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登竜門レース

薫風さわやかな季節を迎えクロちゃん神社では、子供の日の準備

が進んでいた。

花壇では、又べえと親方が植えた端午の節句草、たなびく鯉のぼり

と、男の子の可愛い花を沢山咲いていた。

だが、親方、又べえ、ごんべえは、ワククチン草、消毒草、マスク草

を大量生産していた。

まだまだ中国風邪が、収束しない国内や国外から注文が殺到していた。

「又べえは、新婚なんだから早く帰りたいなあ。」

又べえがそう言うと、

「中国風邪がまだまだ収束しないから、文句言うな!

ゴールデンウィークなのに、クロちゃん達も舞を踊りに

行っているだろう!」

親方は、怒鳴った。

又べえは、渋々仕事を始めた。


その頃、クロちゃん達は、アメリカで踊りまくっていた。

中国風邪が流行っているのに、マスクをしない人が

多い。

お国柄なのか、ノリが良くて、何回もアンコールされるので、

クロちゃん達は、クタクタになった。

病院に寄付した、消毒草と、マスク草は、感染者を見つけて

追いかけまわしていた。

アメリカって、全て大きいのね。

ファストフードのハンバーガーもピザも大きい、ジュースなんて

凄く大きくて飲みきれない。

「明日は帰れるわね、お家のご飯が恋しいわ。

ここは、鰻ないし。」

クロちゃんは、ぼやいた。

だが、映画のようにカッコイイ景色は、ドキドキした。

何もかも英語である、初めての海外旅行は、ドキドキである。

「パパの国はどんなだい?」

パパが聞くと、

「何もかも大きいわね、凄くちっちゃくなった気分。

でも、ご飯があんまり美味しくないから・・・

早く帰りたい。」

クロちゃんが言うと、

「え!めちゃ面白いじゃないですか!」

チョコと、セヒはご機嫌で走り回っていた。

「そうかい、二人はアメリカ気にいったんだね。」

パパが嬉しそうに言った。

「大統領選が近いの?テレビで講演会のニュースしていたわ。」

クロちゃんが言うと、

「ああ、来年大統領選があるからね、パパはもう日本人になった

から選挙権がないけど、今の大統領に再選して欲しいね。」

「え?あの大きな小太りで、元気な大統領は問題児なんでしょう?

好戦的みたいだし。」

「でもね、今の大統領になって戦争は、していないんだよ。

経済も良くなったし、前の黒人の平和主義のイメージが強い

大統領の時も戦争しているしね。

マスコミの作った悪いイメージが強いけど、あの元気のいい大統領

パパは好きだよ。

マスコミの作った、イメージに振り回されては駄目だよ。」

パパは、言った。

作られたイメージは実際と違う?・・・そんなもんなのか・・・。

すると、クロちゃんは外に、嫌な気配がした。

クロちゃんが、病院の窓から外を見ると、又妖怪が中国風邪の

ウィルスを巻き散らかしている。

「あ、又妖怪が中国風邪のウィルスを巻き散らかしているわ!」

クロちゃんが、妖怪の所に行くと、消毒草の花が、沢山妖怪を

取り囲んで、消毒していた。

「成敗!」

そして、その妖怪をアマビエが攻撃していた。

「アマビエ様。」

「やあ、久しぶりだな。」

アマビエは、言った。


「菓子が甘すぎる!この極彩色は、何だ!食い物か?

