきつると、
「水神池のひな祭りは、穢れを代わりに、引き受けてくれる
人形を貰って来て、飾るんだ。
今年は、クロちゃんの穢れを祓って貰えるように、
クロちゃんに、行かせて貰えるように、水神様に、
頼んだ。」
アマビエが、言った。
「・・・タイ・ヨウビエ様にも身代わり石を
貰ったの。
クロちゃんは、危ないのかしら?」
クロちゃんが、恐る恐る尋ねると、
「めちゃヤバい!中国妖怪、ロシア妖怪に、狙われて
いるだろう!
気が付かないのか?鈍いなあ!」
アマビエは、言った。
「あ、確かに・・・。」
「クロちゃんは、大事な旗印だもん、クロちゃん神社は、
クロちゃんのおかげで、パワースポットで、霊力が
強くなるんだ。
ウッカリ、怪我したり、死なないように、色々
防御しているんだよ。」
みっちゃんは、言った。
「そうだったんだ。」
「それじゃ、クロちゃん、あの扉から桃の大樹の神様から
クロちゃんのお雛様を貰って来い!」
七色に輝く、龍の彫刻が施された扉を指さして、
アマビエは、言った。
「あ、クロちゃん、一人で行くの?」
不安そうに聞くと、
「基本、一人だが、クロちゃんは、小さいから
みっちゃんと、又べえ、ついてってやれ。」
アマビエはが、言うと、
「良かった、みっちゃんと、又べえが一緒なのね。」
クロちゃんは、ホッとした。
「これは、桃の大樹の神桃華姫様の好物の
菓子と、水神の酒を渡すんだぞ。
絶対に、失礼のないようにしろよな。」
アマビエは、竜神様の酒をみっちゃんに、お菓子を
又べえに、渡した。
「お前達、たどり着くのに、時間がかかって、お腹が
すくといけないからおやつを持っていけ。」
アマビエは、チョコレートやポテトチップス、ビスケット
クッキー、おせんべい、山田パン屋のパン天水蜜桃、虹林檎を
クロちゃんのスヌーピーリュックに入れた。
「気を付けて、行って来い!」
アマビエは、言った。
桃華姫の住む桃華山は、一面桃の花が
咲き乱れ、なんとも言えない美しさだった。
綺麗な鳥の妖怪達が、あちらこちらで、花見をしている。
「綺麗ねえ。」
クロちゃん達は、見とれながら歩いた。
桃色の景色が続き、少し桃の花が、ほんのり甘い香りを
漂わせていた。
暫く行くと、歳をとった鳥の妖怪が、岩に腰を掛けて
いて、話しかけてきた。
「今日は、初めてみる顔ね、どこに行くの。」
「今日は、水神様に頼まれて、桃華姫に、お雛様を貰いに
いくの。」
クロちゃんが言うと、
「今年は、ぼうやが水神様のお使いかい。
桃華姫様は、気難しいので、気を付けてね。」
「ありがとう、ところで、ここで何をしているの?」
「足をくじいてしまったんだよ。
家は、すぐそこなのに、困ったね。」
「じゃ、又べえ、背負ってあげて、クロちゃんが、お土産の
お菓子を持つわ。」
「ガッテンだ!」
又べえは、歳をとった鳥の妖怪を背負った。
「なあ、翼があるなら飛んで行けばいいのに、何で
座ってたんだ?」
又べえが、聞いた。
「わしは、桃華姫様の機嫌を損ねた、もう飛べない。
桃華姫様の料理人だったんだが、料理に、飽きたと、
言われた。」
「それで、飛べなくなったの!?
