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お正月

冬晴れの穏やかな正月に、なった。

クロちゃん神社の舞台では、クロちゃん達が、踊りを

披露していた。

踊っているのは、中国、ロシア貧乏音頭と、中国風邪を

祓う舞である。

日本語が、解らない中国人や、ロシア人を含めた、海外の

観光客も大喜びである、中には、一緒に踊り出す者もいた。

踊り終わると、大歓声である。

踊り終わった、クロちゃんは、クロちゃんビルの広間で、

くつろいでいた。

すると、タイ・ヨウビエが、入って来た。

「お疲れ様です、よく頑張りましたね。

これは、お年玉です。」

タイ・ヨウビエは、丸い石が付いたペンダントをクロちゃん

と、みっちゃんに渡した。

「ありがとうございます!綺麗なオレンジの石、七色の石

ねえ。」

「それは、身代わり石、その人の身に危険が及ぶ時に、

身代わりに、砕けます。」

「・・・命の危険が、あるの?」

「私は、予知能力もあるので、念の為にね。」

タイ・ヨウビエは、頭を撫でた。

「そうそう、又べえ、これを上げます。」

タイ・ヨウビエは、綺麗な虹色の信玄袋をくれた。

「ありがとう、綺麗だな。」

「それは、私が作った、タイ・ヨウビエはの信玄袋です。

水神様の信玄袋程は、入りませんが、沢山仕舞えます。

それは、落としても持ち主の所へ帰ってきます。

お前は、大事な物を沢山持ってるから、

無くさないようにね。」

タイ・ヨウビエは、笑った。

「今は、色んな神様のご加護で、クロちゃんの踊りが、

効きますが、黄熊の力が増すと、効かなくなるかも

しれません、毎日精進しましょうね。」

・・・優しそうだけど、踊りの稽古は、鬼師匠だったな。

クロちゃんは、天鯉部隊を鍛えるタイ・ヨウビエを

思い出した。

「それより、御馳走を用意しました、あちらで、

みんなで頂きましょう。」

タイ・ヨウビエは、言った。


クロちゃんビルの広間では、天鯉部隊と、平癒マン達

と、妖怪達が、ドンちゃん騒ぎをしていた。

「みんな楽しそうね、あれ?白鯉は?」

クロちゃんが、尋ねると、

「ああ、白鯉は、逃げて来たロシア妖怪に、ご飯を

持っていったよ。」

天鯉21号が言った。

「え!そうなの?!」

驚いたクロちゃんは、白鯉の所へ行った。


天鯉部隊の宿舎の一番広い部屋の一室で、ロシア妖怪が

15人、4人の天鯉に、見張られて、正月の御馳走を食べて

いた。

「これ、伸びるな。」

お雑煮の餅を伸ばして、驚いているが、御馳走に舌鼓を

打っていた。

「何で、ロシア妖怪が、ここにいるの?」

クロちゃんが、尋ねると、

「EXに、負けた・・・。俺達じゃ無理だった。」

ロシア妖怪が、力なく言った。

「でも、クロちゃんの事を思い出させれば、七転八倒して

苦しむからその隙に、やっけられなかったの?」

クロちゃんが、尋ねると、

「七転八倒して、苦しんだが、俺達は、倒せなかった。

仲間は、散り散りに逃げた。」

ロシア妖怪の力ない顔は、可愛そうだった。

「そんな・・・。」

クロちゃんは、胸を痛めた。

「1度負けたぐらいで、何を女々しい事をいってます!

やると、決めたからには、やらねばなりません!

私が、鍛えてあげます!必ずやEXを倒すのです!」

いきなりタイ・ヨウビエが、現れ、喝を入れた!

「でも、無理なものは、無理・・・。」

「そんな根性なしに、喰わせるご飯は、ありません!