珈琲・・・旨いな。」

客室で、珈琲を飲みながらアマビエは、言った。

「アメリカのお菓子は、甘いのね。」

クロちゃんもがっかりしたように言った。

「明日は、家に帰るからおばあちゃん達の手作りのおやつが

食べられるわ。

アマビエ様もクロちゃんの家に来ない?」

クロちゃんが言うと、

「行きたいが、我も水神池に帰らねばならない。

随分留守をしているしな。」

アマビエがは、言った。

「そうね、アマビエ様もお家に帰らないと落ち着かない

わね。」

クロちゃんが、言うと、

「それに、登竜門レース開催されるからな。」

「登竜門レース?」

「要は、鯉の滝登りレースでな、年間何回か開催されるが、

幼魚の部は、一年に一度開催されて、なかなか面白いんだ。

滝を登れる幼魚は、なかなかいないが、登れた幼魚は、

龍になれるんだ、その姿は雄大だぞ。」

「鯉の滝登り見たいです!」

チョコが言った。

「行こう、な、行こう!」

セヒもノリノリだ。

その時ドアが開いてパパが

入って来た。

「あ、みんなお待たせ、商談まとまったよ。」

「商談?」

「おばあちゃんに頼まれて、消毒草と、マスク草の注文

を取ってきたんだよ。

ほら、サンプルをここの病院にあげたら大量注文を

貰ったよ。」

パパが機嫌よく言った。

「じゃマージンもバッチリですね、新しいゲームソフト

買って下さい。」

チョコが機嫌よく言った。

「パパ、あれ寄付じゃなくて、サンプル配って儲ける

為だったの。」

「そうだよ、一株1,000円の良心価格だよ、沢山の

人の役にたつ、儲かる、ウィンウィンだね。

じゃ、商談も終わったからお土産買って帰ろうね。

アマビエ様も家に寄って、おやつと夕飯をいかがですか。

おやつは、チョココルネと、チョコレートムースだそうです。」

パパが言うと、

「じゃ寄らせて貰おう。」

クロちゃん達は、一旦家に帰る事になった。


おばあちゃんン家では、おばあちゃん達が着物を縫っていた。

この間、隠世の大桜の夜店で、又べえとぼったくって買った

沢山の反物をみんなで手分けして縫っているのである。

おばあちゃんは、神様から貰った桜の着たら若返る着物を

着て縫っている。

「やっぱり、体が若いと仕事が進むわね。」

おばあちゃんは嬉しそうである。

「おばあちゃん、凄いわコレ着る人で色が変わるんですね。

どうやって他の着物と見分けたんですか?」

ママが聞くと、

「又ちゃんと、交互に触って色が変わったのを買ったの。

又ちゃんが触ると、黄色になるのよ、タンポポだからかしら。」

「そうなんですか、不思議ですね。」

ママがそう言うと、

「ただいま!」

クロちゃん達が帰って来た。

「お帰り、あらアマビエ様、いらっしゃいませ。」

おばあちゃんが言うと、

「久々だな、水神池に帰る前に、寄らせてもらった。

・・・ご婦人初めて見る顔だが。」

「まあ、私ですよ、この家のおばあちゃんですよ。

桜の大樹の神様に頂いた着物で、今若返っているですよ。」

おばあちゃんが、笑うと、

「それは、回春の着物だな珍しい物を気前よくくれたな。

お前どうやって貰った。」

「え、神様の前で踊りを踊ったら頂いたのよ。」

「・・・よっぽど機嫌が良かったのか?」

アマビエは不思議がった。

「そうなの?クロちゃんのおかげかもね、大のお気に入り

みたいだったもの。

それにしても不思議ね、この着物、あの着物に似ているわ。」

「あの着物?」

クロちゃんが聞くと、

「昔ね、私、凄く気に入った、よそ行きの着物を持って

いて、神社で踊りの催しがあった時、兄が好きな子の

気を引く為に無理に借りていったの。

で、その娘ね控室にかけていた時、盗まれたらしいの。

それで、兄は、カッコつけて、弁償しなくていいって

いってね、私に口先だけ謝って、終わり。」

「何ですか!人の大事な物借りて、それだけですか!

そいつ最低ですね。」

チョコが言うと、

「兄の言い分は、自分は、今まで色々買ってやったから

弁償しなくていいって言うのよ。

本当にどうしょうもないモラハラ、パワハラ男だったの。」

おばあちゃんがため息をつくと、

「それじゃ恐喝だ!そいつ人間として駄目だな。」

セヒが言うと、

「そうなの本当に駄目な人で、兄は、稼業を継いで、

失敗してね、奥さんに離婚されたの。

その義姉が別れたがった時、お前どうやって暮らす気だ!