ひどい!クロちゃんが、注意してあげるね。」
「と、とんでもない!どんな罰を与えられるか!」
「そうとう我儘なの?」
「自分に逆らう者を絶対に、許しません。
私は、鳥従と、いいます。
・・・実は、竜神池からのお客様を待っていたのです。
その・・・お土産のお菓子龍水菓と、水神様のお酒を
分けて頂きたくて。
良かったら我が家に、来て頂けませんか?」
鳥従の家は、鄙びたこじんまりした一軒家だった。
奥には、老婆が、休んでいた。
「今戻りました、お客様をお連れしました。
噂のクロちゃんです。
クロちゃん、こちらは、桃華姫様の妹君桃智姫様です。」
「まあ、貴方が、クロちゃん可愛いのね。」
桃智姫は、笑った。
「今日は、クロちゃんです。
・・・桃華姫様もお年寄りなの?」
クロちゃんが、目を丸くして尋ねると、
「私達姉妹は、もう五千年生きてますからね。
私は、もう寿命なのですよ。
でも姉は、ここの神に、なったので、龍水菓と水神様の
お酒で、もっと若く長生きするでしょう。」
「龍水菓と水神様お酒を分けて貰えないの?」
クロちゃんが、聞くと、
「桃華姫様は、我儘で、独裁者ですから
自分の思い通りにならない者は、酷い仕打ちです。
この辺りが、貧しいのも桃華姫様の取り立てが、
厳しいせいです、そして、贅沢三昧です。
優しく、聡明な桃智姫様に、神の座を奪われるのを
恐れておいでです。」
鳥従は、言った。
気の毒に思った、クロちゃんは、風呂敷包を開いて、
綺麗な龍の蒔絵の重箱のフタを開けた。
中には、透明なふるふるのお菓子が、一面に敷き詰めて、
入っていた。
「これなら少しくらい取ってもバレないかも。」
「頂いてよろしいですか、ありがとうございます。」
鳥従は、龍水菓を器に取り、残りの龍水菓を平らに
した。
「上手ね、全然わからないわ。」
クロちゃんは、感心した。
「桃智姫様どうぞ。」
桃智姫は、龍水菓を食べた。
すると、みるみる若くなり、ほっそりとした、美女に
なった。
「わあ!綺麗ね。」
クロちゃん達は、驚いた。
「さ、水神様のお酒も飲んで下さい。」
桃智姫は、盃の水神様のお酒を飲んだ。
「霊力がみなぎってきますね。」
元気に、なった桃智姫を見て、
「あ、そう言えば、アマビエ様が、天水蜜桃と、虹林檎を
リュックに、入れてくれてたわ、コレ食べると、霊力が、
戻るわ。」
クロちゃんは、天水蜜桃と、虹林檎を桃智姫に、渡した。
「ありがとう、クロちゃん、この恩は、忘れません。」
桃智姫と、鳥従は、言った。
「いいのよ、困ったときは、お互い様よ。
それじゃ、クロちゃん達は、先を急ぐわね。」
クロちゃん達は、桃華姫の城に向かった。
綺麗な桃の花咲き乱れる森を抜けると、桃華姫の城、
桃源城に、ついた。
城の大広間に、通されると、豊かな美女桃華姫が、
迎えた。
「今年の水神池の使者は、クロちゃんか、成る程
可愛いのう。」
桃華姫は、笑った。
「ありがとうございます。」
クロちゃんは、言った。
・・・近くで、見ると化粧が、濃いな・・・
・・・太ってるし、あのほっそりとした桃智姫様は、
化粧もしてないのに、綺麗だったのに。
等と、ぼんやり思っていると、
桃華姫は、風呂敷包を開いて、
綺麗な龍の蒔絵の重箱のフタを開けた。
すると、怪訝な顔をして、
「いつもより量が、少ないな、水神様の酒も
いつもより少ないような・・・。
お前達、途中で、食べたか?」
桃華姫が、怖い顔をして、尋ねた。
「いいえ、みっちゃん達は、食べてません。」
みっちゃんは、言った。
・・・確かに、嘘じゃないわね。
「では、何故量が、少ない?!」
桃華姫が、怒りをにじませている。
・・・どうしよう・・・。
「あ、クロちゃんのお土産もあります。
クロちゃんの国のお菓子です。
あ、このクリームパンは、桜の大樹の神様の
大好物なの、どうぞ。」
クロちゃんは、スヌーピーリュックからクリームパン
を取り出して、桃華姫に、渡そうとすると、
桃華姫は、それを振り払い、踏みつけた。
「こんな物は、いらぬ!」
物凄い勢いで、怒った。
「食べ物に、何て事するの!?罰が、当たるわよ!」
クロちゃんが、怒った。
「罰?神の私に、誰が罰を当てると言うのだ!
それより、お前達!龍水菓と水神様のお酒をくすねて
どうした!言え!言わないと、こいつの命は、ない!」
桃華姫は、又べえを掴んで、言った。
「又べえ!」
ゴォオオ!桃華姫は、又べえに、炎を浴びせた!
「又べえ!」
又べえは、たちまち燃えて、黒い墨となった。
桃華姫は、それをクロちゃんに、投げつけた!
「お前もこうなりたくなくば、龍水菓と水神様のお酒を
どうしたか言え!」
「何て事!?絶対に、許さない!
龍水菓と水神様のお酒は、桃智姫様に分けてあげたわ!
寿命が、近くて、弱ってらして、御気の毒だったらよ!
兄弟なのに、自分だけ若返りと、霊力の独り占めして!
本当に、酷い!絶対!許さない!!」
「お前!何で事を!?絶対許さん!」
桃華姫は、物凄い炎をクロちゃんに、浴びせた!
