天鯉部隊
さわやかな夏空の青空が広がっていた、学校では、クロちゃんが
コウ君にお願いされていた。
「じいちゃんが中国風邪にかかったんだ、治してくれよ。」
コウ君は、大きな体を折り曲げて頼んだ。
「クロちゃんに言われても困るわ。神威病院に行けば?」
クロちゃんが言うと、
「みんなが、いつもクロちゃんに意地悪するから罰が当たった
って言うんだ。」
「関係ないわよ、それよりコウ君のじいちゃんワクチン接種
した?コウ君もまだよね。」
「ワクチン打ったら妖怪になったり、何十年かして体に異常
が出て来て、子供が出来なくなって、体が磁石になって、
大変な事になるって、パパとママが言ってたぞ。
神威病院に行くと妖怪になるって!」
コウ君は、凄んだ。
「あのね、クロちゃんは、コウ君に罰を当てる程、コウ君に悔しい
思いをした事がないよ。
ケンカも負けた事ないし、テストもスポーツも負けた事ないし
イジメられた事もなし、ていうか反撃するし。」
みっちゃんが言った。
そう、みっちゃんは、いつの間にかクロちゃんの隣の席を自分の席
にして、クロちゃんと学校に通っているのだ。
「それにね、神威病院で治療して、妖怪になった人は、いないわ。
いるなら連れて来たら?
ワクチン打っても、妖怪になった人はいないわ、体が磁石に
なった人もいないわ、そういいう人がいるなら連れてきてよ。
何十年かして体に異常が出るなんて、わからないけど、
ワクチン接種してない人は、死んじゃって、子供もできないし、
体に異常が出るまで生きてられない可能性が高いわね。
インフルエンザ予防接種は大丈夫で、中国風邪の予防接種は、
何で体に悪いの?」
クロちゃんが言うと、
「だって、パパとママが・・・。」
コウ君が言いにくそうにしていると、
「パパとママが馬鹿なの!早くじいちゃん神威病院に、
連れてかないと、死ぬわよ!」
クロちゃんが言うと、
「うるさい!うるさい!」
コウ君が逆切れした!すると、
大量の消毒草がコウ君に襲い掛かって行った。
沢山の青い花は、
「こいつは、中国風邪!消毒!」
「こいつは、中国風邪!消毒!」
「こいつは、中国風邪!消毒!」
「こいつは、中国風邪!消毒!」
「こいつは、中国風邪!消毒!」
と言って、消毒液をバンバン吹きかけた、コウ君が、しゃがみ込んで
いると、クロちゃんのパパがやって来た。
「市から頼まれて、消毒草を納品しにきたんだよ。
ついでに、クロちゃんの様子を見にね、校内で、結構感染者が
いるね。」
そう言っていると、ペンペン号がやってきて、コウ君を回収
して行った。
「あ、みなさん、今から保健所の方が来ますから
指示に従って下さい。」
先生が言った。
その頃アマビエは、鯉レンジャーとたろべえを引き連れ、
万福商店街で食い歩きをしていた。
「たこ焼き旨いな、次は、中華で餃子喰うか?」
アマビエは、たこ焼き片手に、店を物色した。
「あ、山田パン屋があるから隔離世のクリームパン買って
来ますね。」
たろべえは、言った。
「ここは、美味しい物が多くて楽しいですね。」
赤鯉は、言った。
「チョコパフェとか、プリンも美味い!鶴屋のプリンどら焼き
や、亀屋のチョココーティングカステラも美味いぞ!