お前達!喰った分は、訓練しなさい!できない役立たずは、

切って捨てます!」

タイ・ヨウビエは、刀をギラリと光らせた。

「ひ、ひぇ~!く、訓練します!」

ロシア妖怪は、みんな震えあがった。

「それで、よろしい!」

タイ・ヨウビエは、ニッコリ笑った。

・・・とても怖かった。

それからタイ・ヨウビエは、天鯉部隊、平癒マン、クロちゃん

達、それに、ロシア妖怪をビシバシ鍛えた。

静養は、しなくて、いいのだろうか?・・・。


しごかれて、グッタリした妖怪は、

「俺達、EXを倒せるように、なるのか?」

タイ・ヨウビエに、尋ねた。

「倒せるように、なるのか?では、なく、

倒せるように、なりなさい!ここのコケシやニポポ人形を

ごらんなさい、みんなどんな巨大な敵でも立ち向かって

行きます!

弱いなら仲間を沢山集めて、集団で、立ち向かうのです!

歴史を変えられるのは、強い者でも、頭の良い者でも

ありません!

最後まで、生き残った者です!」

タイ・ヨウビエの声は、響きわたり、ロシア妖怪の心を

動かした。

訓練が終わると、天鯉達は、ロシア妖怪を連れて、万福商店街の

中を案内した。

「ここは、美味しい物、楽しい物で、一杯だな。」

ロシア妖怪達は、買い食いしながら楽し気だ。

「EXを倒したらお前達の国もこうなるさ。」

天鯉達は、楽し気に話した。

みんな仲良くしていて、いいなと、クロちゃんは、思った。


クロちゃん神社の花壇では、赤富士に、鶴が舞い、亀が

いる目出度い正月草が植わっている。

そして、親方が、安守花を植えているが、花が綺麗になってる。

「明けましておめでとう、親方、この安守花、物凄く綺麗ね。

色も綺麗だし、形もいいわね。」

クロちゃんが、言うと、

「又べえの小箱を借りて、儂が作ったんじゃ。

美安守花(ミアンシュカ)と言う。又べえのより強力に、なってる。」

「へえ~凄いのね。」

クロちゃんが、感心すると、

「敵の力が強くなって、安守花が、あんまり効かなく

なってるらしい。」

「え!そうなの!?相手も強くなってるのね。」

「最初は、安守花も効いてたらしいが、段々、効かなく

なって、ロシアの下っ端妖怪は、負けて、逃げて来た

らしいんじゃ。」

「あ、だから特訓なのね。」

「タイ・ヨウビエ様も色々考えられて、儂に安守花の

強化を頼まれたんじゃ。」

親方は、得意げに言った。

「じゃ、あのロシア妖怪達もハゲ白熊の妖怪を倒せる

ように、なるわね。」

クロちゃんは、少し安心した。

「美安守花のお守り袋と、花や種が人気のお土産なんで、

儂も沢山作らないとな。」

「お正月くらい休めば、いいのに、あれ、又べえは?」

「あいつは、女房持ちじゃから休みをやった。」

「親方、優しいのね。」

「まあな。」

そう言って、親方は、又、働き出した。

クロちゃん神社の売店を見ると、日本人も海外の観光客も

美安守花のお守り袋と、花や種を先を争って、買っていた。

「お願いが叶うとか、幸せになると、言われてるんだよ。」

星明が、声をかけた。

「そうなの?」

「さあ?そういう事になって、いる。」

「そうなんだ。」

クロちゃんが、言うと、

「と、星明が、流してるんだよ。

世界中に、美安守花が、広まると、攻撃もできるから

防衛できるし、情報も持って来てくれるんだよ。」

みっちゃんが、言った。

「そんな事できるんだ。」

流石、親方!更にハイブリッド化されている。

すると、大騒ぎが、起きた。

ロシア人が、いきなり、ロシア妖怪を引き裂いてしまった!

「うわああぁぁぁ!!」

ロシア妖怪は、苦しんでいる!

「おい!相変わらず弱いな、クズども!」

それを見ながらロシア人は、せせら笑った。

そして、ロシア人の口は、裂け、むくむくと、3メートル

ぐらいに、なった。

「アイツは、EXの片腕、BAだ!」

ロシアの下っ端妖怪は、叫んだ!