って兄が脅していたの。

で、私言ってやったの

『これから先、兄のモラハラ、パワハラに怯えて生きて

行きたいの?お金は我慢できても辛いんじゃない?』

それで、義姉の腹は決まったの、無理して合わない人と

暮らす事は、ないのよ。」

「そうだったの、それでおばあちゃんは、合わない家族と

暮らすのをやめたのね。」

クロちゃんが言うと、

「家族だからって、無理はしなくていいのよ。

私みたいに離れているから上手くいく事もあるし。

・・・その時の着物にソックリなのよ、

あの神様、不思議ね、あの着物も若さも無くして諦めた物

なのに、こうして手元に戻ったんだもの。」

おばあちゃんは、着物を撫でた。

そんな不思議があったのか・・・。

「そうだ、アマビエ様にも着物を縫って差し上げたいの

ですが、採寸させて頂いてもいいですか?」

おばあちゃんが、聞くと、

「おやつと、夕食を食べたら水神池に戻る。」

アマビエは、言った。

「もう戻られるのですか?慌ただしいですね。」

おばあちゃんが言うと、

「明日は、水神池で、登竜門レースが開催される。

今年は、負けないようにしないと中国風邪が収束しない。」

アマビエが言うと、

「え!登竜門レースはお金を賭けるんじゃないの?」

クロちゃんが言うと、

「各自思い、思いの事を賭ける。

私は、毎年、無病息災を賭けるのだが、去年大負けをした。

で、中国風邪の大流行だ。」

「それが原因だったの・・・。」

「病が流行りやすくなるだけだ、原因は、中国の最近研究所

の管理がズサンでウィルスが逃げた事だ。」

アマビエは言った。

「あの・・・今年もアマビエ様が負けると、中国風邪が

収束しないのかしら?」

クロちゃんが聞くと、

「収束しにくくなるな。」

アマビエは言った。

「クロちゃんも水神池に行くわ!何か役に立つかもしれないし。」

クロちゃんが叫んだ。

「それは、頼もしい。」

アマビエは笑った。


水神池は、いつもより綺麗な花で飾られ、色めいていた。

「クロちゃんよく来たのう。」

水神様は、喜んでクロちゃんを頭の上に乗せて飛び回った。

「クロちゃん、いいですね。チョコも乗りたいです。」

チョコが言うと、

「俺も乗りたいな。」

セヒも言ったが、

「お前達!水神様に恐れ多いぞ!」

アマビエが怒った。

しばらくして、クロちゃんは、水神様降りて、御馳走を

食べた。

「美味しい、お刺身も甘くておいしいv魚の味噌汁も

美味しいわv甘煮も照りてりしてるわ。」

クロちゃんは、美味しそうにパクパク食べた。

「チョコは、魚あんまり好きじゃないですが、ここの魚

美味しいですね。」

「神様用で、新鮮だからな、後で魚の池に連れて行って

やる。」

アマビエは、言った。


魚池には、沢山の鯉がいた。

「沢山いるのね。」

クロちゃんは、元気な鯉を見て言った。

「うむ、レース用の鯉を選ばないとな。」

「この鯉から選ぶのね・・・・。

食用の鯉から選ぶの?」

クロちゃんが聞くと、

「選ばれて、滝を登れた鯉だけが龍になれる。」

アマビエは、言った。

「登れなかったら?」

「勿論、喰われる。」

「え!・・・そうね。」

クロちゃんは、何か切なくなった。

「何だ?お前達だって、馬刺し喰うだろう。」

「馬刺しは美味しいけど・・・。」

クロちゃんは、複雑な気持ちになった。

「昔、食用の鯉が自分は、滝を登れると、言い出して、

試しに滝を泳がせると、見事滝を登り、龍になった。

それから、登竜門レースが始まった。

ほら、やる気のある鯉は、滝を登る練習をしている。

ボ~と泳でいるヤツは、喰われるの待つ馬鹿だ。」

滝の所を見ると、沢山の鯉が滝登りの練習をしていた。

「わあ、頑張っているわね。

どうやって、滝を登れる鯉を見分けるの?」

クロちゃんが聞くと、

「勘だ。」

「え、勘?それだけ?」

クロちゃんは拍子抜けしてた。

「そうだ、去年外したからな・・・・。

どれにしようか・・・よし、今年は、お前が選べ。」

アマビエは、クロちゃんに言った。

「え!ちょっと、そんな無理よ!もし間違えたら・・。」

「中国風邪が蔓延する、人は苦しみ、死者も多数出る。」

アマビエが言った。