ソフトクリームも喰うか?」
アマビエは、ご機嫌である。
「あ、でもそろそろクロちゃんが帰る時間です。」
たろべえが言った。
「じゃあ、そろそろ戻るか。」
アマビエがそう言うと、桃鯉がショーウインドーのワンピースを
見ていた。
「素敵ですね。」
すると、アマビエは打ち出の小槌をを一振りすると、一万円札の
札束が出て来た、それを桃鯉に渡して、
「ほれ、コレで好きなだけ買って来い、いつも頑張って
いるご褒美だ。」
「ありがとうございます。」
桃鯉は、嬉しそうにブティックに入って行った。
「お前達も欲しいもんがあれば買って来い。」
アマビエは、みんなに札束を渡した。
「ありがとうございます。」
みんな嬉しそうにお店に入り、色々買った。
「みんなには、色々苦労かけたからな、食い物がなくて
ひもじい思いをした事もあったが、この打ち出の小槌は、
食料も出てくるからこれからは、安心だ。」
アマビエが言うと、
「その金や食糧は、どこから持ってきてるんです?」
たろべえが聞くと、
「中国のどこかからだ。」
たろべえの買って来た隔離世のクリームパンをパクつき
ながらアマビエは、言った。
クロちゃんの家に戻ると、クロちゃんが疲れた顔をして
いた。
「どうした?元気ないな。」
「同じクラスのコウ君が中国風邪だったの
クロちゃんのクラスは濃厚接触者になって・・・・
神威病院で、水神様の水を目一杯飲まされたの
クロちゃんは、その子と言い争ったから特に沢山飲まされたの。
・・・お腹一杯でおやつも入らない・・・。」
クロちゃんは、言った。
「お、今日のおやつは、ティラミスと、あんみつか、
美味そうだな。」
アマビエは、ティラミスをパクついた。
「じゃ、コレ喰ったら水神池に行くぞ。」
「無理・・・今日は、自粛するようにって。」
「お前、馬鹿か?水神池に人間は、いないから感染せんぞ。」
アマビエが言うと、
「あ、それもそうね。」
クロちゃんが言うと、
「クロちゃんね、学校が思いの外感染者が多いから
毎朝朝礼で、中国風邪を祓う舞を踊る事になったんだよ。
みっちゃんやセヒやチョコも踊るんだよ。」
みっちゃんが嬉しそうに言うと、
「クロちゃん、あれを毎日踊るの恥ずかしいわ。」
「は?何を今更、お前の踊りは、SNSやネットで全世界で
配信されているし、今まで踊っていたろう??」
アマビエが聞くと、
「なんとなくノリと、周りに流されていたけど・・・
クロちゃんシャイなの。」
クロちゃんが嫌そうに言うと、
「お前、美代ちゃんが見てますよ。
カッコイイとこ見せなくて、どうしますか。」
チョコが言った。
「美代ちゃんにいいトコ見せないとな。」
セヒが言った。
「み、美代ちゃんが見てるのね・・・じゃ頑張らないと。」
クロちゃんが言うと、
「流石、兄ちゃん達は、クロちゃんのやる気を出させるのが
上手いな。」
アマビエは、笑った。
「さあ、行くぞ!水神池!」
アマビエが言うと、クロちゃんは、重くてちゃぷちゃぶ
気味の腹が重いなと思いつつ立ち上がった。
庭に出ると、馬鯉が大きな龍になった。
鯉レンジャーは、大きな鯉になり、気持ちよさそうに
空を泳いだ。
「さあ、みんな乗れ!」
アマビエの掛け声で、みんな馬鯉に乗り込んだ。
馬鯉は、青空を気持ちよさそうに飛んだ。
「リアル鯉のぼりだな。」
セヒは嬉しそうに言った。
しばらく飛んで行くと、ぼう~と光って!大きな滝!