BAは、片っ端から、逃げて来た下っ端ロシア妖怪を

捕まえ、なぶり殺しを始めた!

「うわあぁぁ!」

ロシア下っ端妖怪が、恐怖で、逃げだそうと、すると、

天鯉達が、BAに、襲いかかり、ロシア下っ端妖怪を

救い出した!そして、沢山のコケシと、二ポポ人形が、

次から次に、襲いかかる!BAは、何度も祓うが、

叩きのめされても、叩きのめされても、コケシと、

二ポポ人形達は、闘った。

「おい、お前達を追ってきたんだろう?

戦えよ!逃げるな!」

天鯉33号は、言った。

「こ、怖い!無理だ!」

ロシア下っ端妖怪は、震えあがった。

「見ろ!お前より弱い、二ポポや、コケシも戦っているぞ。

気持ちが負けているんだ。

アマビエ様から頂いた、水だ。

ほら、これをまず、飲め。」

言われるままに、天鯉33号が、差し出したペットボトルの水を

ロシア妖怪は、飲んだ。

すると、ムクムクと、力がみなぎって来た。

「必殺!桜吹雪!」

クロちゃんの必殺!桜吹雪がさく裂していた。

みっちゃんは、刀で、バッサ!と、BAを切った!

「こいつ硬いね!」

みっちゃんは、言った。

デカイし、硬いので、手間取っている。

BAの手下達も襲いかかってきた!

そこへ、ロシアの下っ端妖怪が、一斉にBAに

襲いかかった!

今までとは、考えられない強さと、狂暴さである!

ロシア下っ端妖怪が、BAに次々と、襲い、ついには、BAを引き裂き

倒してしまった。

「やったー!」

ロシア下っ端妖怪が、雄叫びをあげた!

「お前達、よくやりましたね!