「ちょっと、何でそんな大事な事クロちゃんに決めさせるの?」

「お前の方がラッキーポイントが高い、本当は、大黒天様に

決めてもらいたいが、ランクが高い神は、この登竜門レースに

関与しては、ならない。」

「何で駄目なの?」

「レースが面白くないだろう?お前は、99%当てられる。

残り1%で外すなよ。」

「え、外れるかもしれないわ。」

「外すなよ、人類の運命は、お前にかかっている。」

アマビエは、凄いプレッシャーをかけた。

クロちゃんが、鯉達を見ていると、鯉が寄って来て。

「僕を選んで。」

「私を選んで。」

「僕を選んで。」

「私を選んで。」

「僕を選んで。」

「私を選んで。」

「僕を選んで。」

「僕を選んで。」・・・・

と鯉達が寄って来た。

「え・・・どれにしよう・・・。」

クロちゃんが悩んでいると、

「鯉の思いは~♪一つ!~♪死にたくない!死にたくない!」

と、チョコが歌い出した。

「やめて!チョコ兄ちゃん、プレッシャーかけないで!」

クロちゃんが泣きそうに言うと、

「外してもいいです、その時は、中国風邪を祓う舞を踊って、

又べえ達に消毒草と、マスク草を沢山作らせて儲ければ

いいです。

中国風邪にかかって、沢山の人が苦しんだり、死んだり

しても運命です、その人の!

お前のせいじゃないから安心して選べばいいです。」

チョコが言った。

「兄ちゃん、ありがとう。」

クロちゃんは、気が軽くなった。

「あ~こいつ無責任なだけだから。」

セヒがそう言うと、クロちゃんは、又、気が重くなった。

「クロちゃんが、選んだ運命ならどうなっても全力で

俺達が、頑張るから気にせず選べよ。」

セヒが言った。

「ありがとうセヒ兄ちゃん。」

クロちゃんは、気を取り直して鯉達を見ると、一匹の小さな鯉が

ひたすら滝登りをしていてた、何回も何回も滝を登り

落ち、また登りと、何回も繰り返す。

「あ、あの小さい鯉はどうかしら?」

クロちゃんが言うと、

「あ~お前馬鹿か!小さな鯉は大きい奴より馬力がないから

登れんぞ!あれは、喰った方が旨い。」

アマビエが言った。

「食べるって・・・そんな・・・。」

「お前達、旨いって言って喰ってたな。」

「あの美味しいお刺身なの!・・・仕方ないわね。」

あの美味しい刺身を思い出して、クロちゃんは、納得した。

「じゃあ、あの小さな鯉。」

クロちゃんが、そう言うと、小さな鯉は泳いで寄って来た。

「ありがとう、僕、選んでくれてありがとう。」

鯉は、心からお礼を言った。

「頑張ってね。」

クロちゃんは、笑った、そして、アマビエを見ると、

怖い顔をして、

「あと、4匹選べ!今度は、もっと見込みのありそうなヤツ。」

アマビエは、言った。

「え、あと4匹選んでいいの?

・・・え~と、あれと、これと、それと、それ。」

クロちゃんは、4匹の鯉を選んだ。

「よし、お前達、今から特訓だ!こい!もっと激流で鍛えて

やる!」

アマビエは、5匹を救い上げると、5匹を大きな水滴に入れて、

空中に浮かせて、激流の滝に連れて来た。

「さあ、お前達!刺身になりたくなかったら滝を登れ!

これしきの滝を登れないヤツは、龍になれんぞ!」

アマビエの怒号で、鯉達は、滝登りの特訓を始めた。

鯉達は、ヘトヘトになってしまった。

「ねえ、アマビエ様、この鯉が滝を登れるとは思えないわ。

無理だと思うわ。」

クロちゃんが、心配そうに言うと、

アマビエは、徳利を取り出し、

「安心しろ!さっきの宴会の時くすねて来た、水神様用の

酒だ!これは、霊力が宿っている。

コレを飲むと、100万馬力が出る!これをコッソリ飲むと、

実力がある奴だけが、滝を登れる。」

アマビエが言うと、

「それドーピングだろう?ズルくないか?」

セヒが言うと、

「ただの食用の鯉に滝が登れる訳がないだろう。

みんなやってる事だ!でも、内緒だぞ。」

アマビエは、凄い剣幕でみんなの口を塞いだ。

「あの、ひょっとして、昔、龍になった鯉は、誰かが、水神様の

お酒を飲ましたの?」

クロちゃんが聞くと、

「我がコッソリ飲ませた、内緒だ。」

「なんだ、八百長じゃないですか、つまりませんね。」

チョコが言うと、

「黙れ!お前達中国風邪が収まらなくてもいいのか?