大きな池が見えた、池がさ~っと割れて中から道が
できた。
沢山の魚や、エビ、カニの妖怪が出迎えた。
「アマビエ様、お帰りですか。
クロちゃんもご一緒でしたか、水神様にご報告いたします。
皆様は、奥の部屋でお待ちください。」
人魚が案内してくれた。
奥の立派な部屋には、甘い果物と、お菓子、ジュース、
お茶、酒が用意されていた。
「お、コレうまいぞ、みんな喰え!」
アマビエは、更を持って、みんなに進めた。
凄く美味しい!花の様なマンゴーの様な甘い香り
のムースのようなお菓子で、食べると、中の甘いソースが
口の中に広まり、甘い香りが口一杯に広がった。
「美味しい!」
クロちゃんが夢中で食べると、
「この酒も美味いぞ。」
アマビエは、クロちゃんにグラスを渡した。
「美味しい!」
甘い花の様なマンゴーのような香り。
「ここの菓子や飲み物は、この海美桃で作ってあるんだ。」
アマビエが差し出した海美桃を皮をプリりと剥いて、ぱくりと
一口、甘い花の様なマンゴーの様な香りで、蕩けるような
甘く、柔らかな果実が口一杯広がった。
「旨いだろう?これは、旨いだけでなく、霊力も上がるんだ。
神様の食い物だからな、クロちゃんを連れてきたら
季節だから気前よく出してくれると思ったんだ。
お前達、ジャンジャン喰って、霊力をあげろ!」
アマビエは、ご機嫌に言った。
「おい、アマビエ、貴重な海美桃をガツガツ喰うなあ。」
水神様が呆れ顔で見ていた。
「これは、貴重な物を気前よくありがとうございます。
コレで霊力をあげて頑張ります!」
アマビエは、目一杯笑った。
「相変らずだな、あ、クロちゃんも一緒じゃったか。」
「あ、水神様、今日は、貴重で美味しい物をありがとうございます。」
クロちゃんが二コッと笑うと、水神様は、ご機嫌になった。
クロちゃんを頭に載せて、ご機嫌に辺りを飛んだ。
「きゃ~♪きゃ~♪」
クロちゃんは、大喜びだ。
「チョコもあれに乗りたいです。」
「ばか!罰当たりだぞ!」
アマビエが怒った。
「クロちゃん、いいですね。」
チョコが、羨ましそうに言った。
「だが、海美桃は、不作らしくて、今年は、あまり収穫できなかった
んじゃ、味わって喰え。」
水神様が言うと、
「原因は、何です?ここは、水不足って事は、ないし、病気か
動物にく荒らされたかでしょう?」
アマビエが聞くと、
「それが、そこの住民がはっきり言わんのだ。」
水神様が言うと、
「水神様に、ちゃんと理由を言わんとは、けしからんな!」
アマビエが言うと、
「調べて来てくれんか?」
「我らは、食用の鯉で兵隊で軍団を作る為に、来たんで
そんな暇は、ないです。
そんな事は、その地方の役人の仕事です。」
アマビエが、けんもほろろに言うと、
「その役人が不正をしているかもしれんのじゃ。」
「我の仕事じゃありません。」
「その役人は、お前の兄のツチビエだ。」
「えええ!!兄上なのか!?100%不正している!逮捕して、
拷問して、吐かせればいいでしょ!めんどくさい!」
アマビエは、言った。
「アイツは、お前と一緒で、なかなか姑息で、尻尾を捕ません
上に、人をハメるのが得意だからな。
手を焼いておる、優秀なお前の事だから解決できるじゃろう。」
水神様が言うと、
「我は、病を祓う者!管轄外だ。」
アマビエがそう言うと、
「お前のランクを上げて、出世させてやるぞ。」
水神様が言うと、
「仕方がない、チャチャと解決してくるか。」
アマビエは、ニンマリ笑って、
「ご褒美もたんと下さいよ。」
アマビエは、不敵に笑った。
クロちゃん達は、山道をテクテク歩いていた。
「何で、わざわざ歩いて行くの?」
クロちゃんが聞くと、
「この辺りから歩いていかんと、我が来たのが、ツチビエに
バレるからな。
旅人の変装して、様子を探って、決定的な証拠を掴む!」
クロちゃん達は、しばらく歩くと、村が見えて来た。
見事な田園風景が広がっていた。
「わあ~田んぼや畑だあ~。」
クロちゃんは嬉しそうに言った。
そして、海美桃見事な畑が見えて来た。
「旨そうだな~・・・でも沢山実っている。
やっぱりツチビエが横流ししているな。」
アマビエが海美桃畑をみると、金魚の妖怪の娘が一生懸命
桃を収穫していた。
「お嬢さん、美味しそうな海美桃ですね、少し分けて
頂けないですか?」
アマビエが尋ねると、
「すいません、これは、水神様に納品しないと、
罰金を取られます。」
金魚の妖怪の娘は、申し訳なさそうに言った。
「お嬢さん、いくらならこの海美桃を譲っていただけますか?」
金魚の妖怪の娘は、少し考えこんで、
「一つ300円でしたら・・・。」
「安い!これは市場価格1つ、一万円くらいするぞ!
金を払うから、沢山喰わせてくれ!」
そう言って、アマビエは、札束を渡した。
その一万円札は、竜神様が描かれていた。
・・・単位は、一緒だけど、ここのお札は、違うんだ。
「えええ!こんなに頂いていいんですか!?