クロちゃんは、打ち出の小槌を構えて、
「必殺!ウオーターガン!」
必殺!ウオーターガン!で、応戦した!
桃華姫は、物凄い炎を何度もクロちゃんに、浴びせた!が、
ことごとく消されてしまった。
すると、スラリと、刀を抜いて、物凄い勢いで、クロちゃんに、
切りかかった!
カ~ン!カ~ン!カ~ン!みっちゃんが、刀で、応戦した!
「おのれ!猪口才な!」
桃華姫は、みっちゃんを弾き飛ばしした!バ~ン!
みっちゃんは、したたかに、壁に叩きつけれ、
動かなくなった。
「みっちゃん!」
「さあ、次は、お前だ!切り刻んでやる!」
物凄い勢いで、クロちゃんに、
切りかかった!カ~ン!カ~ン!カ~ン!
ドンドン切り込んでくるので、必殺技がだせない。
クロちゃんは、受けたり、避けたりするのが、やっとで
ある、その内、バ~ン!打ち出の小槌を弾き飛ばされた!
「さあ!止めだ!」
桃華姫が、切りつけた時、バ~ン刀で、逆に飛ばされた。
「姉上!もうやめて下さい!この城は、制圧しました!」
桃智姫が、刀を持って、立っていた。
「桃智姫様!」
クロちゃんが、叫ぶと、
「大丈夫ですか?さ、あちらに、行きなさい。
姉上!私が、相手です!」
「おのれ!しぶとい!しおらしいフリして!本当に、
したたかな奴!」
「どこかでもかかってらっしゃい!姉上が、私に叶うのは、
体重だけですわ!」
桃智姫が、叫んだ!
それから二人の姫の壮絶な切り合いが、始まった。
桃華姫が、力で、押すと、桃智姫は、ヒラリと、
避けて、桃華姫の脇腹をバッサりと、切った!
「ここまでです、姉上!誰が、手当をして
やって下さい。」
桃智姫が、叫ぶと、ゴッツイ武将達が、桃華姫を
取り押さえて、連れていった。
「クロちゃん、驚かせて、ごめんなさいね。
天水蜜桃と、虹林檎を私の様に、追放されて、霊力を
奪われた、武将達に、食べさせたの。
みんな優秀で、強い人達だからすぐ、クーデターを
起こそうと、いう事に、なったの。」
桃智姫が、あやまると、
「ううん、大丈夫。
あ、龍水菓を食べて水神様のお酒を飲んだら?
疲れたでしょう。」
クロちゃんが、龍水菓を差し出すと、桃智姫は、
武将達に、分け与えてしまった。
「え、いいの?」
「ええ、私は、後20~30年程生きればいいの。
つぎの神を育てる間、生きればいいわ。」
「だって、綺麗なままずっと、生きれるのよ。」
「・・・姉上も昔は、綺麗で、人の話に耳をよく聞いて、
良く治めていたのだけど。
何でも思い通りになる力を持って、段々変わっていったの。
私は、その誘惑に、勝つ自信がないの。」
桃智姫は、力なく言った。
「桃智姫様なら大丈夫よ、きっと。」
「自分の我欲に、勝てる者だけが、神になる資格が
あるの。
もし、資格がないなら姉のように、クーデターを起こされて、
滅びるだけです。」
桃智姫は、言った。
「・・・大変な覚悟なのね。」
その反面、あの陽気な水神様や大黒のおっちゃんを
思い出して、
クロちゃんの知らない苦労が、あるのかしら・・・。
「そうそう、クロちゃんに、厄除けのお雛様を渡さないとね。」
桃智姫の手が光ると、立派な真っ白な衣装で、うっすらと輝く
お雛様、お内裏様、三人官女、右大臣、左大臣、五人囃子が、
出て来た。
「さ、持って帰りなさい。
クロちゃんを守ってくれるわよ。」
桃智姫は、笑った。
お雛様を水神様の信玄袋に、仕舞って、
「ありがとう、桃智姫様。」
クロちゃん達は、桃源城を後にして、水神池に、
向かった。
竜宮城の広間では、アマビエと、水神様が、クロちゃん達を
待っていた。
「ただいま、お雛様貰って来たわ。」
クロちゃんは、真真っ白な衣装のお雛様を出した。
「白なんて、初めて見るぞ!凄いな!こんなレア物を
ゲットするなんて、流石、クロちゃんだ!