困るだろう?くれぐれも内緒だ。」

そう言って、鯉達に酒を飲ませた。

「お前達!くれぐれもしくじるなよ!」

アマビエが言うと、

「はい、頑張ります。」

鯉達は、言った。

「あのアマビエ様、何で昔、龍になった鯉にコッソリ水神様の

お酒を飲ましたの?」

「嫌いなヤツが、その鯉を馬鹿にしたんで、そいつの吠えずらが

見たくて飲ませた。」

アマビエが言うと、

「優しいのね。」

「一生懸命頑張っているヤツをわかったような顔して、

馬鹿にするやつは、気に喰わんだけだ。」

アマビエは、言った。


次の日、水神池では、登竜門レースが開催された。

筋肉隆々の鯉や、人間どころか、熊くらいの鯉も

いた。

「あれ、見るからにドーピングよね。」

クロちゃんが呆れてみていると、

「だから皆ドーピングしている、だが、ああいうのは、

スマートじゃない。」

アマビエが言うと、

「でも、去年大負けしたんですよね。」

チョコが言うと、

「去年は、油断した、今年は、クロちゃんの運に賭けよう

と思う。」

アマビエが言うと、

「みっちゃんが、攻撃されても避けれるようにしたよ。」

みっちゃんが言うと、

「攻撃!?」

「そりゃ、あの鯉、あれはズルする顔した鯉だよ、負けたら

刺身だもん。」

みっちゃんが言った。

「みんな食材になるかどうかの瀬戸際だからな。」

アマビエは言った。

「よう、アマビエ今年は、我が勝つぞ!見ろ!

この立派な鯉!」

大きな人くらいの鯉を見せた、凶悪そうだ。

「リクビエ、相変わらず露骨なドーピングだな。

でも、勝つのは我だ。」

アマビエは、言った。

「あの神様?は?」

「あいつは、リクビエ、昔、滝を登ると言った鯉を

馬鹿にした嫌な奴だ。

あと、ウミビエ、カワビエ、ヤマビエと、あそこに

いるのが、レースの参加者だ。」

それぞれ強そうな鯉を持参している。

それに比べて・・・こっちは、普通の鯉じゃ・・・。

まけちゃうかも・・・クロちゃんは、暗い気持ちになった。

すると、

「さあ、登竜門レースの始まりだ!みんな位置について、

よーいドン!」

水神様の掛け声で、レースは、始まった。

滝は、凄い激流で、鯉が登るのは・・・・無理っぽい。

だが、鯉達は、頑張って、上っている!

体がデカイ物もなかなか登れない、鰭を扇風機のように

動かして、登る物もいたが、なかなか進まない。

その中で、クロちゃんの選んだ鯉は、スイスイ泳いで行く。

「凄いわね、頑張れ!」

クロちゃんが応援すると、

「水神様のひげの端っこをコッソリ切って飲ませたかいが

あるな。」

アマビエは、ニンマリした。

・・・アマビエ様、なかなかズルいわ。

すると、リクビエのでっかい鯉がクロちゃん達の鯉を

飲み込んでいく!

「あ、食べちゃった!」

「しまった!アイツも水神様の酒をくすねて飲ませたんだ!」

アマビエは、叫んだ!

最後に、あの小さな鯉をリクビエのでっかい鯉が飲み込もう

とすると、小さな鯉は、リクビエのでっかい鯉に思いっきり

ぶつかると、リクビエのでっかい鯉を突き破った!

「わあ!すごい!頑張れ!」

「よし、後少しだ!」

その時!別のリクビエのでっかい鯉が後ろから泳いで来た!

そして、小さな鯉を一飲みした!

が、小さな鯉は、リクビエのでっかい鯉の口を突き破った!

そして、2匹は、勢い余って落ちてしまった。

そして、落ちて来たリクビエの大きな鯉をアマビエは、

切り裂いた!

「ふん!刺身にしてやった!」

アマビエが怒っていると、

「何で我の鯉を切り裂いた!」

リクビエが怒鳴り!怒り狂っている。

「ふん!獰猛な鮫の肉を食わせてドーピングしてたんだろう!

泳いでいる鯉を喰うのは反則だ!これは、足を引っ張る

レースじゃない!滝を登りきるレースだ!

毎年妨害しやがって!このインチキ野郎!」

アマビエも怒り狂っている。

「どうしよう、水神様、でも卑怯なのはリクビエよ!