これだけ強くなったのです!EXも倒して、自由を

手にいれるのです!」

いつの間にか、タイ・ヨウビエが、やって来た。

「必ず!EXを倒すぞ!」

「おおお!」

こうして、ロシア下っ端妖怪達は、ロシアに帰る事と、

なった。

「これは、土産だ。」

天鯉達は、焼きそばパン、カレーパン、あんぱん、メロンパン

クリームパン、肉まん、焼売、餃子、おにぎり、餅、どら焼き

等々が、入った紙袋をロシア下っ端妖怪に渡した。

ロシア下っ端妖怪達は、龍の戦車で、ロシアに、帰って

行った。

「きっと、EXもハゲ白熊の妖怪も倒せるわね。」

クロちゃんが、言うと、

「たぶん、無理でしょうね。」

タイ・ヨウビエがは、言った。

「え!だって、あんなに、倒せるみたいな事を言ってたじゃ

ない!?」

「たかが、1日特訓して、いきなり強くなる訳ないでしょう。

水神様の酒を水で薄めて、ドーピングしただけですから

効果は、3カ月くらでしょう。」

タイ・ヨウビエは、淡々と、言った。

「じゃ、殺されるかも!何でそんな事を!」

クロちゃんは、驚いて言った。

「ロシアが、春頃、大変な事をしでかしましすから

飛び火しないように、災いの種をロシアに、蒔いた

だけす、ま、生き残って、逃げてきたら

又、鼓舞して、薄めた水神様の酒を飲まして、

EXと戦わせるだけです。」

「そんなの可哀そうじゃ・・・。」

「可哀そう?彼らの戦いでしょう?自由を勝ち取るには、

自分達の血を流して、闘って、勝ち取るしかありません。

クロちゃん達も中国やロシアが日本に侵攻してきたら

戦わないと、いけないでしょう?」

タイ・ヨウビエは、言った。

「確かにそうね。」

クロちゃんは、海神様の所での試練を思い出した。

「ロシアの下っ端妖怪が、来たら美安守花の種を

ばら撒かせて、ロシアを引っ掻き回せればいいよ。

パルチザンを支援するようなもんだよ。

その内、見込みのありそうなのが、EXもハゲ白熊も

倒してくれるよ。」

みっちゃんは、笑った。

「あ!もしかして、持たせたお土産のパンやお菓子の

紙の袋は、美安守花の種入り?」

「当たり!アイツら行儀が悪いから、その辺にゴミ捨てる

からね。

でも土に帰る和紙で、出来てるから、エコだよ。」

みっちゃんは、笑った。

「いいのかな・・・。」

クロちゃんが、考え込んでいると、

「クロちゃんが、そこまで責任を感じる事は、ない。」

そういって、クロちゃんの頭をアマビエが、撫でた。

「え!アマビエ様!」

「ただいま!正月の御馳走を食べ損なわないように、

ちゃっちゃと、任務を終わらせたぞ。」

アマビエが、笑った。

「あら、お帰りなさい。」

「母上、ありがとうございました、色々ありがとう

ございました。

ゆっくり静養できましたか?」

「え!静養しに来たの?やっぱり。」

クロちゃんは、タイ・ヨウビエをチラッと見た。

「駄目でしょう!領地にいると、色々采配して、静養

出来ないからここに、来たのでしょう?」

アマビエは、怒った。

「御馳走食べたらビエ一族の領地に、連れて帰ります。」

そう言って、アマビエは、言った。


クロちゃんビルの広間では、正月の祝宴が催されていた。

広間には、鯛の生き作り、尾頭付きの塩焼き、刺身、寿司、

おせち料理、ローストチキン、ローストビーフ、ミートローフ、

パスタ、ピザ、チーズフォンデュ、ロールキャベツ、ハンバーグ、

オムライス、グラタンと、色々並んでいる。

「旨いなあ。」

アマビエは、バクバク食べている、酒もビール、日本酒、ワイン

と、ちゃんぽんで、飲みまくっている、悪い飲み方の見本の

様である。

「ほれ、クロちゃん、踊れ!」

アマビエは、言った。

「え、はい、何踊ろうかな・・・。」

「ロシア貧乏音頭を踊れ、春に侵略戦争を始めるから

足を引っ張ってやれ!」

「え!まさか、日本に侵略!?」

クロちゃんが、青ざめると、

「いいや、ウクライナに侵攻する。

・・・あ、言っちゃった。」

アマビエが、口を押えると、

「予言は、モワ~と、言わないと駄目でしょう!

この子は、お酒が入ると、口が、軽くなって。」

タイ・ヨウビエは、怒った。

「な、何で事!?」

クロちゃんが、うろたえると、

「心配しなくていいです、クロちゃん、ロシアは、

ウクライナで、手一杯だから日本まで、進攻する余力は、

ありません。」

タイ・ヨウビエは、優しくクロちゃんを撫でた。

クロちゃんは、少し、ホッとした。

「ロシアの足を引っ張る為!我もロシア貧乏音頭を

踊るぞ!」

アマビエも一緒に踊り出した。

・・・陽気に踊っていていいのだろうか?

不安に、思うクロちゃんだった。


次の日、ロシアの株は、いきなり暴落していた。

・・・大変な世の中に、なってきた、クロちゃんビルの

食堂で、クロちゃんが不安になっていると、

ふと、見ると、見慣れない中国妖怪達が、お茶をしている。

そして、クロちゃんを見るなり、ひれ伏した。

「あ、あれは、香港妖怪達だよ。

自由を勝ち取るために、クロちゃんに、貢物を持って、

助けを請いに来たんだ。

それで、アマビエ様が、訓練と、秘策を授けるらしいよ。」

天鯉23号は、言った。

・・・いつからここは、妖怪達のクーデターの訓練所に、

なったんだろうか?

「さあ!まずは、中国貧乏音頭のレッスンだ!」

アマビエの怒号が、楽し気に、響き渡った。





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