凄いな桃華姫に、気に入られたんだな。」
アマビエと、水神様が、感心していると、
「・・・実は、かくかくしかじかで、桃智姫様に、クーデターを
起こさせちゃって、桃智姫様に貰ったの。」
クロちゃんが、言いにくそうに、言った。
「でかした!流石クロちゃん!我の弟子!
実は、今回は、我が行きたいと、水神様に申し出たら
お前は、独裁者の桃華姫と、トラブルを起こして、
お雛様を持ち帰れないから駄目と、水神様から反対されて、
クロちゃんに頼む事にしたんだ。
クーデターを起こして、神交代!やるな!」
アマビエは、上機嫌である。
「そうだったのね。」
「ところで、又べえは、どうした?」
「桃華姫様に、燃やされちゃったの。
でも、ほら、タンポポの本体だけは、逃げて、クロちゃんの
頭に、いるわ。」
「間一髪助かったぞ。」
クロちゃんの頭の上で、又べえが、言った。
「又べえのお宝もタイ・ヨウビエの信玄袋に、入って
いたので、無事だったの、タイ・ヨウビエの信玄袋は、
燃えないの、ほら綺麗なまま。」
クロちゃんは、タイ・ヨウビエの信玄袋を見せた。
「流石、母上の信玄袋だ!良かったな。
さあ、お雛様を飾ろう。」
お雛様は、真珠や珊瑚が施された、綺麗なひな壇に
飾られ、音楽を奏でたり、楽し気に踊ったりと、動き出した。
「凄いのね!」
クロちゃんは、沢山御馳走を食べ、お酒を飲んだりして、
ひな祭りの宴は、終わった。
「楽しかったぞ、クロちゃん!ほら雛人形は、クロちゃんのじゃ
持って帰って、ええぞ。」
水神様が、言った。
「ありがとうございます。」
クロちゃんは、お礼を言った。
「じゃあ、クロちゃん神社に飾ろうな。」
アマビエが、嬉しそうに、言った。
クロちゃん神社では、留が作った、ひな壇に、お雛様が
飾られた。
そのひな壇が、見事な龍の上に、ひな壇が設置されている
その龍が、生きてるように、動くので、ある。
お雛様は、生きてるように、動き、笑い、歌い、音楽を
奏でる。
「これで、又、観光客が、増えるね。」
星明が、言った。
すると、その時、
「緊急事態発生!敵襲!クロちゃん神社の正門で、中国妖怪が
暴れている!総員は、すぐ現場に、急行せよ!」
放送が、入った。
「大変!、すぐ行かないと!」
クロちゃん神社の正門で、ケルベロスが、暴れていた。
「あれ、中国妖怪?あ!中国風邪のウィルスをばら蒔いている!」
「消毒草のおかげで、中に入る前に、食い止められたんだな。」
ケルベロスは、平癒マンと、天鯉部隊、消毒草が、応戦していた。
クロちゃんと、みっちゃんも参戦して、戦っていると、
ふぃに、クロちゃんを黒い影が、襲った!グリフォンだ!
「クロちゃん!」
バキッ!白い影が、クロちゃんを助けてくれた!
白い十二単の人くらいに巨大化したお雛様だ!
「大丈夫?」
お雛様は、そう言って、扇子で、グリフォンを強かにぶっ叩いた!
お内裏様もスラリと、刀を抜いて、戦っている!
五人囃子!右大臣、左大臣、三人官女も応戦している!
それも、強い!強い!瞬く間に、ケルベロスと、グリフォンを
切り伏せ、叩きのめしてしまった。
それを平癒マン達が、消毒薬を吹きかけ止めを刺した。
「まるで、ゴキブリの断末魔みたい。」
お雛様達を見て、
「ありがとう、助かったわ。
でも、綺麗な着物が、血まみれで、汚れちゃったわね。」
クロちゃんが、気の毒そうに言うと、
「大丈夫です!浄化!」
お雛様が、叫ぶと、ピカッと、光り!着物の汚れは、綺麗になった。
そして、元の大きさにに戻り、ひな壇に、並んだ。
「凄い!流石、レア物!戦闘能力が、半端ないな。」
アマビエは、感心した。
「確かに、守ってくれたわ、桃智姫様ありがとう。」
クロちゃんが、呟くと、
「今度は、我も一緒に、桃源城に、行って、
桃智姫様に、貴方は、神の資格があるから
頑張れって説得しよう。
な、クロちゃん。」
アマビエは、笑った。
「ありがとう、アマビエ様。」
クロちゃんは、ぱぁっと、明るい顔をした。
五人囃子は、軽やかに、音楽を奏でて、三人官女
と、お雛様は、楽し気に、舞を舞った。
こうして、クロちゃんは、頼もしい仲間が、増えた。