て、いうか、コレそんなに高い物なんですか?」
金魚の妖怪の娘は、目を丸くして尋ねた。
「そりゃ神様の食べ物だ、高級品に決まっている。
お前達いくらで引き取らていた?」
「一つ100円です。」
「ぼったくりじゃないか!?」
「でも、ツチビエ様に収めないと、罰金取られますから
・・・良かった、これで私は、ツチビエ様の所に奉公に
行かなくてすみます。」
金魚の妖怪の娘は、安堵したように言った。
「納品が少ないと、若い娘は、奉公に行かないといけない
のか?」
アマビエが尋ねると、
「ここだけの話ですが、ツチビエ様は、女好きで、奉公に
出された娘は、夜の相手をさせられると言う話です。」
金魚の妖怪の娘は、言いにくそうに言った。
「夜の相手って何するの?」
クロちゃんが尋ねると、
「子供には、とても言えないような、いやらしい事だ。」
アマビエは、言った。
・・・どんないやらしい事なのかな???
アマビエは、海美桃を沢山入れた箱を皆に抱えさせて、
「そうか、良かったなお嬢さん、それじゃ海美桃も
頂いたし、我々は失礼します。」
アマビエは、丁寧にお礼を言って、歩き出した。
しばらく歩いて、
「よし、ツチビエの所に間者を送り込もう。
桃鯉、お前ツチビエの所にもぐり込んで、内部を探って
こい!」
アマビエは、言った。
「はい、頑張ります。」
桃鯉は、答えた。
「鯉レンジャーは、コッソリ、ツチビエの所に忍び込んで、セクハラや
不正の証拠をこのスマホに収めて来い!桃鯉に不埒な事をしたら
このスタンガンで、気絶させろ。」
「任せて下さい。」
鯉レンジャーは、言った。
アマビエは、カバンから紙とペンを取り出し、サラサラと
書いて、封筒に入れた。
「知り合いの名前で、紹介状を書いた、筆跡もマネている
からバレないだろう。
じゃ、上手くもぐり込め!検討を祈る!」
「ラジャー!」
そう言って、鯉レンジャーは、ツチビエの屋敷へ向かった。
「知り合いって、誰なの?」
クロちゃんが尋ねると、
「母上だ、まず断れんだろうな。」
「あ、じゃ大丈夫ね。」
クロちゃんが言うと、
「じゃ、これから我らは、海美桃の市場価格を下げると
しょう。」
アマビエが言うと、
「え?どうやって??」
「我に秘策がある、一旦、水神池に戻るぞ。」
水神池に戻ると、親方と又べえがいた。
「よく来たな、早速だが、二人共この海美桃を食べてみろ。」
アマビエが、海美桃を親方と又べえに渡した。
「旨い!」
二人は、あまりの美味さに驚いた。
「じゃ、又べえ、お前これより美味い桃を作れ。」
「え!これより美味い桃!?」
又べえが驚いていると、
「お前の桜の大樹のじじいから貰った小箱で、種作れるだろう。」
「あ、そうか・・・待っててくれ。」
又べえは、小箱を取り出し、願いを込めた。
そして、小箱を開くと、種が出来ていた。
「よし、その種を持ってついて来い!」
そう言って、アマビエは、歩き出した。
しばらく行くと、畑が見えたが、何も植えられていない。
「ここは、竜宮城の庭の菜園だ、この辺りは、今何も
植えられてない。
ここを新しい桃の果樹園にする!又べえ、その種をここに
植えてみろ。」
アマビエが言うと、又べえは、種を植えて、太るドリンクを
かけて、妖力を込めた。
すると、芽が出て、みるみるうちに、立派な桃の木になり
濃いピンクの綺麗な桃がたわわに実った。」
それをもいで、みんなは、皮を剥いて食べた。
濃厚な甘さ、果実がぎゅっと濃縮して、柔らかく、
花の様なマンゴーような甘い香りが口一杯に、広がった。
しかも種がないので食べやすい。
「美味しい!海美桃より、味も香りも濃ゆいわね。」
クロちゃん達は、あまりの美味さに驚いた。