あんな妨害は酷いわ!」

クロちゃんが言うと、

「アマビエ、リクビエ、その辺にしておけ、お前達は、

2人とも駄目だったんじゃ。

どうせ刺身にするところだ、アマビエが料理しただけじゃ。

ま、その刺身を喰えば、何をドーピングしたかわかるがな。」

水神様がリクビエに言った。

「それはそうと、うちの鯉共!」

アマビエが叫ぶと、大きな鯉の中から出て来たクロちゃん達の鯉達に、

「貴様ら!覚悟は、できているのか!中国風邪が

蔓延するだろう!」

アマビエは、怒り狂っている。

鯉達は、恐怖で固まっている。

「あの・・・クロちゃんも1%はずしちゃって・・・。」

「お前もだ!どうしてくれる!」

メチャ怒ってる(;_;)

「ご、ごめんなさい。」

クロちゃんがあやまると、

「でも、みんな滝登れなかったぞ、一緒にじゃないか。」

セヒが言うと、

「ああ、他の奴も『人類平和』だの『五穀豊穣』『一樹百穫』

だのを賭けていた、だからそれが駄目になっただけだ。」

「元々そんないい時は、ないから変わらないだけですね。

クロちゃん達は、今までどおり中国風邪を祓う舞を踊れば

いいですね。

みんなで頑張って、中国風邪を収束させますよ。

又べえ達が、沢山ワクチン作ってくれますから。」

パパは、言った。

「ま、クロちゃんは、それでよしとして、お前らだ!」

鯉達を見て、アマビエは言った。

この責任をどう取ってもらおうか!」

そう言うと、アマビエは、鯉達を水玉に入れて、連れて行って

しまった。

「お刺身にされちゃうのかしら・・・。」

不安に思いながら見送るしかないクロちゃんだった。


翌日は、クロちゃん神社で、子供の日のイベントが開催された。

クロちゃんとみっちゃんは、おばあちゃん達が縫ってくれた

お揃いの桜柄の着物を着て舞った。

綺麗なエメラルドグリーンの中を桜が舞っている柄で、

桜の花が動くのである。

二人は、ピッタリ動きを合わせて舞っていると、

突然!

「こいつは、中国風邪!消毒!」

「こいつは、中国風邪!消毒!」

「こいつは、中国風邪!消毒!」

「こいつは、中国風邪!消毒!」

「こいつは、中国風邪!消毒!」

と言って、消毒草が、消毒液を誰かを囲んで、吹きかけ出した。

「くそう、バレたか!」

10人の妖怪が姿を現した!

「我らは、中国風邪をばら蒔きに来た!覚悟しろ!」

妖怪達が黒い靄を出し始めると、妖怪達に切りかかった一団が

いた。

鯉の頭をした、人型の妖怪?

「僕は、赤鯉!」

「私は、桃鯉!」

「俺は、青鯉!」

「おいらは、黄鯉!」

「吾輩は、緑鯉!」

「我らは!鯉レンジャー!中国風邪をばら蒔く妖怪を

退治しに来た!」

そう言うと、瞬く間に中国妖怪を叩きのめした。

「クロちゃん、僕だよ!登竜門レースに選んでくれた鯉だよ。

こいつら捕まえたよ、ワクチン作る?」

赤鯉が言った。

「え、ひょっとして、登竜門レースの時の小さな鯉?」

クロちゃんが聞くと、

上空から龍が降りて来た、龍に跨っているのはアマビエだった。

「こいつらには、今からウジのようにわいてくる中国妖怪

の征伐をさせる事にした。

中国風邪を祓う舞も仕込んで踊らせる。

中国風邪を一刻も早く収束させるのが、コイツらの使命だ。」

アマビエが言うと、

「良かった、刺身にされなかったのね。

立派な龍に乗ってくるから驚いたわ。」

クロちゃんが言うと、

「こいつは、昔、滝を登って龍になった鯉だ。

今は、我のアッシーをしている。」

「そうだったの・・・みんな良かったわね。」

クロちゃんは、嬉しくなった。

「では、我らは、中国に渡り、中国風邪をばら蒔く妖怪どもを

一掃して来る!さらばだ!」

そう言って、アマビエは龍に跨った、鯉レンジャー達も

一斉に空を飛んだ、赤、桃、青、黄、緑色の鯉が空を泳ぐ様は、

正に、生きた鯉のぼりである。

そして、アマビエ達は、中国を目指して、遠くの空に

飛んで行った。

それをクロちゃん達は、いつまでも見送った。

なんだかんだ言ってもアマビエ様やさしいわ、本当に

ツンデレさんね、と思うクロちゃんだった。


後に、クロちゃんは、アマビエ様達が、香港やウイグル自治区で

大暴れするニュースを耳にするのだった。








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