「流石、桜の大樹のじじいだ!伊達に歳食ってないな。
ちゃんと、霊力も上がっている。
戯れにくれてやる小箱にこの能力は凄いな。」
アマビエは、感心した。
「親方と、又べえは、急いで、この桃を大量に作って
くれ。」
アマビエは、言った。
「アマビエ様、沢山桃作ってどうするの?」
クロちゃんが聞くと、
「市場に流通させる、基本竜宮城では、これからは、海美桃を
買わないし、市場には、安くもっと美味い桃を流通させる。
名前は、『竜宮桃』!竜宮城のブランド桃で1個1000円
頑張れば、庶民でも買える、ここの庭師、総がかりで作らせる。」
「市場価格が下がると、どうなるの?」
クロちゃんが聞くと、
「海美桃が売れなくなる。確かに旨いが1個一万円は高いと思って
いたが、生産者から100円で仕入れていて、あの値段は、
ぼったくりだ。
絶対、動きがある。」
「何をするの?」
「暴利を貪る連中が、集まって相談するし、多分竜宮城に
竜宮桃を盗みに来るか、内部の者に盗ませるな。
怪しい奴を捕まえて、吐かせる。」
アマビエは、言った。
クロちゃんが、ふと周りをみると、庭師たちが集まってきたが、
みんな騒めいていた。
「みんな集まってきたな、これから竜宮城のブランド桃『竜宮桃』
を作ってもらうが、許可なしに、枝や、苗木等を持ち出した奴は、
我が喰うからな!」
アマビエが凄んだ。
「喰うって・・・。」
クロちゃんが驚いていると、
「みんな魚介類の妖怪だから旨そうだ。」
アマビエが舌なめずりをした、みんなは、恐れおののいた。
「みんな心して、お役目に励め。」
アマビエがニンマリと言った。
次の日、水神池の市場は、『竜宮桃』で大騒ぎになった。
『海美桃』より、味も香りも良く値段は、1/10の
水神池のブランド桃が一斉に流通した。
むろん、海美桃は、殆ど売れず、山と積まれていた。
「明日も沢山持ってくるから待ってろよ!」
アマビエの元気な声が響いた。
その頃ツチビエの屋敷では、ツチビエが桃鯉を口説いていた。
「桃鯉ちゃ~ん♪ほら綺麗な真珠の指輪だよ♪
ね、今夜どう?」
ツチビエが近寄ってくると、
「困ります、ツチビエがちょっかい出したら、ツチビエ様の母上
にご報告する事になってます。」
桃鯉は、懐から紙を取り出した、紙には、
「どスケベ!一昨日来い!母が性根を治してやる!」
と、でっかく書かれていた。
「む!む、む・・・仕方がない・・・今度は、綺麗な着物を
持って来てあげるね~♪」
ツチビエが言うと、別の女の子の方に行った。
「・・・聞きしに勝るどスケベね、とてもアマビエ様の兄上
とは、思えないわ。」
桃鯉が言うと、
「もう、セクハラ現場の写真で、メモリーが一杯だ。」
スマホを見て、赤鯉が言った。
「俺、アマビエ様から貰った金で、パソコン買ったから
それにデーターを移そう。」
青鯉が言った。
「セクハラは、もういいから不正の証拠を撮らないとな。」
緑鯉が言った。
「あ、客が来たみたいだ。」
客間では、ツチビエが大柄の妖怪と話していた。
「折角、『海美桃』の値段を高騰させていたのに、昨日から
出回り始めた、この『竜宮桃』のせいで、全然売れなくなった。」
ツチビエが言うと、大柄の妖怪は、『竜宮桃』を食べて、
あまりの美味さに驚いた。
「旨い!なんて旨さだ!しかし、この桃種が、ないな。」
「どうも、竜宮城の庭で作られているらしい。
竜宮ブランドなんで、貶める事もできない。」
ツチビエが、言った。
「じゃ、この桃の苗木か、つげ木用の枝を手に入れて、
量産すればいいだろう。
竜宮城の者に金を渡して盗ませよう。」
と、ヒソヒソと、話し始めた。
その頃、竜宮城では、クロちゃんが養殖池で、クロちゃんと、
アマビエが鯉を見繕っていた。
「鯉を選んだらクロちゃん帰るわね、学校があるし。」
クロちゃんが言うと、
「あ、さっき星明と連絡したらクロちゃんの学校は、クラスター
で、学校閉鎖らしいぞ、陽性者が100人出たそうだ。」
アマビエが言うと、
「でも、患者は、神威病院で、水神様の水をガンガン飲ませれば
治るわ。」
クロちゃんが言うと、
「神威病院は、毎日、中国風邪の治療で、大変らしいぞ。
ワクチン接種も都内がもっと進まないと、ドンドン患者が
来るらしいぞ。
医者や看護師の数は、増えてない上に、ワクチン接種で、
人手がたりないらしい。」
「クロちゃん神社と、万福商店街以外は、まだまだ蔓延
しているのね。」
「それでも、舞や消毒草、クロちゃんの水やワクチン草の
おかげで、かなり収束してきたのに、ルール無視する
連中のせいで、また広がるからな。」
「コウ君のお家ね、親戚で集まって、山の中でキャンプ
していたらしいの。」
「そいつも、そいつの家族もロクなんじゃないな。」
「そうなの性格が悪くて、馬鹿で、乱暴で、意地悪なの。」
クロちゃんは、ため息をついた。
すると、向こうから緑鯉がやって来た。
「アマビエ様~!クロちゃん!不正の証拠を盗聴、盗撮
しました。」
「お!ご苦労!見せて見ろ。」
アマビエ達は、動画を再生した、それを見て、アマビエは、
怪訝な顔をした。
「こいつ、中国妖怪だ。・・・兄上だけで、あんなにぼった
くりの値段にできるわけないと、思っていたが・・・
今夜あたりに、桃の木を盗みにくるぞ。」
アマビエの目がキラリと、光った。
竜宮城の庭では、怪しい影が『竜宮桃』の枝を折ろうとして
いた。
「見つけたぞ!現行犯だ!」
アマビエが叫んだ!鯉レンジャーも飛び出し!次々に
取り押さえられた。
「さあ、お前ら!誰の差し金だ!さっさと吐け!
口を割らんなら順々に喰ってくぞ!」
アマビエが凄んだ。
「た、食べるの!?」
クロちゃんが驚ていると、
「よく見ろ!クロちゃんの大好きな鰻の妖怪だ、こつら。」
「ああ・・・脂がのって美味しそう。」
クロちゃんが生唾を飲んだ。
「一之介を呼んで、捌かせ、うな八の八じっちゃんを呼んで
焼かせて!鰻の蒲焼パーティーだ!」
アマビエが嬉しそうに言った。
「あ、楽しそう。」
「な、お前達もう吐かなくていいぞ!次の奴に主犯を
吐かせる!鰻パーティーだ~♪
ちなみに、身元を洗うから家族がいたら一族郎党
同罪で、喰うからな。」
アマビエが嬉しそうに言った。
竜宮城の大広間で、クロちゃん達は、お御馳走を食べて
いた。
「案外、あっさりと吐いたろう?」
アマビエがご機嫌に、言った。
「本当ね、凄いわ。」
「じゃ、踊るか、クロちゃんも踊れ」
二人は、打ち出の小槌を振り振り踊った、すると、金銀
財宝が、ザクザク出て来た。
「これ、どこから出て来るの。」
クロちゃんが聞くと、
「中国の一番金がある所からだ、中国妖怪がここの富を
海美桃で、持って行っていたからな、取り返さないと。
ツチビエは、明日、竜宮城に呼んで成敗する!」
「いいの?お兄さんでしょう?」
「かまわん!あの売国奴!水神様は、我の一族には、罪は、
及ばんと約束してくれた。
我の出世の糧になって貰う!わっはっは!」
豪快に笑った。
・・・本当に女の人なのかしら?・・・漢だわ。
次の日、ツチビエが客間で中国妖怪と、酒を酌み交わして
いた。
すると、ドアがノックされ、執事が慌てて、入ってきた。
「旦那様!大変です!竜宮城から使者の方がいらっしゃい
ました!その方と言うのが・・・わ!」
「ツチビエ!海美桃を農民から安価で買い付け、
その中国妖怪と、結託して、海美桃の価格を
人為的に高騰させ!
若い娘のいる家から異常な年貢を取りたて、収められない様にして、
娘を無理やり奉公させて、セクハラ三昧の罪で、逮捕だ!」
アマビエが、逮捕状を見せた。
そして、逃げようとしたツチビエを鯉レンジャーが取り押さえた。
「く、くそう!」
中国妖怪が、逃げようとすると、アマビエが立ちふさがった。
「おい!お前の相手は、我だ!」
アマビエは、ギラリと、刀を見せた。
「おい!俺を捕まえて、悪だくみをした証拠があるのか?」
「ある!これは、人間の道具で、ボイスコーダーと言ってな
お前と、ツチビエの会話を録音してある。」
アマビエは、ニンマリ笑った。
「おや、お前、妖怪かと思ったら福の神か?」
アマビエは、男の顔を覗き込んで言った。
「そうだ!妖怪扱いは、失礼千万!」
「なるほど、だから海美桃の値を高騰させれたのか。
工作しても、ぼったくりと思ったが、福の神が
絡んでいたか・・・ひょっとして小福の親分か?」
「そうだ!俺は中福、散々我が国の富をむさぼりおって!」
「名前から言って、中ボスだな、よし!福の神らしく勝負だ!
野球拳でどうだ?知ってるか?」
「野球拳ぐらい知っている!やーきゅうーぅす~るなら~
こーゆうぐあいにしなしゃんせ~あうと!せーふ!
よよいのよい♪で、ジャンケンをして、負けた方が
服を脱ぐやつだな。」
「そうだ、福の神だから、負けたら、福を取って行く
というのはどうだ?」
「面白い!受けて立つ!全ての福を奪ってやる!」
中福が息巻いた。
・・・大丈夫かしらアマビエ様・・・。
すると、アマビエは、ニンマリ笑って、
「こちらは、我の弟子、福の神のクロちゃんを出す!」
「ええええ!!!何でクロちゃん!?」
「福の神の相手は、福の神だろう?
負けたら許さんぞ!」
アマビエが言った。
・・・怖い(;_;) 。
そして、クロちゃんは、成り行きで、中福と野球拳対決をする
事と、なった。
ツチビエの屋敷の大広間で、クロちゃんは、中福は、お互いを
見てかまえた。
・・・野球拳って、ただのジャンケン勝負じゃ・・・何考えて
いるのアマビエ様。
「もし、中福が勝ったら俺を放してくれるんだろうな。」
縛られたツチビエが聞くと、
「馬鹿か、お前の逮捕と、この勝負は関係ない!
中福が勝とうが、負けようが、お前の罪がなくなる訳が
ないだろう。」
アマビエは、けんもほろろに言った。
ツチビエは、ガッカリした。
「ふん、こういうのはな力が強い方が勝つ!格の
違いを思い知れ!」
中福は、小馬鹿にしたように笑った。
「クロちゃん、福の神の下っ端だもの・・・無理だと思う。」
クロちゃんは、困ったように言った。
「では、両者、始め!」
アマビエの掛け声で勝負は、始まった。
クロちゃんと、中福は、歌いながら
「やーきゅうーぅす~るなら~
こーゆうぐあいにしなしゃんせ~あうと!せーふ!
よよいのよい♪」
クロちゃんが、チョキを出すと、相手は、パーを出した。
「クロちゃんの勝ち!」
アマビエは、叫んだ。
「く、くそう!次は!」
中福は、叫んだ。
「やーきゅうーぅす~るなら~
こーゆうぐあいにしなしゃんせ~あうと!せーふ!
よよいのよい♪」
二人は、100回目の勝負をした。
「クロちゃんの勝ち!」
クロちゃんは、喉も枯れてしまった。
「こんなの八百長だ!」
中福が叫ぶと、
「このクロちゃんは、いろんな位の高い神様のお気に入りで、
運のランクを滅茶苦茶上げて貰っている、お前の10倍以上
運が高い!負けるか!ば~か!
さ、とどめを刺すか、そうそう、野球拳対決をしている間に
お前の手下は、全員鯉レンジャーが捕まえたからな。」
アマビエは、打ち出の小槌を取り出し、
中福をバン!バン!バン!ババン!と超高速で連打した。
中福は、小さくなり、アマビエは、先に捕まえておいた
中福の部下と一緒に、透明なボールに放り込んで、
ツチビエの家の者に、
「それからツチビエの後に、新しい役人を寄越すから
安心しろ!この辺の村長達を呼んで、話をつけとくな。
娘たちは、家に帰っていいぞ。」
「はは~。」
ツチビエの家の使用人達は、みんなアマビエにひれ伏した。
「一件落着!」
と、叫んだ。
竜宮城で、水神様に報告した後、アマビエは、クロちゃんを
連れて養殖池で、鯉をスカウトしていた。
「沢山いるわね、どうやって選ぶの?」
クロちゃんが聞くと、
「まず、やる気がある奴だ!滅茶頑張っているヤツ、
その中で見込みがありそうなヤツを選ぶ。
人間もそうだろう?頑張っていて、才能があって、運が
いい奴だけが成功できる。」
「そうか、でも何でクロちゃんに選ばせるの?」
「クロちゃんに仕える眷属だからクロちゃんが選ぶべき
だろう?
それに、クロちゃんお勧めの赤鯉は、体は小さいが、賢くて、
身軽で役にたったぞ。」
アマビエは、赤鯉の頭を撫でた。
「大変だけど、アマビエ様と一緒だと楽しいです。」
赤鯉は嬉しそうに笑った。
「良かったわね、クロちゃん見る目が、あったのね。」
クロちゃんも嬉しくなった。
「じゃ、あの元気のいい鯉、あれと、それと、これ。」
クロちゃんが選ぶと、
「おい、足りないぞ、100匹選べ。」
「100匹!そんなに!?寝る所も食料もいるんじゃ・・。」
クロちゃんが、心配そうに言うと、
「経費は、打ち出の小槌からいくらでも出せるだろう?
宿舎の件は、星明がどうにかするそうだ。」
アマビエは、言った。
クロちゃんは、どうにか100匹鯉を選んだ。
「鯉達を鍛えたらクロちゃん神社に連れて来るな。」
アマビエは、言った。
「楽しみに待っているわね。」
クロちゃんは、笑った。
1週間後、クロちゃんは、毎朝、学校の朝礼で、中国風邪を
祓う舞を踊る事と、なった。
「次は、中国風邪を祓う舞をみんなで一緒に踊って、中国風邪を
祓いましょう、はい、クロちゃん、どうぞ。」
クロちゃんは、朝礼台に上がり、セヒ、チョコ、みっちゃんが
後ろに並んだ。
音楽が流れ始まると、突然沢山の鯉が空に現れた。
鯉達は、次々に校庭に舞い降りて、人型になった。
「え、これって・・。」
クロちゃん達が驚いていると、
「待たせたなクロちゃん、右から天鯉1号、天鯉2号、天鯉3号、
天鯉4号、天鯉5号・・・・天鯉100号だ。
クロちゃん配下の天鯉部隊だ。」
アマビエが、自慢げに言った。
「あ、みんな、よろしくクロちゃんです。」
クロちゃんが、挨拶すると、
「我らクロちゃんを守る為に全力で、闘い、役にたつ所存です。」
天鯉1号が言った。
校庭は、アマビエや、天鯉部隊が現れて、大騒ぎと、なったが、
「よし、みんな、クロちゃんと一緒に、中国風邪を祓うぞ!
みんな、頑張れるか!?」
アマビエが叫ぶと、
「お~!頑張る!」
みんな返事をした。
そして、驚いているクロちゃんをよそに、音楽に合わせて、
踊りだした。
アマビエも、全校生徒ノリノリである。
インターネットで評判のアマビエと、鯉の妖怪である、
子供達は、更にテンションが上がった。
・・・ひよっとして、毎朝、天鯉部隊踊りに来るのかしら・・・。
「クロちゃんも踊りなよ。」
みっちゃんは、笑った。
・・・みんな楽しそうだからいいか・・・。
「ほら!あれが、ワクチン打って、妖怪にされた人間だ!」
コウ君が叫んでいる。
「我らは、水神池の鯉だ、お前うるさいから黙れ!」
天鯉1号は、叫んだ。
すると、コウ君は固まってしまった。
「舞が終わるまで、じっとしておけ!」
天鯉1号は、又楽し気に踊り始めた。
・・・なんか又変なのが増えちゃったわ・・・。
ちょっと不安になるクロちゃんだった。




